ソニー「α7 IV」と「α7R III」はどちらを選ぶべき?

DPReviewに、ソニーα7 IVとα7R IIIとの比較記事が掲載されています。

Sony a7 IV vs a7R III: which is the better camera in 2022?

  • 最新機種のα7 IVと4年前のα7R IIIは一見比較対象にならないように見えるかもしれないが、α7R IIIはまだ販売されており、両者は同等の価格だ。α7R IIIAが登場し、ソニーはしばらくα7R IIIの販売を続ける予定なので、我々はこの2機種のどちらがよいかの議論には意味があると思っている。

  • 画質:解像力は、42MPのα7R III が33MPのα7 IVよりも明確に優れている。α7R IIIは4枚の画像を合成するピクセルシフトも可能だ。しかし、ダイナミックレンジはほぼ同等で、解像力以外の画質面では両機に大きな違いはない。また、α7R IIIには非可逆圧縮RAWと非圧縮RAWしか選択できないが、α7 IVはロスレス圧縮RAWが用意されている。
  • AF:α7 IVは新世代のAFシステムが採用され、より信頼性が高く被写体から外れることの少ない追尾を実現している。また、α7R IIIよりも1EV低い光量でも合焦する。α7 IVのAFは顕著に性能と信頼性が向上している。
  • ユーザーインターフェース:メニューのレイアウトが大きく異なっていて、α7R IIIはオプションの位置をおおまかに覚えていく必要があるが、α7 IVは縦のタブとセブセクションの見出しによって、目的の設定を素早く見つけられるようになった。また、タブ間の移動もα7 IVはタッチパネルで簡単に行える。
  • エルゴノミクス:α7 IVはグリップが深くなり、重いレンズの使用がより快適になっている。また、α7 IVはカスタマイズ機能がかなり拡張されており、露出補正ダイヤルのカスタマイズも可能になっている。
  • ボディ:α7R III はフラッシュのシンクロ端子があるのが唯一優れている点だ。α7 IVにはフルサイズのHDMI端子が搭載されており、α7R IIIのマイクロHDMIよりも遥かに堅牢だ。
  • モニタとEVF:EVFのスペックは同等で、どちらのEVFも高解像度モードではAF時に解像度の低下が見られる。モニタはα7R IIIAは246万ドット、α7 IVの104万ドットだが、ドット数から想像されるような劇的な差はない。α7R IIIはチルト式でα7 IVはバリアングルなのが最も大きな違いだ。
  • 動画:α7R IIIはそこそこの動画性能だが、どのモードでも8bitなので柔軟性を欠く。α7 IVの動画はあらゆる点でα7R IIIを凌駕しており、オーバーサンプリング4Kで10bitの記録が可能だ。また、α7 IVにはでフォーカスブリージングをキャンセルする機能も搭載されている。動画時のAFもα7R IIIより信頼性が高い。

  • 結論:比較すると予想以上にα7 IVが傑出した性能であることが分かる。画質はα7R III はよりディテールが豊富で、JPEGの画質も良く、ダイナミックレンジと高感度性能ではα7 IVに匹敵する。しかし、α7 IVはAF(特に人物)が格段に改善され、ユーザーインターフェースも良くなり、使いやすくなっている。動画は明らかにα7 IVが勝っている。風景やスタジオなど、AFにそれほど依存しない撮影ならα7R IIIは素晴らしい選択肢になるが、動く被写体を撮影するならα7 IVが優れている。また、α7 IVを使った後でα7R IIIに戻ると、α7 IVが使い勝手でいかに進化してるかが分かる。

 

α7R III は当時のハイエンドモデルですが、さすがに4年経過すると無印のα7の最新モデルに見劣りする部分も多いようですね。特に動体追尾AFと動画に関してはかなりの差があるようなので、動体や動画がメインの人は迷わずα7 IVを選んでおけば間違いなさそうです。

一方で風景や静物等の撮影ではα7R III の42MPセンサーはほどよい画素数で、また価格も国内ではα7R III はα7 IVよりも10%程度安いので、このようなジャンルではα7R III は今でも魅力的な選択肢かもしれませんね。