キヤノン「EOS R3」の視線入力はすごいとしか言いようがない

DigitalaCameraWorldに、キヤノン「EOS R3」のレビューが掲載されています。

Canon EOS R3 review

  • EOS R3は1D X Mark IIIの後継機種ではないが、技術的にはほぼ全てのカテゴリで1D X III を上回っている。
  • R3は電子シャッターで最大30コマ/秒の超高速読み出しが可能で、センサー速度の高速化によってローリングシャッター効果もほとんどなくなっている。シャッターの上限は1/64000秒で、また少し前までは考えられなかったことだが電子シャッターでフラッシュも使える。
  • 操作性は1D X III とEOS R5を組み合わせたようなものになっており、両機のユーザーにとって親しみやすいものになっている。

  • R3は1D X III 同様のしっかりとしか感触だが、モニタがバリアングルなので同等の堅牢性ではない。R3は1D X IIIよりも顕著に軽く、R5から持ち替えても重くかさ張るとは感じはしない。大きなRFレンズとのバランスは非常に優れている。
  • 1D X IIIから受け継いだ光学式スマートコントローラーの操作性は非常に優れており、親指の動きに連動した速さで測距ポイントを動かすことができる。
  • 30fpsの連写は驚異的で、信頼できるDPAFII によって、バスケットボール選手やボールを取ってくる犬のような不規則に動く被写体でも、ほぼ完璧な合焦率が得られた。
  • CFexpressではバッファが一杯になるまで15秒以上連写可能だ。SDカード使用時は連写速度が24fpsしか出ない。バッテリーが50%を割ると20fpsに低下するので、動体の撮影では予備のバッテリーを用意しておくと安心だ。

  • 視線入力AFはすごいとしか言いようがない。フイルムカメラのEOS-3の視線入力は動作が安定しなかった(特にメガネ使用時)ので、視線入力には懐疑的だったが、R3の視線入力には非常に感銘を受けた。
  • 視線入力は鳥のような動きの速い被写体には向いていないが、たとえばレッドカーペットを歩く有名人の撮影で、瞳認識では他の人に測距点が飛んでしまうような場合に、視線入力ならその人を見るだけで測距点を合わせることができる。そこでシャッターを半押しするとAFシステムによって瞳が認識される。この機能は絶対的なゲームチェンジャーになる可能性がある。

  • 動画は6Kと4Kは非常にクリアで、AFはスチルと同様に賢く動く。そしてなりより、R5やR6で問題となっていたオーバーヒート問題が解消した!
  • ラボテスト(解像力):解像力テストでは、EOS R3は2010万画素の1D X III よりもわずかにディテールが解像しているが、当然ながら4570万画素のZ9や5010万画素のα1には及ばない。

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  • ラボテスト(ダイナミックレンジ):低感度域では1D X IIIが依然としてトップだが、ISO1600以上ではEOS R3がプロ用カメラの新たなベンチマークとなるものだ。

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  • ラボテスト(S/N比):EOS R3は画素数が少ないためZ9やα1よりも大幅にノイズが少なく、特にノイズレベルが重要な高感度では2010万画素の1D X Mark IIIよりもきれいな画像が得られる。この結果は極めて優れている。

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  • EOS R3は間違いなくプロのためのトップクラスのツールだ。AF性能も改善され、優れた視線入力によって思い通りの場所にピントを合わせることができる。

    このカメラがターゲットしているスポーツや報道写真家にとって2410万画素は申し分ない画素数だと思う。5000万画素は、数百のファイルをFTPで転送したことがある人ならいかに非現実的なファイルサイズが知っているだろう。

    さらにキヤノンのセンサーはプロレベルのカメラに新しいダイナミックレンジのベンチマークとなるもので、画素数が少ないために、ライバルのソニーやニコン機よりも大幅にノイズが少なくなっている。未来のプロ用カメラが今ここにある。

  • 良い点:30コマ/秒のスチルの連写、6KRAW動画、視線入力AFが機能する!、ブラックアウトフリー撮影、防塵防滴。
  • 悪い点:"わずか" 2410万画素、8K動画が無い、SDとCFexpressに分かれている。

 

EOS R3の視線入力は人によって上手く動作しないこともあるようですが、DigitalCameraWorldのレビュアーは上手く動作したようで「すごいとしか言いようがない」「ゲームチェンジャーになりうる」という極めて高い評価になっています。この機能が、今後下位モデルに降りてくるのを期待したいところですね。

画質に関しては、解像力は当然40~50MPクラスのライバルに敵いませんが、画素数を抑えたためにダイナミックレンジや高感度ノイズはトップクラスの性能で、申し分のない画質と言ってよさそうです。