パナソニック「GH6」のAFは動きながらの撮影や素早い動体の撮影では苦戦する

DigitalCameraWorldに、パナソニック「LUMIX GH6」の初期レビューが掲載されています。

Panasonic Lumix GH6 initial review

  • センサーは新しい25MP積層型センサーで、これらにより読み出し速度が大幅に向上し、その結果コーデックや、圧縮レベル、フレームレートなどの選択肢が広がった。
  • GH6にはアクティブ冷却システムや、CFexpress TypeBスロットが採用されている。しかし、ユーザーが望んでいたであろうRAW動画の内部収録と位相差AFの2つが搭載されていない。RAW動画の内部収録がないのは残念で困惑している。
  • パナソニックはDFDコントラストAFシステムにこだわっている。このAFはスチルでは非常に速く、ハイスピードトラッキングを除けば(他のAFシステムとの)違いを感じないかもしれないが、フォーカスが細かく揺れるフラッターに不満を持つ動画ユーザーはとても多い。

  • GH6は大きなカメラでα7シリーズよりも大きい。これは背面の冷却システムもその一因だ。通気孔はかなり大きいが邪魔にはならない。このカメラはエルゴノミクスと堅牢性を重視しており、ポケットサイズでないことは明らかだが、レンズを含めればコンパクトだ。
  • EVFの右側にあるAFモードの切り替えレバーと、その中央にあるフォーカスエリアの選択ボタンは非常に使いやすい。ジョイスティックは最初はAF測距点の移動がやや遅く、ステックを押し続けると急に速く動くので、AF測距点を正確な位置に置くのはそれほど簡単ではない。
  • 最大75コマ/秒で連写できるが、この場合はAFSになってしまい、AFCでは8コマ/秒になってしまう。バッファの容量もかなり控えめだ。GH6でのスポーツ撮影は可能だが、制限がある。

  • IBISは動画よりも静止画の撮影で有用だ。このIBISはジッター(小刻みな動き)には非常に上手く対処できるが、ジンバルに取って代わるものではない。撮影者に動きがなければ非常に安定した動画が取れるが、撮影者が速く動いているとIBISは苦戦する。
  • DFD AFシステムは多くの場合非常に良好で、特にスチルでは非常によく機能する。カメラが安定していればピントの検出とフォーカスの維持に問題はないが、カメラが動いている場合は苦戦した。青空を背景に旋回するカモメを撮影したが、この場合、最適の選択だと思われるゾーンフォーカスではAFが五里霧中に迷って対応できなかった。
  • GH6の新ファームを提供してもらったがテストには間に合わなかったので、AF性能は改善される可能性がある。

  • GH6は、これまでのどのm4/3機よりも動画撮影の限界を引き上げるものだ。しかし、RAW動画の撮影にはレコーダーが必要になる。また、自分自身が動きながらの撮影や、速く動く被写体ではDFDによるAFでは苦戦するかもしれない。この部分はソニーが実に優れている点だ。しかし、GH6の映像制作用の機能は素晴らしいものだ。
  • 良い点:アクティブクーリングシステム、無制限録画、SDとCFexpressスロット、新型の25MPセンサー、4K120pと5.7K60p。
  • 悪い点:フルサイズカメラと同じくらい大きい、4K/6Kフォトモードが無い、RAW動画の内部収録ができない、引き続きDFDコントラストAF。

 

AFのテストは初期ファームによるもので、加えてまだ本格的なテストは行っていないということなので、参考程度に聞いておいた方がいいかもしれませんが、現時点でのコメントを見る限りでは、GH6のAFは動体の撮影にはそれほど強くないような印象を受けます。

あと、センサーが積層型と記述されていますが、公式サイトには積層という記述はなかったのでこれは勘違いでしょうか。