パナソニック「GH6」の60fps録画時のAF性能にはとても感銘を受けた

DPReviewに、DPReviewTVで動画のレビューを担当しているジョーダンドレイク氏のGH6のインプレが掲載されています。

The Panasonic GH6: What I wanted, what I got, and what I didn't expect

  • より高速スキャンのセンサー:GH6のセンサーは17.8msでフルスキャンでき、これはGH5の約2倍の読み出し速度だ。このセンサーは積層型ではなく従来型の単層型CMOSで、非常に読み出しが速く印象的だ。これにより4K120pやフルHD300p、フル解像度の75fpsの連写が可能になっている。フルサイズの最新の積層型センサーほど素晴らしくはないが、それでもローリングシャッター効果は大幅に減少し、スローモーション撮影能力が大幅に改善されることを意味している。

  • 10bitの録画モードの追加:ハイスピードVFR記録が10bitについに対応しており、これは遥かに高価なS1Hでも及ばない。また、より処理の厳しいモードの全てで少なくとも10bit 4:2:0に対応するようになった。PreoRres422の5.7K記録も追加されており、内部収録できるのは便利だ。

  • モニタとEVFの改善:良くなっている部分とそうでない部分がある。EVFは369万ドットパネルのままで、液晶モニタはGH5IIと同じ3インチ180万ドットだ。しかし、S1Hのチルト/バリアングル設計になり、それが更に改善されている(チルトする際にS1Hのようにロックを押す必要がなくなった)ことに感激した。また、モニタがボディから離れているので、端子類に干渉しないのも便利だ。

  • AF性能の改善:センサーの高速読み出しと画像処理エンジンの改善により、予想通りDFD AFが改善している。しかし、それは十分なものなのだろうか? それは設定による。24fpsの動画ではAFの信頼性はまだかなり低い。これは解析するフレーム数が少ないためだ。しかし60pで撮影したときのAF性能にはとても感銘を受けた。DFD特有のフラッター(揺れ)は大幅に減少し、精度も大幅に向上している。残念ながら4K120pでは被写体検出ができないので、AF性能は大きく低下する。また、新たに搭載されたフォーカスリミッターはAFは大きくジャンプするのを防ぐことができ、非常に満足の行く結果が得られた。

  • デュアル読み出しセンサーによるダイナミックレンジの拡大:ダイナミックレンジブーストに関しては他の記事で詳しく述べられているので、ここでは触れないが、この技術によってフルサイズに匹敵するダイナミックレンジを実現することができる。実際の撮影でもハイライトの情報は豊富で、シャドウもGH5よりも遥かに実用的で、S1Hによく似た結果が得られた。

  • クーリングファイン:このクラスのm4/3機にファンが搭載されるとは思っていなかった。パナソニックのカメラは熱のコントロールは非常に信頼できるが、しかし、ファンの搭載はプロやユーチューバーたちに(熱暴走しないという)心の平安をもたらすだろう。

  • 手持ちハイレゾ:G9で初採用されたハイレゾモードが復活した。GH6には、動く被写体は8回の撮影したうちの1枚だけを使用する「動き補正」機能を備えている。この機能には期待していなかったが、100MPの手持ちハイレゾの撮影で動いている被写体に不自然さがなく、DPReviewのスタッフ全員が驚いた。

  • 結論:私はこのカメラが本当に欲しい。非常に暗い場所や、非常にコントラストの高い場面、絶対的に浅い被写界深度(大きなボケ)が必要な場合を除けば、GH6は私が愛用しているS1Hを凌駕している。このカメラがあれば、DPReviewTVの撮影の大半でS1Hは家に置いておくことになるだろう。これはm4/3がまだ健在であることを意味している。

 

動画畑のジョーダン氏のインプレなので、スチルメインのレビュアーよりも全体的にGH6の評価が高くなっているという印象です。

動画のAFは24fpsでは芳しくないようですが、60fpsではとても感心したと述べられているので、かなりの改善が期待できそうです。また、新たに採用された手持ちハイレゾも相当使えそうな機能のようです。

読み出し速度はフルスキャンで17.8msということで、約1/60秒になりますね。GH5よりは大幅に高速化されていると述べられていますが、最新の積層センサー搭載機に比べるとやや遅いようです。