「LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO」は開放からハイレベルで絞ると実に素晴らしい画質

OpticalLimitsに、Venus OpticsのAPS-Cミラーレス(E / X / RF / EF-M / Zマウント)用の大口径標準単焦点レンズ「LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO」のレビューが掲載されています。

Laowa Argus 33mm f/0.95 CF APO - Review / Lens Test

  • LAOWAはここ数年、レンズの製造品質を非常に高い水準まで引き上げており、このことはこのArgusにも当てはまる。
  • 鏡筒は総金属製で適切な重さのフォーカスリングと、無段階の絞りリングが搭載されている。このレンズは小さくはなく、580gとかなり重い。
  • 付属のスライド式のレンズキャップは装着時に少しグラグラする。
  • フォーカスリングの回転角は非常に大きく、MFはとても満足いくものだ。動画ユーザーはこれを歓迎するだろう。

  • 歪曲は自動補正されないのでレンズ本来の能力に頼らざるを得ないが、歪曲はわずか0.27%で実写では目立たない。
  • 周辺光量落ちは大口径なので当然と言えば当然だが、F0.95で2EV以上で、APS-C用レンズとしては非常に高い値だ。F1.4まで絞ると1.47EVと改善が見られ、F4以上では良く抑えられている(F4で0.63EV)。

  • 解像力はF0.95でかなり素晴らしく、四隅だけがソフト(それほど酷くはない)になっている。F1.4では大幅に改善し、画面全域で非常に良好な解像力になる。F2.8では解像力はピークに達し、このとき中央は極めてシャープで、隅は素晴らしい値にわずかに届かない値だ。このレンズは像面の湾曲はわずかだ。テストした個体の偏芯はあまり芳しくなかった。

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  • 倍率色収差は、周辺部で平均0.5px前後の非常に低い値だ。
  • 玉ボケは、内部は滑らかで素晴らしいが上下に奇妙なケラレが見られる。これはテスト機のα6300のセンサー周囲にある壁の部分に極端に角度のついた光が当たってしまい、玉ボケの上下がケラレてしまうためだ。F1.4に絞るとケラレは解消する。また、ソニーのフルサイズ機(APS-Cクロップ)では、このケラレは発生しない。このケラレは探さなければ気付かないもので、実写ではほとんど問題はない。
  • 後ボケはコントラストが低いが比較的滑らかだ。前ボケは少しうるさくなる。

  • 軸上色収差の補正は完璧ではなく、ボケには色が付くが、激しいものではない。軸上色収差はF0.95からF1.4まで目に付くが、F2ではかなり改善する。このテストでは絞り込むとフォーカスシフトが見られ、球面収差が結構残っていることがわかる。
  • このレンズは、APS-Cユーザーにフルサイズ並みの浅い被写界深度を提供することに挑戦しており、驚いたことにこの試みに成功している。このレンズの光学性能は開放から高いレベルで、F1.4に絞ると隅までかなり画質が上がり、F2.8では実に素晴らしい画質だ。鏡筒の品質も素晴らしく、総金属製の鏡筒は安心感があり、フォーカスリングは使うのが楽しい。しかし、残念ながらAFが無いのは多くの人にとって大きな問題で、ピーキングを使ってMFでピント合わせはできるが、動画用途の方が向いているだろう。このレンズは、ニッチ分野では手頃な価格で高性能なレンズだ。

 

光学性能の評価は4点弱で、この種のレンズとしては極めて高い評価となっています。33mm F0.95は、超大口径かつリーズナブルなレンズなので、開放時の画質はフワフワかと思っていましたが、開放から思いの外良く解像していて驚きました。

絞るとF1.4では画面の隅まで高解像力になり、この種のレンズとしては申し分のない性能という印象です。ボケも綺麗でなかなか楽しめそうなレンズですね。玉ボケが若干ケラレてしまうのはカメラ側で発生しているものなので、これは仕方ないところです。