ePHOTOzineに、ニコンの28mmスタートの新しい大口径標準ズーム「Z 28-75mm f/2.8」のレビューが掲載されています。
・Nikon Nikkor Z 28-75mm F/2.8 Lens Review
- この新レンズの性能を45.7MPセンサーのZ9との組み合わせで確認した。重さは565gでZ9に装着すると比較的軽量コンパクトに感じる。
- ズームリングは幅広くグリップ感は抜群だ。ズーミングでレンズは長くなり、フロントヘビーになるが大きな問題はない。
- フォーカスブリージングは非常に少なく、これはビデオグラファーに歓迎されるだろう。
- 最大撮影倍率は0.34倍で、この近接性能はとても有用だ。
- 28mmの解像力は中央はF2.8からF8まで際立った値(outstanding)で。F11とF16では素晴らしい値(excellent)だ。隅はF2.8で素晴らしい値、F4とF5.6で際立った値、F8とF11で素晴らしい値だ。
- 35mmでは中央はF2.8からF8まで際立った値で、F11とF16では素晴らしい値だ。隅はF2.8からF5.6まで際立った値で、F8とF11では素晴らしい値だ。
- 50mmでは中央はF2.8からF8まで際立った値で、F11とF16では素晴らしい値だ。隅はF2.8で素晴らしい値、F4で際立った値、F5.6からF11で素晴らしい値だ。
- 75mmでは中央はF2.8では素晴らしい値、F4からF8では際立った値、F11とF16では素晴らしい値だ。隅はF2.8からF11まで素晴らしい値だ。これレンズは、解像力に関してはズーム全域で一貫していて卓越した性能だ。
- 色収差は自動補正をOFFにして計測した。中央の色収差は無いも同然で、隅も1/3ピクセルを超えず、色ズレの問題は見られない。
- 歪曲は28mmで-2.71%、35mmで-0.83%のタル型、50mmで+1.14%、75mmで+1.54%の糸巻き型でズームとしては妥当な値だ。
- ボケは実に良好で目に優しく、ポートレートや花のクローズアップなどの写真を引き立てることができる。
- 逆光ではフレアは概ね問題はないが、厳しい条件ではハロやゴーストが発生することがある。しかし、このような状況でも画像全体が霞がかるようなことはない。
- 周辺光量落ちは28mm開放で-2.2EV、75mm開放で-2.3EVと開放では見られるが、概ね良好な性能だ。
- Z 28-75mm f/2.8は適切な価格で卓越したシャープネスと美しいボケ、耐候性、便利なズーム域を備えた、あらゆる条件を満たす素晴らしいレンズだ。ビデオグラファーには、静かな絞り駆動と静かなAF、フォーカスブリージングの少なさと言った特徴がある。このレンズの技術的な品質は全ての写真家にとって素晴らしいものだ。Zシリーズのカメラ用の素晴らしいもう一つの標準ズームで、明確なエディターズ・チョイスだ。
- 良い点:際立った解像力、色収差がほとんど見られない、周辺光量落ちがまずまず、軽量コンパクト、素敵なボケ、防塵防滴、現実的な価格、近接性能、早く正確なAF、静かなコントロールリング。
- 悪い点:歪曲。
Z 28-75mm f/2.8は、レンズ構成からタムロンの28-75mm F/2.8 Di III RXD(I型)がベースだと思われますが、タムロンのI型のレビューのデータと比べると、ニコンのZ 28-75mm f/2.8の解像力は全く別物で、ベースのレンズよりもかなり高性能になっているという印象です。Zレンズ版では、かなり手が加えられているのでしょうかね。
ねこシューター
え~びっくりです。これタムのG2よりも解像力高いんじゃないかな。
旧型のOEMだから、あんまり欲しくないと思ってたけど考えを改めないと。。。
わさびみそ
タムロン28-75旧型がベースということで前評判は決して良くありませんでしたが、そもそもMTFも違っていましたし、実際ベースがどうとかどうでも良くなるほどの別物ですね。
ニコンはせっかくモノが良いのにこの辺りの「情報戦」がとにかく弱いのはもう少し何とかならないのかなあと思います。
このレンズ1つ取っても、タムロン28-75旧型ベースということで過小評価されたり、タムロン28-75新型がリニアモーター搭載だったことでニコンはリニアモーターが出せないなどと誤解されたり(実際にはヨンニッパがボイスコイルモーターつまりリニアモーターを搭載)、といった具合です。
モノの詳細情報やレビューが出てようやく評価が好転するのですが、もう少し、前評判の情報戦(ブランドイメージの一角でもあります)に気を遣ってほしいと個人的には思います。
売るのがうまいニコンなんてニコンではないというご意見もあるかもしれませんが…。
ちばちば
確かに、タムロンの28-75mm F/2.8 Di III RXD(A036)と同じくらいと思っていたので、意外です。
純正ゆえAF精度が高いのでしょうか。それともコーティングの差でしょうか。
コンタレックス ブルズアイ
やはり、ニコンさんやってきましたね。
タムロンさんは、どうしても新型光学系は譲らなかったですが
ニコンさんは、旧型光学系でも、十分な光学性能が出せると踏んだのでしょう。
それは、カタログ上に現れないスペック変更とカタログ上に現れる変更の
双方をやることを見越して旧型でも「イケる」と判断したのでしょう。
その一つカタログ上に現れないスペック変更は、恐らく
光学上のベンディングや硝材変更だと思われます。
一方、カタログ上に現れるスペック変更という意味では、
当初、28-75mmは、ソニーさんの小口径のEマウントが前提でしたが
ニコンさんは、Zマウントで大口径フランジにショートフランジバックで
機械的余裕(スペースがセンサー前に生まれることから)が比較的あることから
ズームマスターレンズの後にその空きスペースを利用して
補正系レンズを取り入れたのでしょう。
もし、ニコンさんのほうからレンズ構成図が公表されれば、
ソニーさん向け28-75mmとニコンさん28-75mmと比較したいところです。
店員
レンズ構成図公表されてますよ。tamron A036と完全に一致してます。
https://imgsv.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_28-75mm_f28/img/spec/pic_03.png
https://www.tamron.jp/assets/img/product/lens/a036/mtf/a036_lens-construction_jp.svg
Obat
Fマウントより少し大きいだけのEマウントベースの設計から、Zマウントに拡大したことで、撮像素子への入射光の角度や質が改善した可能性がありますね。
ほ゜ち
ePHOTOZINEは、OpticalLimitsと比べてCenter付近は低くEdge は高い数字がでるみたいです他のレンズでも
測定方法や基準が違うかもしれませんので比較するのは同じサイトで2つが揃ってからのほうが良いかも
たけし
レンズ構成図が全く一緒に見えても微妙に変えてあるなんてことはあるんでしょうかね?
かうぼ
この差はレンズひとつひとつの磨き出し方や精度によるものなんでしょうか。
ニコンはやっぱりいい仕事をしますね。
コツメチャン
コーティングと硝材の違いだけで、ここまでの差が生じるものなのでしょうか?
にわかには信じがたいのですが。。。
とちぎ
コーティングに加えて、素材が異なるんですかね?もしコーティング技術だけでここまでの差が出るのなら、さすがに驚きです。
総じて、完全なタムロン製にしなかったのも納得かも。
陶芸好き
どうみても同じ光学系なのに解像力にここまで差が生じるのは謎ですね。
>Zマウントに拡大したことで、撮像素子への入射光の角度や質が改善した可能性がありますね。
後玉が同じ大きさだからそれはないでしょう
弁証法
もしかしてタムロンの新型も食っているかもしれないぐらいの性能ですね・・・
以前の噂ではニコンではなくタムロンの工場で作っているようだという話があったと思いますが、もしコーティングに原因があるなら、ニコンが硝子会社にコーティングを指定してタムロンの工場に入れているということなのでしょうか。かなり大変そうですね。
ニコンの光学エンジンに最適化だけならもう少し簡単そうですが。
tpr
硝材やコーティングが違うんですかね。
70-300(A047)のOEMにも期待ですね!?
ムムムの6
Zレンズの高画質は画像処理の優秀さに支えられているのかもしれないですね。
キャスパ1000
コーティングの違いはコントラスの他
解像度にも寄与すると、
むかし、ツァイス本にも出ていましたよね。
コーティングの質や塗布の回数なんか、
もろにコストに出るとのことでしたが
今でも変わらないのなら、ニコンによる再設計?
かなり向上していても、原理的にはおかしくないのでしょう。
問題は歩留まりだと思いますが、果たして…
期待したいです!
TTJ
本当にTAMRONの旧型と大きな性能の差があるとしたら不思議ですね。
レンズ構成が同じなので硝材は変更していないと思いますが、コーティングの違いでここまでの差が……? 確かにPENTAXのレンズのsmc版とHD版とで性能が異なったりしますが。
Eマウント版との違いが他にあるとすれば、Eマウント版は「サードパーティレンズ」で、こちらは「純正レンズ」ということですが、ソニーがサードパーティに許可していないような電子補正をこちらではかけている……?(そのようなものがあるのか知りませんが)
路傍のカメラ好き
Xitekのレビューではベースレンズと似通った光学性能を示したとされています。
https://bit.ly/3smV8Z0
実際、レンズ構成は元よりMTFもほぼ一致している(MTFの単純比較はできないと踏まえた上で)のに、ここまで大きな差が出るのは不思議です。
コーティングにしても、ベースレンズも収差補正はかなり良好のようですし、チャートレベルで逆光耐性の差が大きく影響するとも考えにくいです。
やはり、測定方法の違いによる差が何より大きいのではないかと。
せらびー
硝材を変えれば屈折率も変わる可能性が高いので同じレンズ構成というわけにはいかないでしょう。
コーティングだけでなく精度の基準を引上げたのではないでしょうか。
f2er
本当に光学性能に違いがあるのだとすれば、それだけでも価格差の意味がかなりありますが、さらに、電子的な互換性の意味でニコン製であることは大きいですね。
カメラのファームウエアのバージョンアップ時の安心感とか、AFのチューニングとか細かな点で違いが出てくる可能性がありますね。
VrMr
口径だけでなく肝心のフランジバックの短さに対応する為、微妙に後段のレンズのパワーを調整してきているはずです。その辺り荒い図面上では表現できない程度の差なのかもしれません。センサーにはCRAなど守るべき入射角の設計上の縛りはあるでしょう。
しかしタムロン系の旧型が化けたというか、Zに外れはないという状態はきっちり維持されているのが驚きです。これも売り上げ伸ばすかもですね。
どりゃー
タムロンはニコンとの提携において
Zマウントでは従来よりかなり踏み込んだやり取りをしているのだと推定します
Fマウントは従来、タムロンの収益の非常に大きな比率だったはずで
ミラーレスの新時代、関係の深いソニー用は潤沢に開発できても
ニコン・キヤノンへ参入できないのは社運に関わるぐらいピンチであるので
相当な意気込みをもって提携に臨んだのでは?
ニコンZマウントの機密ノウハウの提供をうけて
製品供給面でニコンの展開のアシストをするというような
両者共に利益ある提携の形を構築したのだと思います
それはシグマが明確にライカ・パナソニック陣営入りをした対抗策でもあると思います
今後はタムロン自社ブランドのZマウント製品が出てくるかが注目点ですね
takuya
>口径だけでなく肝心のフランジバックの短さに対応する為、微妙に後段のレンズのパワーを調整してきているはずです。
フランジバック差はレンズを前後に動かして調整します。レンズのパワーを変えたりしませんよ。
hashiruhito
EマウントとVMマウント用が存在するAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalでは有名な話なんですが…
全く同じレンズ構成図でも、イメージセンサーに最適化するとレンズの性能差が出る事を、レンズメーカーのコシナは公式で言及しています。
その内容の記事がデジカメWatchに載ってましたので、一部引用を載せておきますね。
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1293/681/amp.index.html
“VMマウント版では、光学系をMマウントカメラ用のイメージセンサーに最適化。見た目のレンズ配置は同様だが、使用する硝材から見直すなどの作業に時間がかかったという。高性能を特徴としたレンズであることから、EマウントカメラとMマウントカメラのイメージセンサーに備わるカバーガラスの厚さの違いが実写性能にシビアに影響することが理由だとしている。
そのため、フォクトレンダーのマウントアダプターを介してソニーE、富士フイルムX、ニコンZマウントのミラーレスカメラにも装着することは可能だが、上記理由から本レンズに期待される本来の性能を発揮できないためとして、同社では本レンズをアダプター経由で使用することを推奨していない。”
少し話が脱線しましたが、以上の事例の様に、ニコンはEマウントタムロンと同じ構成のレンズとはいえ、ただマウント径に合わせるのではなく、しっかりと設定を煮詰めて高性能なレンズを完成させたのだろうと私は推測しています。
yayaya
G2の方をニコンがチューニングしたらどうなってしまうのか見てみたいですね。
wako
APO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalのレンズ構成はEとVMでは異なるので、全く同じではないですね
レンズの枚数・形状・配置は見た限り同等ですが、異常部分分散ガラスの数がEは5枚、VMは2枚と異なります
「使用する硝材から見直す」というのがこの部分でしょう
A036とZ28-75/2.8は特殊レンズの構成含めて同じです、もちろん別メーカーなので性能変化が出る可能性も否定できませんが
フランジバックの差も、レンズ後端に履かせる下駄の長さを変えてイメージセンサーとの距離を合わせるだけなので基本は影響しないでしょう
EからZは後端を2mm伸ばすだけです
実際にレンズ構成図を見ると、Zの方が後玉とレンズ後端の距離が僅かに長くなっているのが見て取れます
しゅう
ePHOTOzineとOpticalLimitsの測定方法(条件)が異なるのではないでしょうか?
もしくは構成図には表れないようなミリ単位での間隔調整を行った可能性はあるかもしれませんね。(ライカももモデルチェンジでそのようなチューニングを行ったことがありますし)
だとしたら、値段差が大きいのも納得です。
ゼロ
疑惑はさておき,単体でみてみれば(Z 24-70 f2.8やZ 24-120 f4と直接比較しなければ),とても良いレンズであることに間違いないです。わたしは満足しています。
まる
レンズを開けて調整で解像を追い込む話は以前からあって(修理扱いですが、メーカーの基準値内なら逆に緩くなるリスクもあります)、タムロンに比べてお金と手間をかけ解像を追い込めた例なのかも知れません。
前評判は低いけどフタを開けたら実はスゴいんですというのは、結果的に発売時の予約集中を減らして入手しやすいという効果にもなってますね。ニコンがわざとそうしていたりして?
TERA
一応チャートの撮影結果なので、Z9ボディが影響していることはないのですか?
snpi
昔愛用していたマクロプラナーもミルバスにリニューアルした時にレンズ構成は同じだけどツァイス曰く調整を見直す事でMFTグラフが別物レベルに改善されてて驚きましたが、これもそういった類いかな?
マスター
マウントアダプターをつけてZマウントにつけるとレンズが良くなるっていうのはよく経験します。
個人的には、カバーガラスの差だと受け止めています。
なので、チューニングも含めれば、ニコン謹製のレンズが良くなることはありそうですね。
このレンズは買ってないので、本当のところはわからないのですが。
エチオピア饅頭大使
精度の差なんでしょうかね?
ひと昔前のサードパーティ製のF2.8標準ズームは、精度調整に出すと、見違えるようによくなるという話もありましたので。