DPReviewで、量子ドットを使用した新しい3層センサーの技術が紹介されています。
・Researchers use quantum dots to create high resolution three-layer sensor
- アメリカと韓国の研究者が、量子ドットを使った3層構造のセンサーを開発している。このセンサーは低コストで、融通が利き、デモザイク処理が不要な広ダイナミックレンジのセンサーとして期待されている。
量子ドットはナノスケールの半導体結晶で、そのサイズと組成を利用して、吸収・放出する光の波長を調整することができる。ノースウェスタン大学、イリノイ大学、韓国の3大学の研究者が、この研究成果を発表している。
この研究では深さごとに異なる波長の光を吸収する3層構造のセンサーに焦点が当てられており、「赤色」量子ドットは、実際には赤、緑、青の光に感度があり、「緑」の量子ドットは、緑と青の両方に感度があり、完全に1色にのみ感度があるのは青の量子ドットだけだ。フォビオンの積層型CMOSセンサーとコンセプトが似ているように見えるが、構造は逆さまになっている。
この研究は初期段階だが(あなたのカメラの後継機に量子ドット3層センサーが採用されるとは思わないでほしい)、十分に進歩している技術で、この研究の多くの考察はセンサーの製造技術に関するものだ。
今回開発されたセンサーはフルサイズだと5万画素弱に相当するので、従来のCMOSに対抗するにはまだかなりの(ピクセルの)小型化が必要だ。
量子ドットを利用した3層センサーは実用化にはまだ遠いようですが、低コストで製造できて広ダイナミックレンジということなので、この技術が発展すれば、革新的なセンサーができるかもしれませんね。シグマのFoveonと比べて、画質面や読み出し速度等でどのくらいの優位性のある技術なのか気になるところですね。
m2c
どちらかというと、低コスト化の方が大きい気がします。
フォビオンの特許が切れているような話を聞いたことあるので、その技術を応用してるんでしょうかね。
個人的には、解像度よりも、読み出しや処理スピードが気になります。
Mos
FOVEONも、B G Rの順だったような。。。
管理人
>Mosさん
図を追加しましたが、記事の逆さまは上層と下層の構造が逆さまという意味のようです。
Kaz
Mosさんのおっしゃる通り、Foveonセンサーも光の入射側からB, G, Rですから構造としては全く同じです。
Foveonのセンサーはシリコン基板の特性を利用してるので、 入射してシリコン基板の浅い部分で青色、もう少し進むと緑色、もっと深く進むと赤色が光電変換されて信号となります。
zakky
シグマはフォべオンの開発急がないと、他社から先にフルサイズの三層センサーが出てしまいそう。
take
Foveonとは層ごとの受光特性が違うということですかね 面白い。
にしても アメリカと韓国とは… Foveon X3の製造国と同じですね… ひょっとして元Foveon.incとDongbu社の開発者が過去の技術を持ち込んで妥当SIGMAを目論んでるのかなとか考えてしまいます。
タスク
FoveonはRGBそれぞれの色を決定するのに、GR層からR成分、BGR層からGR成分、をそれぞれ引く必要があり、似た仕組みのコレも光を捨てることになるため感度の改善は無さそうですねー
有機三層センサーみたいに層が独立な色ならかなり期待出来たのにな
ポロ&ダハ
FOVEONの場合、フォトダイオードでは波長が長い(赤い)ほど深部で電荷が発生するという特性を利用していますけど、今回の量子ドット3層センサーの場合、3nm、5nm、7nmの直径の半導体結晶をコロイド状の層にして色を分離できるようにするんでしょうかね。
FOVEONでも各層のダイナミックレンジや色の分離に苦労している状況なので、このレベルだと画像エンジンの開発も前途多難ですし、肝心な半導体結晶にカドミウムを採用しないで済むかも不明ですから、まだ先が長そうですね。
CANONも最近SPAD(単一光子アバランシェダイオード)画像センサーを実用化しましたけど、SPADでは電荷が発生した深度から光子(フォトン)の周波数を特定したり、1光子の持つエネルギーから波長(周波数)を割り出すことも理論的に可能なようですから、科学者的にはどちらが美味しそうですかね。
ちなみにSIGMAのSD1がSD1merrillと同等の価格で出せなかったのは、シリコンウェファーから切り出す際、超複雑な多層構造のチップが破損してしまい、特別なカッターを特注で作って貰うまでに時間が掛かってしまったせいのようですから、単純には行かないでしょうね。
んじゃめな
技術としては面白いのですが、量子ドットを使うと光が散乱して解像度がかなりさがりそうなんだけど大丈夫なんだろうか。。。
再びGユーザー
素人なりに、透明な酸化物半導体をベースにしたfoveon的な構造に対して、層状に量子ドットとなる添加物を入れれば感度もダイナミックレンジも上がるのではと思ってましたが、やっぱり誰もが考えるものですね
あとは読み出し速度がどうなるかですが、そもそも、DPCMOSが通常のセンサーと大差ない読み出し速度を実現できていたことから考えて(縦方向と横方向の差異はありますが)FOVEON的な構造だからといって読み出し速度が大きく落ちる理由にはならないようにも思われますが…
朔
ベイヤー式ではかなりの細分化が進んでますから四画素合成で充分だと思うんですけどね?
まぁ真の意味でのドットバイドットで全ての色を読み込めるのは浪漫がありますが。
シグマのセンサーで撮るとどう現像してもフィルムっぽい質感になるのは確かに不思議でFoveonの成せる技なのかとも思うのですが原理的に考えてそんなこともなさそうなんだけどなぁ。
baku
新しい技術はワクワクしますが、先行技術の進化にコスト含めてどこまで、迫れるかが大事ですよね。テレビの世界でも結果液晶の天下は変わりませんし...
FOVEONのようなビックリするようなカメラセンサー出てほしいですね~