パナソニック「GH6」のAFは良い部分と悪い部分がある

CAMERA RABSに、パナソニックGH6のレビューが掲載されています。

Panasonic Lumix GH6 review

  • GH6は823gでGH5より約100g重くなっているが、重さの大部分の冷却システムの追加によるものだ。GH6のグリップは適切なサイズでホールディングは快適だ。
  • GH6ではワイヤレス接続機能はもちろんあるが、奇妙なことにGH5 Mark II に搭載されたライブストリーミング機能は搭載されていない。新ファームで追加されることを願っている。
  • EVFはGH5と同じ368万ドット0.76倍のもので、それでも良く見えるが、フラッグシップ機にはOM-1のような500万ドットクラスのパネルを採用して欲しかった。
  • モニタはGH5の3.2インチから3インチに小型化されたが、184万ドットになり、S1Hと同じ方式の採用によってより融通の利くものになっている。

  • AFは思い込みを脇において実際の結果を見るのが大切だ。製品版での評価は次回にするが、今のことろGH6は素晴らしい被写体認識機能を実現しており、スチルではシングルAFは高速で、連写中に動体のフォーカスをシャープに保つ能力もかなり高いと言える。
  • 動画のAFは驚くほど高性能なこともあれば、そうではないこともあり、良い部分と悪い部分が混在している。また、動画のAFは60pまでしか被写体認識ができない。高フレームレートの動画でスポーツや野生動物を撮る場合はEOS R5やα1が最適だ。カメラを左右に動かしたときの遠距離と近距離のAFの遷移は、かなり良い仕事をしており、位相差AFではないことを考えると多くの人が想像するよりも優れているだろう。
  • 動画のウォブリングはパナソニックのAFシステムのアキレス腱で、GH6はこれまでのパナソニック機ではこの点では間違いなくベストだが、構図によっては不快なウォブリングがいくらか見られる。
  • 被写体がほとんど静止している場合や、マニュアルフォーカスを使う場合は、動画のAFを気にする必要はないが、私のようにワンマンで撮影する場合、動画時の確実なAFが有用であり必要不可欠だ。

  • 解像力は20MP機よりも確かに上回っているが、その違いはそれほど大きくはなく、私は解像力だけを目当てにGH6を購入することはないだろう。
  • ハイレゾモードでは目に見えてディテールが豊富になる。ハイレゾモードの処理はより巧妙になっているが、動いている被写体には苦戦しており、鳥、車、人、風に揺れる葉などのある風景は対象から外れる。
  • GH6に4Kと6Kフォトのモードがないのは不思議だ。
  • スチルの高感度はISO800まではかなり綺麗で、ISO1600と3200ではわずかにノイズが現れる。ISO6400では細部のディテールが溶け始め、ISO12800では更にディテールが失われる。ISO25600では見栄えが悪くなる。

  • 動画はほとんどすべてのモードで4:2:2 10bitが利用可能なのは素晴らしい。冷却ファンのおかげで、どのモードでもオーバーヒートの問題は発生しない。ファンの速度は低速、ノーマル、高速の3段階で、低速ではノイズはほとんど聞こえないが、高速では音が控えめなPC程度の音が聞こえる。
  • 動画の画質は4Kではα1と同等の解像度で、EOS R5の4K HQモードには若干及ばないがR5の標準4Kモードよりもずっと良好に見える。しかし、GH6の利点はフレームレートが上がっても4K120pまで品質を維持できることで、たとえばEOS R5は120pでは著しく画質が低下する。
  • GH6に積層型センサーは採用されていないが、ローリングシャッター効果はEOS R5よりも少ない。
  • GH6の4Kと5.7Kは極めてシャープで非常に感銘を受けた。高感度の動画画質はそれほど悪くない。

  • スチルではこのクラスで優れたカメラが沢山あるが、動画(特に高フレームレートの4K)に焦点を当てたカメラを探しているならGH6が屈指の魅力的な選択肢になる。4K120pが撮れるカメラは少なく、このモードで高品質が維持され、オーバーヒートしないカメラがいくつあるだろうか?
  • EOS R5 / R5Cやα7S III、α1なども4K120pは使用でき、より信頼性の高い位相差AFを備えているが、動画のプロ用のアシスト機能が少なく、手ブレ補正が弱く、高フレームレートで画質が低下することがある。また、ソニーにはDCI 4Kがなく、キヤノンはMicroHDMI端子を採用している。いずれにしても、GH6はビデオグラファーにとって非常に魅力的なカメラで真剣に検討する価値があるカメラだ。

 

GH6は動画の画質に関してはセンサーサイズを考えると非常に優秀で、条件によってはフルサイズをしのぐこともあるようです。どのモードでもオーバーヒートしないなど、仕事で使う人にとっては安心感のあるツールになりそうですね。

AFに関してはスチルは高評価ですが、動画は良い部分と悪い部分があると評価されており、動きモノに関しては位相差AFの方が一枚上手で信頼できるという評価のようです。

ハイレゾ撮影に関しては、DPReviewでは動体の補完が非常に優秀と述べられていましたが、ここでは動く被写体があると使えないという正反対の評価になっているのが気になるところです。