リコー「GR IIIx」は開放から素晴らしい画質

PCmagに、リコーの換算40mmレンズを搭載したハイエンドコンパクト「GR IIIx」のレビューが掲載されています。

Ricoh GR IIIx Review

  • このカメラはGR III の広角レンズをもう少し標準的な40mm相当のレンズに換装しているが、それ以外はGR IIIと同じだ。しかし、このカメラは競合機(大部分は広角レンズを搭載している)の中では他にはない存在だ。
  • GR IIIxは本格的なカメラの中では最も小さい部類で、真にポケットに入るカメラだ。重さは手ブレ補正を内蔵しているためサイズの割りに少し重いが、それでも容易に持ち運べる。
  • サードパーティー製のストラップを使う場合は、ストラップ取り付け部の穴が小さすぎて、取り付けられないことがあるので注意が必要だ。

  • GRII 以前のモデルにはフラッシュが内蔵されていたので、フラッシュが無くなったのは残念だ。このカメラの高感度性能は優秀でIBISは1/4秒でブレ無しで撮影できるが、この種のカメラではフラッシュが非常に有用だ。
  • ライバルの富士フイルムX100Vはレンズが格納されないので、GRほどポケットに入れやすくないが、フラッシュとファインダーが搭載され、チルト式モニタと防塵防滴性を備えている。しかし、X100Vは1400ドルとかなり高価だ。
  • GRシリーズではレンズが伸縮するときにホコリを吸い込むので、センサーのホコリはGRシリーズの懸念事項となっている。GRIII / IIIxはアンチダストシステムが追加されているが、ホコリは長期的な問題なので、短期間のレビューでは、どの程度上手くホコリを防いでいるかは言うことができない。

  • グリップは心地よいが、レンズに近すぎてカメラを普通に持っていると指先がレンズにぶつかってしまう。しかし、これは大きな不満ではない。
  • モードダイヤルは右端にあるが、ロックボタンがあり誤って回してしまう心配はない。背面のボタンは手さぐりで簡単に見つけることができ、窮屈さは感じない。
  • タッチパネルは素晴らしい追加機能で、AFのフォーカスポイントを画面のタップで選択できるので、AFが更に便利になった。

  • 液晶モニタは3インチ104万ドットで非常にシャープで視野角も広いが、晴天時には明るさを最大に上げる必要があり、これによってバッテリーライフが大幅に短くなる。
  • バッテリーライフはCIPA規格で200枚で、これはGRIIの320枚よりもかなり控えめで、1日中使うには少々少ない。100枚の撮影でいくらかバッテリーインジケーターが減ったので、週末の旅行には予備のバッテリーを持っていくことを勧める。
  • 2Gの内蔵メモリには40枚のRAWかまたは140枚のJPEG画像を保存でき、メモリカードを忘れた場合には役に立つが、多くの場合は、メモリカードを購入する必要があるだろう。
  • スマートフォンとの連携は、設定は簡単だが完全に自動化はされてはいない。連携用のアプリは、現在のバージョンで非常に上手く機能する。

  • AFは高性能なハイブリッドAFが採用され顔認識と瞳認識が搭載されている。高度な被写体認識は搭載されていないが、それはこの種のコンパクトには過剰な機能だろう。AFはワイドエリアに設定してタッチパネルを併用するとより便利になる。AFはシングルでは非常に速い。動体追尾も可能だがGRはそのようなアクション撮影用には向いていない。
  • 40mmのレンズは個人的に気に入っており、画角は広角よりも標準レンズに近く、X100Vのような35mmとの違いは明白だ。このレンズは極めてシャープで、開放から素晴らしい画質が得られ、F4~F16では際立った画質が得られる。GR IIIxはGR IIIよりも背景をぼかすことができ、被写界深度で楽しむ余地がある。

  • 2400万画素APS-CセンサーはBSIや積層ではなく、最新の設計ではないが、優れたパフォーマンスを発揮する。RAWで画質を確認したところ、2400万画素APS-Cセンサーに期待した通りの画質だった。
  • 高感度はISO800まではノイズは非常に細かく豊富なディテールがある。ISO12800ではノイズの粒子が少し目立つが、ディテールは見事に維持されており、色も良好だ。ISO25600ではノイズが粗くなり解像力が落ちるが、発色は正確なままだ。
  • JPEGはデフォルトではRAWよりも高感度のノイズが抑えられ、ディテールがソフトになるが、ノイズリダクションは好みに合わせて調整できる。
  • 動画は外部マイクは使用できず、ビデオグラファーに理想的ではないが、1080p 30/60fpsでのクイッククリップ用には問題ない。IBISは手持ち動画で十分に効く。

  • GR IIIxの小さいボディは少し窮屈で、GRIIの幅広いボディのスタイルの方が好みだ。内蔵フラッシュもなくなっているが、これが問題となるかどうかは用途によるだろう。換算40mmの焦点距離は特定の被写体や、被写体の分離に目を向ける人にはぴったりだ。
  • 良い点:ボケットに入るAPS-C機、極めてシャープな40mm相当のレンズ、クイックAFとインスタントスナップフォーカス、明るいタッチ式モニタ、テレコンバーターが用意されている。
  • 悪い点:バッテリーライフが短い、防塵防滴ではない、フラッシュ非搭載、外部光学ファインダーが高価。

 

レンズを準広角の40mmに変更したGR IIIxですが、オリジナルのGR III とは全然別の写真が撮れる面白いコンパクトに仕上がっているという印象です。レンズは非常にシャープで、逆光耐性も強そうで、コンパクトのレンズとしては申し分のない高性能レンズですね。GR IIIと2台持ちで使い分けるのも楽しそうです。