キヤノン「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」は予想以上に優れたレンズだが、AFは厳しい条件には対応できない

PetaPixelに、キヤノンの安価でコンパクトな超望遠ズーム「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」のレビューが掲載されています。

Canon RF 100-400mm f/5.6-8 IS USM Review

  • 大きさは16.46cm(400mmでは24.76cmに伸びる)で、重さは635gと思ったよりも軽い。国有林を散策して撮影したが、そのような撮影ではこのような比較的小さく軽量なレンズが強みを発揮する。
  • ズームリング、フォーカスリング、コントロールリングはいずれも非常に滑らかで、価格がこのレンズの2倍する望遠レンズでこのレンズよりも(リングの感触が)悪いものもあった。ズームリングの回転角は45度と短く固いが滑らかな操作感で、ズームの自重落下や不意に動いてしまうことはあまりなかった。
  • 残念ながら防塵防滴ではなく、シーリングは施されていない。新品時はスムーズに操作できるが、シーリングなしでどれだけ長く持つのだろうか。

  • 画質は100mmでは開放のF5.6で十分にシャープで、F9で中央の解像力はピークに達する。F22以上はソフトになりすぎる。400mmではF10で中央はピークになるが、正直開放のF8とF10の違いはわずかだ。F20以上はソフトになりすぎる。
  • 周辺光量落ちは自動補正を無効にして確認したが、100mmでは1/3段絞ったF6.3で周辺光量落ちは顕著に改善し、F9でほぼ解消する。400mmでは2/3段絞ったF10で顕著に改善しF14でほぼ均一になる。自動補正を使えば、周辺光量落ちの影響は最小限になる。
  • 色収差や逆光耐性に関してはもっと高いレンズでないと期待できないと思っていたが、感心したことに、このレンズはそんなことはなかった。色収差は100mmでは400mmよりも色ズレが多く見られるが、全体的には十分に抑えられている。また、画面内に太陽を入れると微かにゴーストが見られるが、酷いものではない。

  • AFはほとんど無音で、ピント位置の更新は速く、一般的な動きのある被写体も追尾できる。
  • AFは2つのケースで注意が必要なことが見つかった。まず、EOS R3との組み合わせで正午に鳥の撮影をしていたが、(レンズが暗いので)木陰にいる鳥にAF-Cで合焦せず、AF-Sで合焦する場合もあったがAF-Sが役に立たない場合には、MFが必要になった。もう1つの問題は動きの速い被写体の追尾速度で、自分に向かって走ってくる犬の撮影で、ファインダーでは被写体を正確に追尾していても、撮影した写真で目の後ろにピントが合ってしまうケースが多かった。このレンズには、このような厳しい条件に対応するだけのAF速度とAF精度はないと思う。

  • RF100-400mm F5.6-8 IS USMは小型軽量でF値が小さいレンズで、価格は650ドルとサードパーティーを含めてもクラス最安のレンズだ。このレンズで評価している点は、実装が難しいかコストがかかるものは完全に省略されている点で、これは性能の芳しくない機能を盛り込んで撮影体験を悪化させるよりもよい戦略だと思う。このレンズは思っていたよりも良いレンズだ。
  • RF100-500mm F4.5-7.1Lはほとんど全ての面で100-400mm F5.6-8を凌駕しているが、その分、大きく重く価格も涙が出るほど高い。
  • RF100-400mm F5.6-8 IS USMを買うべきだろうか? イエスだ。このレンズはシンプルだが使える望遠ズームで見過ごせないレンズだ。

 

RF100-400mm F5.6-8 IS USMは価格から想像するよりも優れたレンズのようで、シビアな条件でなければ十分に役立ってくれそうですね。暗い環境でAFが弱いのは暗いレンズなので仕方ないところで、その辺は割り切って使うしかなさそうです。