パナソニック「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH」は広角端の隅を除けば素晴らしい性能

ePHOTOzineに、パナソニックのライカブランドのm4/3用標準ズーム「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH」のレビューが掲載されています。

Leica DG Vario-Elmarit 12-60mm f/2.8-4.0 ASPH Review

  • 鏡筒はプラスチックが上手く利用されており、320gと軽量に仕上がっている。
  • 最短撮影距離はワイド端で0.2m、テレ端で0.24m、最大撮影場率0.3倍で、この種のレンズとしてはかなり寄れる方だ。
  • ズームリングは固く、手持ちで動画撮影時にズームすると揺らさないようにするのが難しいが、三脚を使えば問題はない。動画ではズームリングの硬さが気になるかもしれないが、使い込めば緩和されるかもしれない。ズーミングでレンズは繰り出すが、フォーカシングではレンズは繰り出さない。

  • 手ブレ補正はGH6との組み合わせで、5.5段分の効果があったが、これは撮影者によって異なるだろう。
  • 12mmの解像力は中央はF2.8からF5.6で素晴らしい値(excellent)で、F8とF11ではとても良好な値(very good)だ。隅は解像力が少し落ち込み、F2.8とF4では甘く(soft)、F5.6とF8でとても良好な値(very good)、F11では良好な値(good)だ。

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  • 18mmの解像力は中央はF3.2からF5.6で素晴らしい値で、F8とF11ではとても良好な値だ。隅は少し良くなり、F3.2では良好な値、F4でとても良好な値、F5.6で素晴らしい値、F8ではとても良好な値、F11では良好な値だ。

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  • 40mmになるとこのレンズは輝き始める。中央はF3.9からF5.6で際立った値(outstanding)、F8で素晴らしい値、F11でとても良好な値だ。隅はF3.9とF4で素晴らしい値、F5.6で際立った値、F8で素晴らしい値、F11でとても良好な値だ。

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  • 60mmの解像力は中央はF4からF8で素晴らしい値、F11でとても良好な値だ。隅はF4からF8で素晴らしい値、F11で良好な値だ。このレンズの解像力は良い部分と悪い部分があり、12mmの隅とF16・F22に絞ったときを除けばとても良好な解像力だ。

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  • 倍率色収差は、電子補正をOFFにして計測したが、良く補正されており、望遠側に行くほど良好になる。色収差はほとんどの画像で目立たない。
  • 歪曲は12mmで-1.90%のタル型で目に見えるが、ズームレンズとしては悪い値ではない。18mmでは-0.02%のタル型、40mmでは+0.12%の糸巻き型、60mmは+0.10%の糸巻き型とほぼ真っすぐで、これはとても素晴らしい結果だ。

  • ボケは滑らかでゆったりしたグラデーションを実現している。
  • 逆光耐性もかなり印象的で、極端な条件ではかすかにフレア・ゴーストが現れることがあるが、フレア・ゴーストを出すのは大変だ。
  • 周辺光量落ちは12mm開放で-1.7EV、60mm開放で-0.7EVで良く補正されている。

  • このレンズはほとんどの場合素晴らしい性能で、とても満足の行くものだ。12mmの隅の解像力とF16・F22に絞った時の解像力が弱点だが、m4/3の小さなセンサーを考えると小絞り時の解像力は回折の影響なので許せる範囲だろう。歪曲、周辺光量落ち、色収差、逆光耐性など他の全ての点でこのレンズは光輝いている。
  • 良い点:大部分のケースで素晴らしい解像力、歪曲が少ない、フレアが少ない、色収差が少ない、周辺光量落ちが少ない、滑らかで心地よいボケ、便利な近接性能、速く静かなAF、効果的な手ブレ補正、防塵防滴。
  • 悪い点:12mmの隅の解像力が標準以下。

 

12-60mm F2.8-4は広角側の隅の解像力が低めなのが気になるところですが、中間域から望遠側の解像力は抜群に優れていますね。歪曲や色収差、周辺光量落ちなどの収差は非常に良く補正されていて、逆光耐性やボケも高評価なので、広角側の隅の解像力を除けば申し分のない性能といって良さそうです。