ニコン「Z 9」のAFには被写体の誤認識や背景抜け等の問題が見られる

Nikon Rumorsに、ニコンZ9のインプレが掲載されています。

Nikon Z9 camera first impressions

  • Wade TregaskisによるニコンZ9(ファームは1.11.)のファーストインプレッションだ。

  • 沈胴式のレンズを格納状態にしていると、Z9は全く使用できず、メニューすら表示できない。大したことではないかもしれないが、カメラが何も操作できず理由すら表示されないのは困る。
  • 液晶モニタは複雑な構造のために、横を掴んで動かそうとすると、壊してしまうのではないかと恐れを感じる。

  • AFは背景に抜けやすいZシリーズの癖が完全には治っておらず、画面の中央に明確な被写体があるにもかかわらず背景にピントが行ってしまうことがある。これはZ7では日常茶飯事だが、Z9ではまれにしか発生しない。しかし、ニコンがこの問題を解決していないのは少々残念なことだ。
  • 他のレビューでもしばしば言われているが、瞳AFは髪の毛や羽などで目が少しでも隠されていると簡単に合焦ミスしてしまう。これは被写体認識に限らず、シングルAFでも同じことが起きる。
  • 瞳認識は鳥の鼻の穴を目と認識するなど、時々間違って認識することがある。AFの挙動は鳥の種類に依存し、たとえば、カリフォルニアコンドルで、本当の目を認識させようとすると実に厄介だが、他の多くの鳥ではその問題は発生しなかった。また、動物によっては、首の真ん中など、別の場所に顔があると思いこんでしまうケースもしばしば発生した。
  • 画面内にある明らかな動物を認識せずに、画面内の無生物を勘違いして認識してしまうこともある。3Dトラッキングはどこにピントを合わせるように指示しても、検出した被写体に常にピントを合わせるという設計上の欠陥があり、これに対処するにはメニューから被写体認識を無効にする必要がある。
  • 一点測距AFで、理由もなく前ピンになることが少なからずあった。これは画面内で全くピントが合っていない深刻なもので、少なくとも24-70mm f/4では発生する。

  • 測光はハイライト重点測光が導入されて以来このモードを使用しているが、Z9では極端な露出アンダーになるので、マトリクス測光に切り替えて撮影している。大部分のケースで上手く露出が合うが、当然ながら時々ハイライトは飛んでしまう。
  • バッテリーは私の使い方では6時間程度持つ(Z7はせいぜい4時間程度)。バッテリーライフはEVFや液晶モニタが表示されている時間に大きく左右されるようで、撮影枚数はあまり関係ないようだ。
  • カメラ内充電は100%まで3時間40分と公表されており、実際にほぼ正しいようだ。30分間の休憩で充電できるのは12%だけで、カメラ内充電はそれほど便利なものではない。

  • 再生モードで画像を確認していると、時々フリーズすることがあり、15秒後に自動的に再起動する。再起動すると、カメラはそれまでにやってきたこと(例えば、再生していた画像の位置など)を全て忘れてしまう。
  • Z9のGPSは、船の上での撮影や、移動しならの撮影、移動後の突然の撮影などニコンカメラが古い位置情報を記録するミスを犯しがちな難しい状況でも、今のところ非常に上手く機能している。しかし、超高精度というわけではなく、最大で経度と緯度が10mほどずれることがある。

 

Z9のAFはこれまでのZマウント機に比べると飛躍的に進化していますが、被写体の誤認識や背景抜けなど、まだファームウェアに改善の余地があるようですね。ただ、動物は姿形が千差万別なので、完全に誤認識をなくすのは難しいのかもしれません。

また、沈胴式レンズ使用時の問題や再生時のフリーズなどは、ファームアップで容易に対応できそうな問題なので、早い時期に解消して欲しいところです。