OM SYSTEM「ED 40-150mm F4.0 PRO」は望遠端までシャープなレンズ

The Phoblographerに、OM SYSTEMのF4通しのコンパクトな望遠ズーム「ED 40-150mm F4.0 PRO」のレビューが掲載されています。

Small Yet Sturdy: OM System 40-150mm F4 Pro Review

  • このレンズはOM SYSTEMによると、300mm相当のF値一定のズームとしては最小最軽量で、たしかに300mmというよりも広角ズームを持ち歩いているような感覚だ。
  • サイズだけではなく、IP53規格の防塵防滴にも対応しているのも革新的だ。実際に蛇口から水をかけてみたが、レンズは正常に機能し続けた。
  • 鏡筒は大部分が金属製だが、使用時に繰り出される部分はプラスチック製だ。

  • このレンズはズーミングでレンズの全長が変わらず、望遠端でも驚くほど小さい。収納時は、レンズを沈胴することでコンパクトに収納することができ、カメラバッグの4インチ程度のレンズ枠に収まる。
  • 鏡筒のデザインは親しみを感じるものだが、MFモードに切り替えるフォーカスクラッチ機構が搭載されておらず、カメラのメニューでMF切り替えるのは時間がかかるので、これは残念だ。
  • 望遠端では最大撮影倍率は0.41倍で、望遠レンズとしてはかなり寄れる。

  • AFはまっすくに進んでくるランナーを撮影したところ、10コマ/秒の連写で、AFのミスはわずか10%だった(テスト機はE-M1 III)。しかし、AFは完璧ではなく鳥の撮影では近くや遠くの枝にピントが来るミスが多くなったが、カメラのフォーカスリミッターを使うと、ずっと良い結果を得られた。レンズにフォーカスリミッタースイッチがあれば、非常に助かると思う。全体としてはAFは妥当な性能だ。
  • 手ブレ補正は搭載されていないが、オリンパスのボディはかなり優れたボディ内手ブレ補正を搭載しており、40mmで2秒のシャッター速度でなんとか撮影できる。
  • このレンズで厳しい部分は単純に口径が小さいということで、m4/3でF4だと暗く、動体撮影ではISO感度をあげる必要がありディテールが失われるので、動体には向いていない。

  • コンパクトな設計だが、画質は収差が上手く抑えられており、十分なシャープさがあると感じた。このレンズは開放からシャープで、四隅は中央よりも少し甘いが、許容範囲内だ。この画質は望遠端まで同様で落ち込まない。
  • F4なのでボケは小さいが、寄れば背景をボカせる。玉ボケは若干絞りの形が見えるが、口径食や年輪ボケ、バブルボケは見られない。
  • 太陽が画面内に入ると、円形のディスコボールのようなフレアがでる。これは面白い効果だが、若干使いづらい。
  • 歪曲は広角端でも望遠端でも非常に小さく、同様に周辺光量落ちも非常に少ない。色収差は時折見られたが、強いものではない。

  • ED40-150mm F4.0 PROはプロシリーズのシャープさをより小さく手軽なパッケージで実現したレンズで、持ち運びやすく、耐久性があり、手に持った感触も素晴らしい。しかし、フォーカスクラッチ機能が省略されており、またAFは野鳥の撮影を成功させるにはカメラのメニューでフォーカスリミッターを使用する必要があった。レンズを小さくしたい場合や予算が限られる場合には良い選択肢だが、動体撮影や暗い場所で使う場合には40-150mm F2.8の方が理想的だ。
  • 良い点:軽いので長時間のハイキングにも容易に持ち運べる、鏡筒のほとんどが金属製、IP53規格で極めて頑丈、操作部が少なく簡単に使える、シャープで歪曲が少ない、太陽を撮ると面白いフレア効果が得られる。
  • 悪い点:動体を撮るにはF4ではISO感度を上げる必要がある、40-150mm F2.8にあるフォーカスクラッチが無い。

 

40-150mm F4 PROは軽量コンパクトな望遠ズームですが、開放から良好な画質で、システムをコンパクトにまとめたい場合には、とても魅力的な選択肢になりそうです。ハーフマクロ並みに寄れるのもポイントが高いですね。

また、これだけ小さい望遠ズームにもかかわらずインナーズームで、ズーミングで鏡筒が伸びない(ただし沈胴式なので使用時には少し伸びますが)のはすごいですね。