キヤノン「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」は素晴らしい性能のレンズだが価格が高い

Dustin Abbotに、キヤノンの超望遠ズーム「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」のレビューが掲載されています。

Canon RF 100-500mm F4.5-7.1L IS USM Review

  • EF100-400mm F4.5-5.6L IS II は当時最高の望遠ズームだったが、キヤノンはRF100-500mm F4.5-7.1 Lで軽量化しながらズーム倍率を更に拡大しており、このような焦点距離のレンズとしては実に扱いやすいレンズになっている。
  • このレンズはEF100-400mmに比べると、望遠側にズームしたときにF値が暗くなるのが速い(254mmでF5.6になる)が、EF100-400mm+1.4倍のテレコンと比べると、500mmの焦点距離では1/3段分明るくなる。
  • デザインはキャノンの望遠レンズを使っていた人には馴染み深いもので、操作部はEF100-400mm II とよく似ている。EFと比べると若干長くなっているがフードを付けた状態では、その差はわずかだ。フードはEFは黒だったが、RFでは白になっていて、レンズと良くマッチするようになったことは歓迎したい。
  • 三脚座はEFは足の部分しか外れなかったが、RFでは全体が取り外せるようになった。しかし、アルカスイス互換ではないことと、回転させるときの戻り止め(クリック)がないのは残念だ。

  • フォーカスリングは電子式で非常に軽いので、最後の微調整で狙ったピントが行きすぎないように注意が必要だ。
  • ズームリングは重さを調整することができるが、一番重い設定にしても、それほど大きな抵抗なくズームリングを動かせる。古いレンズと比べるとズームは軽めだが、自重落下を抑えるのに十分な重さはある。ズームリングの動きは滑らかで、回転角は130度だ。
  • 手ブレ補正は非常に有益で上手く機能する。500mmの焦点距離ではレンズISとボディISを併用してもファインダーは少し揺れるが、サンプル画像は1/40秒で手持ち撮影することができた。これは約4段分の効果で、もう少しシャッター速度を落とすことは可能だが、公称の6段分の効果(1/8秒)は私には無理だ。
  • このレンズは1.4倍と2倍のテレコンに「ある程度」対応している。「ある程度」というのは、300mm以上でしかテレコンを使えないためで、テレコン到着時はレンズを広角端で完全に格納することはできない。
  • AFは速く静かで、飛んでいる鳥や不規則な動きの被写体を追尾するのに非常に優れたレンズだ。また、ポートレートに使用しても瞳AFは問題はなく、強い逆光でも良好な結果が得られた。AFの作動音はほとんど聞こえず、動画では内蔵マイクで音を拾わないと思う。

  • EF100-400mm L II は他のレンズの追随を許さない実に高性能なレンズだが、MTFのグラフではRF100-500LはEF100-400mm L IIと同レベルの性能が示されており、ズーム全域で信じられないほど一貫した性能を持ったレンズだ。暗いレンズなので、絞ってもほとんど性能が変化しないのは助かる。
  • 100mmでは歪曲はわずかなタル型だ。周辺光量落ちは2EV程度でどちらも大きな問題はない。500mmでは歪曲は穏やかな糸巻き型で、周辺光量落ちは1EVを若干超える程度に改善する。周辺光量落ちはRFレンズの中では非常によいレンズの1つだ。歪曲もほとんどまっすぐで補正プロファイルなしでも問題ないかもしれない。
  • 色収差の補正も満足行くもので、倍率色収差の問題は見られなかった。また軸上色収差も良く抑えられている。
  • 解像力をEF100-400mmL IIと比較すると、EFは中央が強く、RFは隅が強い傾向があり、またRFの方がコントラストが若干高くなることがあるが、両者に大きな差はない。またRF100-500mmは絞っても性能が変わらず、開放からほぼ最高の性能を発揮する。

  • 500mmでRF100-500mmとEF100-400mm+1.4倍のテレコンを比較すると、解像度とコントラスでわずかにRFが勝っているように感じられた。しかし、特に印象的だったのは、EFレンズはフォーカスブリージングが大きいことでテレコンを付けて560mm相当なのに、RFの500mmよりも画角が広かった。EFはRFよりも明らかにフォーカルブリージングが大きく、キヤノンがRFでこの欠点を改善しているのは素晴らしいことだ。
  • フレア耐性はかなり優れており、太陽を直接画面に入れても影響は少なかった。画面の隅や特定の位置に太陽があるいくつかの画像でコントラストが少し低下したが、写真を台無しにするようなものではなくむしろ芸術的なものだった。また、大きなゴーストは見られなかった。
  • RF100-500がEF100-400IIに若干後れを取っていると感じるのがボケで、若干輪郭が強く、それほど滑らかには感じない。

  • このレンズで最も注目すべきは望遠端が100mm長くなったことで、テレコンを使わなくても十分に狭い画角が得られる。性能面は概ね素晴らしく、鏡筒の造りやハンドリングも優れており、AFも素晴らしい。光学性能では大きな欠点はない。しかし、2900ドルという価格が高いハードルになりそうだ。
  • 良い点:望遠端が100mm長い、軽量化された、コントロールリングの追加、よくマッチするフード、ハンドリングが少し改善、AFの改善、動体追尾性能が素晴らしい、若干最大撮影倍率が大きくなった、三脚座が完全に取り外せる、ズーム全域で一貫して高性能、素晴らしい収差の補正、ポートレートレンズとしても良好に機能する、フォーカスブリージングが抑えられている。
  • 悪い点:価格が高くなった、暗い、テレコンに完全に対応していない、EF100-400mmIIと比べて画質があまり改善していない。

 

RF100-500mm F4.5-7.1 L は軽量化しながら望遠端を500mmに伸ばしていますが、光学性能はEF100-400mm II と同等の優れた性能が維持されているようです。AF性能も十分に動体を追いかけられるようで問題はなさそうですね。

また、フォーカスブリージングが抑えられているのは、動画や近接でのクローズアップ撮影を良くする人にはかなり有用な改善になりそうです。ウィークポイントはテレコン使用時に300mm以上に限定されて、ズーム範囲が狭くなることと、高価な価格でしょうか。