27年前に登場したシグマ「AF APO TELE MACRO 400mm F5.6」の実力は?

ePHOTOzineに、1995年に登場したシグマの超望遠単焦点レンズ「SIGMA AF APO TELE MACRO 400mm F5.6」のレビューが掲載されています。

Sigma AF APO Tele Macro 400mm F/5.6 Vintage Lens Review

  • 今回レビューしたレンズは、1995年に発売されたシグマAF400mmF5.6(ミノルタAマウント用)のほとんど新品の個体だ。

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  • 最短撮影距離は1.6mで最大撮影倍率は1:3と、多くのズームレンズや400mmレンズよりもかなり寄れる。
  • フォーカスリングは非常に大きくゴムで覆われている。三脚座は取り外し可能で、横向きと縦向きの切り替えに便利だ。このレンズは非常に使い勝手が良く、寄れるので汎用性が高い。
  • チャートで測定した解像力は、絞り全域でよく言って「そこそこ」の値で、F11までは回折の影響は避けられるが、どのような見方をしてもかなり甘いレンズであることがわかる。Photoshopなどのアンシャープマスクでシャープネスをかける必要はあるが、そうすればラボテストの結果よりも実写性能はかなり良くなる。

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  • 色収差は、フィルム時代のレンズとして称賛に値する低い値だ。APOの名称が名ばかりでないことは明らかで、実写画像では色ズレはほとんど見られない。
  • 歪曲は+0.44%の糸巻き型で、これももう1つの称賛に値する結果だ。
  • ボケは焦点距離が長いレンズほど滑らかなボケが期待できるが、このレンズも例外ではなく、雑然とした背景でも容易にぼかすことができ非常に効果的だ。
  • フレアはとても良く抑えられており、ヴィンテージレンズとしては信頼できる。このレンズは、極めて厳しい条件下でもコントラストの低下はほとんど見られない。
  • 周辺光量落ちは開放で1/3EVをわずかに超える値(0.4EV)に過ぎず、非常に優れている。

  • このレンズの画像は非常にソフトだが、Photoshopで後処理すれば、Web上での使用や、A4までの小サイズのプリント適した満足行く許容範囲内のシャープな画像が得られる。APS-C機では換算600mmで野生動物も問題なく引き寄せられる。適正な価格なら試してみる価値のレンズかもしれないが、手放しで推薦とまではいかない。
  • 良い点:400mmの焦点距離の長さ、フレア耐性が良好、周辺光量落ちと歪曲が非常に少ない、色収差が良く補正されている、比較的軽い、意味のあるAPO表記、1:3まで寄れる、フード内蔵。
  • 悪い点:暗いとAFが迷うことがある、解像力がそこそこ。

 

フィルムカメラ時代は、安価な割りになかなか良く写るという印象だったシグマのAPO 400mm F5.6ですが、解像力は今のレンズと比べるとさすがに厳しいですね。とは言え、色収差の補正や、歪曲・周辺光量落ちの少なさ、逆光耐性などはとても優れていて、この時代のレンズとしては立派という印象です。

このレンズは実写ではかなりソフトですが、最近のカリカリっとしたレンズの画像を見慣れていると、なかなか温かみのある雰囲気の良い絵が出てくるレンズという印象で、デジカメで使ってみるもの面白そうですね。

ただ、この時代のサードパーティー製レンズは、最近のデジカメと組み合わせると正常に動作しないことも多いので、店頭で動作を確認してから購入した方がいいかもしれません。