ePHOTOzineに、1995年に登場したシグマの超望遠単焦点レンズ「SIGMA AF APO TELE MACRO 400mm F5.6」のレビューが掲載されています。
・Sigma AF APO Tele Macro 400mm F/5.6 Vintage Lens Review
- 今回レビューしたレンズは、1995年に発売されたシグマAF400mmF5.6(ミノルタAマウント用)のほとんど新品の個体だ。
- 最短撮影距離は1.6mで最大撮影倍率は1:3と、多くのズームレンズや400mmレンズよりもかなり寄れる。
- フォーカスリングは非常に大きくゴムで覆われている。三脚座は取り外し可能で、横向きと縦向きの切り替えに便利だ。このレンズは非常に使い勝手が良く、寄れるので汎用性が高い。
- チャートで測定した解像力は、絞り全域でよく言って「そこそこ」の値で、F11までは回折の影響は避けられるが、どのような見方をしてもかなり甘いレンズであることがわかる。Photoshopなどのアンシャープマスクでシャープネスをかける必要はあるが、そうすればラボテストの結果よりも実写性能はかなり良くなる。
- 色収差は、フィルム時代のレンズとして称賛に値する低い値だ。APOの名称が名ばかりでないことは明らかで、実写画像では色ズレはほとんど見られない。
- 歪曲は+0.44%の糸巻き型で、これももう1つの称賛に値する結果だ。
- ボケは焦点距離が長いレンズほど滑らかなボケが期待できるが、このレンズも例外ではなく、雑然とした背景でも容易にぼかすことができ非常に効果的だ。
- フレアはとても良く抑えられており、ヴィンテージレンズとしては信頼できる。このレンズは、極めて厳しい条件下でもコントラストの低下はほとんど見られない。
- 周辺光量落ちは開放で1/3EVをわずかに超える値(0.4EV)に過ぎず、非常に優れている。
- このレンズの画像は非常にソフトだが、Photoshopで後処理すれば、Web上での使用や、A4までの小サイズのプリント適した満足行く許容範囲内のシャープな画像が得られる。APS-C機では換算600mmで野生動物も問題なく引き寄せられる。適正な価格なら試してみる価値のレンズかもしれないが、手放しで推薦とまではいかない。
- 良い点:400mmの焦点距離の長さ、フレア耐性が良好、周辺光量落ちと歪曲が非常に少ない、色収差が良く補正されている、比較的軽い、意味のあるAPO表記、1:3まで寄れる、フード内蔵。
- 悪い点:暗いとAFが迷うことがある、解像力がそこそこ。
フィルムカメラ時代は、安価な割りになかなか良く写るという印象だったシグマのAPO 400mm F5.6ですが、解像力は今のレンズと比べるとさすがに厳しいですね。とは言え、色収差の補正や、歪曲・周辺光量落ちの少なさ、逆光耐性などはとても優れていて、この時代のレンズとしては立派という印象です。
このレンズは実写ではかなりソフトですが、最近のカリカリっとしたレンズの画像を見慣れていると、なかなか温かみのある雰囲気の良い絵が出てくるレンズという印象で、デジカメで使ってみるもの面白そうですね。
ただ、この時代のサードパーティー製レンズは、最近のデジカメと組み合わせると正常に動作しないことも多いので、店頭で動作を確認してから購入した方がいいかもしれません。
元カメラ小僧
学生の頃、アイドル撮るのに使ってました。
純正の望遠はバカ高くて、当時これしか買えなかったんですがw
どりゃー
EFマウント用は大多数のボディでエラーが出て使用できないでしょう。
シグマレンズはDG/DC世代より古いEFマウントは大概不適合です。
ソニーLA-EA5併用で使うAマウントは今後も結構活躍しそう、
ニコンはモーター非搭載レンズがFTZ/FTZIIではオートフォーカスが作動しないのでやや残念。
棒燃
古いシグマレンズは塗装の加水分解でべとべとになるので、大変です。
少しべたつくのを我慢して、今でも500mmF4.5を使っています。
デジタルの補正が効くのか、フイルムの頃よりキレが良いように感じます。
9210
こういうレビューは嬉しいですね。
このレンズの前身のMFの456を持っていました。カラーはモスグリーンでネイチャーらしくて気に入っていたものです。軽快なインナーフォーカスで、なかなかの造りでしたよ。
NOG
EFマウント用はROM交換をしないとエラーが出て絞り開放でしか使えませんが、MC-11を介してEマウント機で使うとAFも絞りも正常動作します。
だいぶ前に中古で入手したのにEOSで使えず眠っていましたが、MC-11のおかげで蘇りました。
α6600と組み合わせれば手振れ補正の効く600mm/F5.6となりかなり使い勝手が良いです。
画質も言うほどソフトとは思えず、十分現役で使えています。
まさか今さらこのレンズが話題に上るなんて思ってもみませんでした。
ジャイアンツ好きのカメラ好き
同時期に発売された300mmf4を今でも使っています。
EOS7が発売された時に、SIGMAでパーツを交換したので今のデジタル機でもAFが動きます。
このレンズも買おうかと思いながら、純正の100-400ズームを買ったので、買わずじまいでした。
300mmf4は、最近発売されたレンズと比べれば解像度が落ちるのでしょうが、私個人的にはよく写るレンズとして愛用し、使い倒し、今でも売らずに残しています。
最近は出番が減っていますが、久しぶりに桜の撮影に持ち出そうと思いました。
harao
昨年ヤフオクでカビジャンクを入手して分解清掃してα57で使ってますがこのリンク先のサンプル全てよりもっとしっかり写りますよ。
一度目の分解と組み立てで少し像が流れるような甘さがあるのでまた分解してフォーカシングレンズを組み直して二度目で大分良くなってそのまま使ってます。
ジャイアンツ好きのカメラ好きさんがコメントしている300mmF4よりも400mmf5.6の方がいくらか甘いですがリンク先のサンプルほど酷くはないです。
ZEN塗装時代のシグマの望遠単焦点はフォーカシング部分のガタに個体差もあるのか
偏芯している個体もあるのですがリンク先のテスト個体はかなりのハズレ個体のような気がします。
F
PENTAX用を使ってますが現代のレンズのような解像度は無いにしてもそこまで甘さは感じないですけどね。ただ、色があっさりしているという印象はあります
SoA
興味深いレビューですね。経年劣化を含めた個体差が大きいカテゴリーと思いますが、SSM以前のAマウントレンズはコストパフォーマンスに優れているものが多いと思いますので、自分も単焦点Aマウントレンズいつの間にか増えてますね。LA-EA5は今の内に手に入れておいた方が良いかも知れませんね。
英國紳士
記事でこのレンズ知りました。
軽く調べましたが、このレンズHSMなんですね。
上の方がMC-11での動作確認されてますので、もしかしたらそれ以外でも動くマウントアダプターがあるかもしれませんね。
それにしても、これだけの性能を持ちながら中古1万円台から入手可能ってすごいです!
動画AFでも使いたいので、マウントアダプター別の動作確認がてらちょっと人柱になってみようかなと思い始めました(笑)
星撮り
古き安き時代のSIGMAレンズですね。
中古で見かけると買いそうになりますが、そもそも望遠レンズ使わないのでスルーしています。
広角の1.8シリーズは全て試しましたが周辺のコマ収差が酷く、すぐに純正の1.8Gに買い替えました。
Artになってからは純正より良い場合もあり、撮り比べて良い方を残したり。
qwe
APS-C、14.2MPのα350でのテストなのですね。
フルフレームでテストするとまた違った結果になるかも?
古い400mm F5.6というと、私はニコンのMFのものを持ってますが36MPのフルや24MPのAPS-Cで使ってもかなり解像して、古いのに大したものだなーと思っています。
ソングさん
ミノルタの時代から300ミリF4アポマクロとともに使っています。
あ、ミノルタ用Aマウントのものはソニーαでは使用できません!
その為EOS用のをその後使ってましたが、
最近になってまさかと思ったですがMC-11でα7Cで現役として復活しています。
画質としては、ステージにいる役者さんの衣服の縫い目も解像する程だから
私は優秀だと思っているし、線の太い力強い雰囲気なのが
トキナー300ミリF4やキャノン300ミリF4LISと違うところかと。
この記事のテスト機は、レンズ状態はベストだったのかなぁ?
ただし高画素機のα6600やα7Cを使いだして、
やはりF8にしないといけない感じはしますがでもシャープさに文句はない。
瞳AFも大丈夫だし、不規則に動くジェットスキーの乗り手の顔面にしっかりピントが合わせられ、EOS6Dや7Dではこんなに当たりませんから、すごい事。
実はシグマ300mmF4と400mmF5.6アポマクロには【HSM】という表記のある
リングUSM仕様のものが存在し、非常にタマが少ないが
もしあったら即購入を決断したほうがいいが、レンズ自体がカビているなど
そういう状態のものばっかりで、しかし私は3万5千円もするのかと思いながら
300ミリはHSMのものをゲットして使ってます。
粘り強く待つと私みたいに入手できると思う。
最近タムロンの最新150-500を友人のを同じ環境で使用でき、
やはり最新ズームはズームなのにヌケが素晴らしく良く、
最新鋭のレンズはこれ程すごいのか、
コーティングの進化は物凄いという印象だったが
1.7キロの重量がすごく苦しい感じがしました。
慣れるのでしょうが、アポマクロ単焦点は1.2キロしかないので
振り回す腕力がぜんぜん違うと感じ、
しかしズームなは適切な構図にすることができて素晴らしいと思う。
どうでしょうね・・悩みます。
私としてはHSMの300ミリF4アポマクロのキレイな品が
3万えんで入手できたら買うべきと思う。
α6600では450ミリF4ですから。
タムロン最新150-500でも絞りF4を選択できないから。
開放絞りF4なら、F5.6、F8、F11 と4つの絞りから選択できる。
タムロン最新150-500で、400ミリにセットするとF5.6は無理で
しかし約370ミリにするとF5.6を選択できた。
なんとかそれなら5.6とF8で選ぶ。400ミリでF11はしんどい。
やはり400ミリアポマクロを今から買うのなら、
貯金して最新150-500を買うといいと思う。
ネイティブEマウントですから。
ただし、動き回るものに対してAFの追随は
400ミリアポマクロ無印のほうが若干良い感じはしました。
まとめ
まぁ、30年ちかくも昔のレンズなのに、意外と立派ですよ、
確かに手放しで推奨できないけど、私はずっと使っていきます。
Canon boy
私はこれより古い1993年発売(29年前)の「EF400mm F5.6L USM」を未だに使っています。
(製造年は2000年台ですが)
アダプターを介してα7RIIIで使っても、画質だけで言えば、全く不満を感じていません。
純正のFE100-400GMとか使ったら戻れなくなるのかもしれませんが。
たまに6Dにつけて鳥探し散歩にも持っていきます。重さもそこまでではないのと、フードが一体型なのがとてもお気に入りです。多分、壊れるまではドナドナしないであろうEFレンズだと思います。
ただ、AF APO TELE MACRO 400mm F5.6とは違って最短撮影距離が3.5mなところだけちょっと不満ですね。
この時代のもので最大撮影倍率0.33倍はとっても魅力的ですね!
CR
9210さんと同様、このレンズの前身の、モスグリーンというか、カーキ色みたいな400mm F5.6のミノルタマウントを使っていたことがありますが、軽量でインターフォーカスで、使い勝手は良かったです。もっとすごいレンズを持っている人ももちろんいましたが、趣味で鈴鹿のF1撮影にも持っていきました。
当時はサービスサイズにプリントするのがほとんどで、たまに気に入った写真を四つ切りに伸ばすくらいなので、なんの不満もありませんでした。
しかし、どの機種だったか、ミノルタボディの新型が出たところロム?が対応しておらず、それ以降のボディでは絞り操作を受け付けなくったか、使えなくなりました。
ソニーαミラーレスのレンズがまだ出そろっていなかった頃、ダメ元でトキナーの70-200mm F2.8の程度のよい中古を購入し(その時点で20年以上前の旧式レンズという感じだった)、マウントアダプター経由で撮った写真をA4冊子の半ページくらい使いましたが、まったく問題なかったです。色味やシャープネスは画像処理ソフトでいじれるし、大きなサイズでもなかったし。
いずれにせよ、モニターで等倍鑑賞するようなことは、ここ20年くらいの習慣であり、ちょっとしたプリントや印刷であれば、昔のレンズでもかなり対応できるケースがありますね。
オールドマン
この型のサンヨンはMC-11+α7iiで撮影しましたが開放からキレキレで本当に素晴らしいレンズですよ。
harao
300mmと400mm、画質ではテレコン耐性に差があって APO TELE CONVERTER 1.4x EXを付けると300mmはまだ十分実用レベルなんだけど400mmはかなり画質が落ちます。
400mmでは使い物になりません。
ただし300mmでもAF性能が落ちるのでAマウントでは実質MF用ですね。
EFマウントのHSMで1.4xとMC-11だと果たして使えるんでしょうかね?
ぽんた
古いレンズの記事は諸先輩方の面白い話が聞けて楽しめます。
僕の生まれて間もない時代はもちろん知る由もないので、こういった記事は大歓迎です。
といいつつもキヤノンのシゴロは野鳥撮影レンズとして一番最初に買った交換レンズです。7Dと組み合わせてカワセミを追いかけてたあの時がすごく懐かしい。
canon大好きおじさん
キヤノンのユーザーですが、このレンズいまだに現役でバリバリ使っています。被写体はトンボを中心とした昆虫ですが、400mmで最短撮影距離1.6mは、助かります。現行の400mmではだいたい2.7mですから。購入当初は、遅いながらもAF問題なく使えてましたが、さすがに途中からerrorに、メーカーでは対応不可で、やむなくレンズ接点を取り外してマニュアルにしてシャッター速度のみ操作し、ISOオートで開放で使っています。まあ、ゴムは少々粘ってきましたが手放せないレンズです。今回の記事とてもうれしかったです。
元気ネコ
30年前に欲しくても買えなかったレンズです。
最近、中古で光学系の美しい物を入手。
PENTAX K-5につけて覗きましたが、想像以上の印象的です。ただ、600mm相当になるので、三脚使用でしょうね。明るければ高速シャッターが使えるのでしょうが。
インナーフォーカスがとても滑らかなのに感動しています。オールドレンズの世界は楽しいです。マイクロフォーサーズボディーやPentax Q7につけて遊ぼうかとも思ってます。