OM SYSTEM「OM-1」は明確な進化を見せるがAFは気まぐれ的な挙動も

マイナビニュースに、カメラマンの落合憲弘氏によるOM SYSTEM「OM-1」のレビュー前編・後編が掲載されています。

「OM-1」レビュー前編 魅力の根源は明確な進化を見せる万能性にあり!

  • 今般OM SYSTEMの「OM-1」を使う機会に恵まれた結果、幸か不幸か「OM-1の導入は必至である」と結論づけることになっている。ひとことで片付けるなら、「E-M1Xを超える能力をE-M1シリーズのサイズ感に収めることに成功したニューモデル」だ。
  • 高感度画質は2段ぶんの改善があるとされるが、実際に使ってみたら、ノイズ感の抑え込みより巧みなノイズリダクション処理による解像感の維持に多大なる価値を見いだすことになっている。ワンサイズ上のセンサーサイズをも凌駕しそうな「上質な高感度画質」の獲得は、新たなイメージセンサーの素性のみならず、画像処理エンジンの大幅な処理能力向上によるところも大きいのだろう。
  • AFの実力向上は複数の要素で感じられる。これまで苦手としていた「C-AF+測距点全点自動選択(ALL)」での動体追従もソツなくこなすようになっている。
  • 電子シャッターの「歪まない」度合いは、「Z」や「α」の上位モデルには届かずも「EOS R5」や「EOS R6」は凌駕。ざっくりした印象では、「EOS R3」と近似の使い勝手を有しているようにも感じた。要するに普通のモノを撮るのであれば、電子シャッターの使用に躊躇する必要はないということ。
  • OM-1にも気になるところはある。例えば、モデルチェンジのたびに形状や大きさや向きが変わってきているFnレバーの使用感。OM-1のそれは、私個人にとっては、歴代で最も扱いにくい仕上がりだ。

・「OM-1」レビュー後編 唐突に顔を出す"天才の気まぐれ"的な挙動とは?

  • (OM-1のAFで)全面を対象とした測距点自動選択(ALL)時、画角の端っこギリギリの測距点でピントを拾うことが少なくない制御は、仮にそこに至近の物体が存在するにせよ、あまり現実的な動作ではないように感じている。
  • C-AF+多点測距時のAF精度に不安を覚えることもあった。OM-1は測距点1点選択の「シングル」を除く「スモール」「クロス」「ミドル」「ラージ」「オール」のいずれにおいても複数の測距点が入れ替わり立ち替わり測距を行っているとき、何かの拍子に微妙にピントを外し続けることがあるのだ。これは、街中でクルマなどの人工物を被写体にしているときに遭遇することの多かった事象で、撮影時にEVFで気づくのは困難な程度の微妙なピンボケだ。しかし、一連の連写の全コマがこの「微ボケ」に襲われることがあるなど、ハマると結構ヤバい挙動である。

 

OM-1はE-M1 Mark IIIから高感度画質やAF、連写、電子シャッターなどあらゆる方面で大幅に進化しているようで、非常にインパクトのあるカメラに仕上がっているという印象です。

まだ発売直後でファームウェアがこなれていないためか、AFの挙動は少し不安定な部分もあるようですが、これらの問題はファームウェアのアップデートで解消されていく可能性が高そうですね。