キヤノンが、フルサイズミラーレス用の超広角ズームの実施例を含む、小型の広角ズームで収差を抑えるための技術の特許を出願しています。
- 出願人:キヤノン株式会社
公開番号:P2022065512
出願番号:P 2020174139
公開日:2022-04-27
発明の名称: ズームレンズおよび撮像装置 - 【課題】小型で広角のズームレンズにおいて変倍時の収差変動を抑制する。
- 広角のズームレンズとして、最も物体側の第1レンズ群を移動させて変倍を行うズームレンズが特許文献1や特許文献2にて開示されている。
- しかしながら、特許文献1、2に開示されたズームレンズでは、バックフォーカスが長いことにより第1レンズ群が大径化し、変倍時に移動させる第1レンズ群の重量が大きくなる。しかも広角レンズでは大口径レンズを複数枚用いて広角化と歪曲収差補正を行うため、第1レンズ群の重量が増加する傾向にある。この結果、第1レンズ群の移動時の偏心による収差の増加を抑制することが難しくなる。
- 本発明によれば、広角でありながらも変倍時の収差変動を抑制できる小型のズームレンズを提供する。
- 実施例1(9-18mm F4)
焦点距離 9.28 13.05 17.45
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(°) 64.01 58.13 51.11
像高 19.04 20.99 21.64
レンズ全長 130.93 130.93 130.93
バックフォーカス 16.86 14.84 24.07
- 実施例2(11-24mm F4)
焦点距離 11.33 16.1 23.42
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(°) 59.84 52.13 42.73
像高 19.5 20.7 21.64
レンズ全長 154.86 154.86 154.86
バックフォーカス 22 17.55 25.32
- 実施例3(10-20mm F4)
焦点距離 10.3 14.81 20
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(°) 62.16 54.43 47.25
像高 19.5 20.7 21.64
レンズ全長 126.84 126.84 126.84
バックフォーカス 20.24 18.24 32.59
- 実施例4(10-20mm F4)焦点距離 10.3 14.8 20
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(°) 62.16 54.44 47.25
像高 19.5 20.7 21.64
レンズ全長 129.57 129.57 129.57
バックフォーカス 20 16.89 18.38
キヤノンのRFレンズでは、現在、広角端14mmまでの広角ズームしか製品化されていませんが、実施例のような広角端が9mm~11mm程度の超広角ズームもいずれ登場するかもしれませんね。
実施例のレンズはフルサイズには広角側の像高が足りていませんが、縦収差図では広角側で強い歪曲が残っているので、歪曲補正で隅を切り取ることが前提のレンズのようです。ただ、その分スペックの割りにコンパクトなレンズ(9-18mm F4がフランジバック分を除くと全長約11.1cm)になっているようですね。
j.kono
むむ、ついにEF 11-24の後継レンズが見えて
来たので、11mm側の描写がどれだけ進化
するか、商品化が待ち遠しいですね