キヤノン「EOS R7」はこのクラスでは類を見ないAF性能だが現時点ではまだ不完全

PetaPixelに、キヤノンのAPS-Cミラーレス機「EOS R7」のインプレが掲載されています。

Canon EOS R7 First Impressions: The Performance King of APS-C

  • R7は肩液晶が無く、デザイン的には90Dの後継とはいえないが、背面にジョイスティックとその周囲の電子ダイヤルの魅力的なコンボを搭載している。電子ダイヤルが2つなのは、シャッター、絞り、ISOをフルマニュアルで撮影する私には辛い点の1つだ。
  • R10のインプレでも述べたが、R7のボディ形状はコンパクトすぎるのが問題で、数時間の撮影でグリップを握った手とレンズがこすれて水ぶくれができた。私は手は大きくはないが、グリップの高さが無いため、狭いスペースに上手く指を入れられない。
  • R7は90Dと同等の防塵防滴性能で、OM-1ほど厳密な構造ではないが、R10よりは優れている。R7は電源を切った時にメカシャッターが閉じてセンサーが保護されるので、センサーへのホコリの侵入を防ぐことができる。

  • 画質は、これまで見たAPS-Cセンサーのカメラの中で最高のものだ。色再現は美しく、ダイナミックレンジにも余裕があり、ISO性能もセンサーサイズを考えれば決して悪くない。
  • 高感度ノイズは、ISO1000を超える中程度の感度でも上手く抑えられており、ISO3200付近からディテールが失われ始める。この高感度性能は以前に所有していた7D Mark II よりも大幅に改善されている。
  • 手ブレ補正はレンズ内補正との組み合わせで最大7段分の効果で、RF100-500mmと組み合わせて換算800mmでの手持ち撮影でも比較的安定していた。
  • EOS R7の新機能の1つは、手ブレ補正を利用した自動水平補正で、スチルでも動画でも利用できる。この機能は実写で上手く機能したが、それほど大きな効果は感じなかった。

  • 連写はメカシャッターで15コマ/秒、電子シャッターで30コマ/秒だ。キヤノンの担当者によると、メカシャッターの最高速の連写時に他社機のようにファインダーの表示が遅くなったり、圧縮RAWしか使えなくなるなどの制限はないということで、これは素晴らしいニュースだ。
  • 電子シャッターはローリングシャッター効果で、速く動く被写体は歪んでしまうので注意が必要だ。
  • 連写時は高速なSDカードを使うとより快適になる。例えば、30コマ/秒の連写の場合、299MB/秒のソニーのSDカードではJPEG+RAWで61コマ撮影できるが、Delkinの250MB/秒のSDカードでは55コマしか撮れなかった。バッファクリアに至ってはソニーのSDカードが8.5秒、Delkinが25秒で、Delkinはとんでもなく書き込みに時間がかかっている。

  • AFはR3の機能を受け継いでいる。R7は積層型センサーではないのでR3と同じ速度は出ないが、AFの核心部分は類似している。被写体認識追尾は、画面内に被写体があればカメラが被写体を拾い、すぐにAFできるというもので、フォーカスエリアを選択し被写体上にフォーカスポイントを移動してカメラに何を追えばいいのか伝える必要はない。このAFは半年間使用してきたR3で完全にゲームチェンジャーとなった機能で、これはR7でもそのまま言えることだ。
  • とは言え、R7のAFはR3ほど鉄壁の信頼性はなく、ファインダーで被写体を追尾していてもピントを外していることがある。AFの的中率は1500ドルのカメラとしては他に類を見ないものだが、初期のハンズオンの段階では不完全さが目に付く。
  • EOS R7の極めてコンパクトなボディには感銘を受けた。R7は、動体撮影のためのメカシャッターによる高速連写と優れた画質を備えており、プロのスキルを持ったフォトグラファーが、画素数を維持しながら更に望遠を伸ばすためのセカンドカメラとして検討するのに十分な内容だ。

 

EOS R7はこのクラスのAPS-C機ではAFも画質も一歩先を言っているようですが、まだAFに不完全な面もあるようなので、製品版では更なる改善を期待したいところですね。

連写はクラストップの速さですが、電子シャッターのスキャンはあまり速くないようなので、動体はメカシャッターでの撮影が中心になりそうです。また、グリップとレンズの間隔の狭さはR10と同様のようで、太いレンズを使いたい人はホールディングを確認した方がよさそうですね。