ソニー「FE 14mm F1.8 GM」は欠点はあるが並外れた性能のレンズ

OpticalLimitsに、ソニーの大口径超広角単焦点レンズ「FE 14mm F1.8 GM(SEL14F18GM)」のレビューが掲載されています。

Sony FE 14mm f/1.8 GM (SEL14F18GM) - Review / Test Report

  • FE14mm F1.8 GMの価格は1600ドルと安価ではないが、この種のレンズとしては驚くほど手頃な価格だ。
  • 鏡筒は軽量な素材だが防塵防滴で、造りは非常に頑丈に感じる。プロの使用に耐えるクオリティだ。
  • 絞りリングはクリック感がなく、動画撮影に便利だ。
  • AFは2個のXDリニアモーターで駆動され、速く静かだ。フォーカスリングは電子式だが非常に素晴らしい出来だ。
  • 手ブレ補正は内蔵されていないが、このクラスのレンズでは偏芯を抑えることが重要なので、手ブレ補正は期待しない方がよい。

  • 歪曲は未補正でわずか1.5%で、これはこの種のレンズとしては非常に小さい。自動補正を有効にすると画質への影響は最小限に歪曲を除去することができる。
  • 周辺光量落ちは開放では3.4EVと非常に大きく、F2.8では2EVまで改善する。自動補正を有効にすると周辺光量落ちは開放で1.7EV、F2.8では0.8EVと許容範囲内になるが、周辺部のノイズは補正量に応じて増加する。
  • 解像力は良い部分と悪い部分がある。中央の解像力は開放から息を呑むほどの高さで、テストに使用した4200万画素センサーの解像力を余裕で超えている。周辺部は開放では良い(good)のレベルで、顕著な解像力の低下が見られるが、F5.6まで絞ると良い(good)~とても良い(very good)の値になる。グラフは中央の値が高すぎるため、周辺や隅が平凡な値に見えていることに注意が必要だ。また、解像力チャートはかなり近距離で撮影されていることにも注意してほしい。無限遠では、周辺部や隅の解像力が少し良くなることが期待できる。像面の湾曲は中程度のレベルで目に付く。

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  • 倍率色収差は平均で1.3ピクセルで、まずまず良く補正されている。
  • ボケは超広角レンズではテストが難しいが、実写では非常に好ましいボケ味だと言っていいだろう。広角レンズはボケがうるさくなりがちだが、このレンズではそのようなことはなく、背景のボケは滑らかで、玉ボケも良好だ。
  • 光芒はF5.6から現れ始め、最良の結果を得るにはF11まで絞る必要がある。絞り羽根が9枚なので18の光条が見られる。
  • 超広角レンズはフレアやゴーストが出やすいが、このレンズの逆光耐性はとても良好だ。太陽を入れたサンプルではわずかにゴーストが見られるが非常によく抑えられており、高いコントラストが維持されている。ただし、絞り込むとゴーストは増える。

  • 競合するレンズにはサムヤン14mm F2.8 FEがあり、このレンズがはかなり安価だが、基本的に全ての面でソニーに劣っている。しかし、中程度まで絞ればソニーに近い性能になる。
  • FE 14mm F1.8 GMは欠点はあるものの、このクラスでは並外れた性能のレンズだ。中央の解像力は息を呑むほどで、隅は非常にシャープではないものの開放から良好だ。歪曲はRAWでも少なく、逆光耐性も普通よりも優れている。このレンズは軽量コンパクトで造りも非常に良く、価格もリーズナブルだ。大いに推薦する。

 

FE 14mm F1.8 GMは大口径の超広角レンズにもかかわらず、このコンパクトなサイズはすごいですね。解像力チャートは、中央の解像力が高すぎるので周辺が低く見えますが、F1.8の超広角で開放から隅がgoodに達しているので十分な性能と言ってよさそうです。

実写では周辺までシャープで、解像力チャートの印象以上に良く写るレンズという印象です。前玉が突出しているのにもかかわらず逆光耐性が優れているのもポイントが高いですね。