ソニー「FE PZ 16-35mm F4 G」は旧型の「T* FE16-35mm F4 ZA OSS」より全ての面で優れている

Sony Alpha Blogに、ソニーのパワーズームを採用した広角ズーム「FE PZ 16-35mm F4 G」のレビューが掲載されています。

Sony PZ 16-35mm F4 G

  • 新型のFE PZ 16-35mm F4 Gは、特に動画に向いた設計で、3つのリングと非常に多くのコントロールボタンをこれほど小型軽量の鏡筒に収めたのは驚くべきことだ。
  • ズーミングでレンズは伸びず、ジンバル搭載やブイログで非常に便利だ。スチルの撮影ではズームリングが広角端と望遠端で止まらず、広角端と望遠端に素早くズームするための焦点距離の表示もないのは欠点だ。
  • AFはスチルでも動画でも非常に速く正確で、連写では95%の素晴らしい的中率だった。瞳AFとトラッキングは完璧に動作した。このレンズはα1の30コマ/秒の連写に対応している。

  • 解像力テストは6100万画素のα7R IVで行った。中央の解像力はF4で素晴らしい値~際立った値だ。隅は少し劣り、良い~とても良い値だ。解像力がベストの焦点距離は35mmだ。解像力は、このような小型軽量のレンズとしては素晴らしいものだ。

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  • 遠景の解像力は中央は開放から素晴らしく、絞っても改善はわずかだ。隅は16mmでは開放から良好で絞るととても良好になる。35mmではとても良好~素晴らしい解像力だ。
  • ポートレートでは極めてシャープ(シャープすぎるかもしれない!)で、色再現は非常によく、コントラストも素晴らしい。
  • 歪曲は16mmでは極めて大きく、電子補正に頼っているのは明らかだ。35mmでは歪曲は穏やかだが、それでもなお目に見える。
  • 周辺光量落ちは16mmではかなり目立つが、35mmでは目立たない。
  • 色収差は非常に少ない。

  • フレア耐性はとても優れており、多くの状況でフレアは見られないが、極めて厳しい状況ではフレアを出すことはできた。
  • F16-F22に絞ると素敵な光芒が得られる。
  • 玉ボケは素晴らしく、F8まで完全な円形だ。後ボケは近距離ではソフトだが、遠距離ではうるさくなる。
  • 色乗りは非常によく、色再現は良好だ。コントラストも高く、風景や建築写真にはパーフェクトだ。

  • 動画では、パワーズームは非常に滑らかで、シューティンググリップからもズームを制御できる。ズーミングしても鏡筒は伸びずバランスは完璧だ。クリックレスにできる絞りリングも素晴らしい。
  • 動画では、フォーカスリングはリニアに動きレスポンスは非常によい。フォーカスブリージングは非常に少ない。このレンズはパーフォーカルで、ズーミングしてもピント位置は維持されている。動画には最高のレンズだ。

  • 旧型のT*FE 16-35mm F4 ZA OSSとの解像力の比較では月とスッポンで、FE PZ 16-35mm F4 Gの方が遥かに優れている。
  • FE 16-35mm F2.8 GMとの解像力の比較では、中央はほぼ同等だが、隅は、GMは素晴らしい値に達しているが、FE PZはとても良好な値にしかならない。
  • タムロン17-28mm F2.8 Di III RXDとの比較では全体的にFE PZが少し良好だ。

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  • 後ボケの比較では、後ボケはどのレンズも少々うるさくよく似た結果だが、F2.8のレンズは開放時のボケが大きい。
  • 玉ボケの比較では、旧型のZAが最も絞りの形が見え、PZの方が良好で、GMが最も良好だ。
  • 色再現はPZがGMよりも鮮やかでコントラストが高くベストだ。
  • 歪曲の比較ではPZが最も悪い(特に16mmでは)。周辺光量落ちの比較ではどのレンズも同程度だ。逆光耐性と色収差の比較ではPZが最も優れている。
  • 動画ではFE PZ 16-35mm F4Gは全体にとても優れている。スチルでは、ボディが50MPや61MP機の場合は、周辺部の画質でFE 16-35mm F2.8 GMがわずかにリードしている。

  • このレンズは鏡筒の造りが優れていて、非常に軽量コンパクトで優れたエルゴノミクスを備えており、光学性能も素晴らしい。動画での使い勝手は素晴らしく、シューティンググリップでズームが可能なのでブイロクに特に便利だ。
  • FE16-35mm F2.8 GMと比べると隅は若干劣るが、T*FE16-35mm F4 ZAと比べると全ての面で優れている。また、タムロン17-28mm F2.8 Di III RXDよりもシャープでAFが速く、ボケもエルゴノミクスも優れている。
  • 風景や建築写真ではFE 16-35mm F2.8 GMが隅の画質で優っているが、他の全ての用途ではFE PZ 16-35mm F4 Gを推奨する。

  • 良い点:素晴らしい中央の解像力、とても良好な隅の解像力、動画撮影時のエルゴノミクス、フォーカスブリージングが非常に少ない、パーフォーカル仕様、軽量コンパクトでジンバル搭載に最適、素晴らしい色再現・コントラスト、とても良好なフレア耐性、とても良好な玉ボケ、防塵防滴、素晴らしい造り、色収差が少ない、優れたAF。
  • 平均的な点:価格、後ボケが少しうるさい、ズームリングが両端で止まらず焦点距離の記載もない。
  • 悪い点:16mmの歪曲と周辺光量落ち。

 

新しいFE PZ 16-35mm F4 Gは軽量コンパクト化しているにもかかわらず、光学性能が旧型のZAよりも大幅に改善しているのは見事ですね。

パワーズームは動画撮影では非常に便利そうで、シューティンググリップと組み合わせれば、操作性に優れた動画システムが構築できそうです。ただ、スチルではズームリングが機械式のものと比べると少々使いにくそうなのが気になるところです。