天体写真にベストのカメラは?

LIVE SCIENCEに、2022年現在の現行機で天体写真に推奨できるカメラについて述べられています。

Best astrophotography cameras 2022

  • 1. キヤノンEOS Ra:天体写真専用のカメラはEOS 60DaやD810aなどいくつか存在していたが、現在販売されているのは、このEOS Raのみだ。このカメラはα線の感度が4倍あり、深紅の星雲を鮮明に写すことができる。モニタの倍率は多くのカメラは10倍が限界だが、Raは30倍で拡大表示が可能で、(ピントを追い込んで)星をシャープに写すことができる。

  • 2. ソニーα7S III:ネイティブでISO80-102400という驚くべきISO範囲とデュアルネイティブISOのおかげで、暗視カメラに近い性能を持っている。主に動画用に設計されたカメラなので、究極の天体動画用のカメラになっている。センサーは1200万画素なので高感度には強いが、印刷する場合にはディテールに乏しくなる。また、非常にシャープな広角レンズで動画を撮ると星が消えてしまう「スターイーター」現象が時折現れる。モニタの倍率が最大4倍と低く、目が良くないとピント合わせに苦労するかもしれない。

  • 3. ペンタックスK-1 Mark II:最も万能の天体カメラと言えるかもしれない。内蔵GPSと手ブレ補正機能を使って星の動きを補正するアストロトレーサーは、星を動かさずに長時間の露光ができる。また、液晶を赤く表示して暗い場所に最適化するナイトビジョンモードや、液晶下側とマウント部を照らす照明(夜間のレンズ交換用)も搭載され、天体撮影に最適なカメラに仕上がっている。

  • 4. ニコンD850:リストの他のカメラとは異なり天体撮影に特化した機能は搭載されていないが、ノイズが少なく低照度撮影に適しており、総合的な画質が優れている。また、長時間露光時にファインダーから入る光を遮断するアイピースシャッターを備えている。ボタンに照明機能があるのは暗所で操作がしやすいので歓迎されるが、照明は左側のボタンのみなので全てのボタンに照明が欲しいところだ。

  • 5. オリンパスOM-D E-M1 Mark III:独自のアルゴリズムの星空AFを搭載し、小さな星にも正確にAFでピント合わせができる。強力な手ブレ補正が搭載されてており、広角レンズ使用時には手持ちで天体撮影が可能だ。また、ライブタイムやライブコンポジットで光跡を簡単に撮影できる。USB電源からの撮影中の充電も可能だ。センサーは小さいが、大きさ重さコストを考えると、強力な選択肢となるカメラだ。

  • 6. ソニーα7 III:D850同様にα7 IIIは天体用のカメラではないが、高感度のレンジが広く、星の撮影には非常に優れたカメラだ。USB電源が使用できるので一晩中の長時間露光でも問題はない。しかし、このカメラにはソニー特有に癖があり、長時間露光時の強いノイズリダクションにより星が消えてしまう(スターイーター現象)ことがある。以前のソニー製カメラほど、この現象は酷くはないが、時折この現象が出る。また、そのほかにモニタがチルト式で、タッチ機能が制限されており、解像度も低いことが問題としてあげられる。

 

天体撮影用に推奨する機種として、レンズ交換式カメラは6機種が挙げられていますが、現行機種から選ぶとしたら妥当なところでしょうかね。

EOS Raは、無改造で赤い星雲を綺麗に撮りたければこれ一択と言ってよさそうです。高感度に強いα7S IIIは、特に長時間露光ができない動画で威力を発揮しそうですね。また、アストロトレーサーが使用可能なK-1 Mark II は、赤道儀なしのお手軽な天体撮影で威力を発揮そうです。

現在、天体専用モデルはRaのみということですが、天体撮影ではIRカットフィルターを改造して撮影している人も多いようなので、既製品にはそれほど需要がないのかもしれませんね。今後、天体用カメラが一番期待できそうなのは、アンケートでK-70の天体用モデルについて調査していたペンタックスでしょうか。