キヤノンの被写体を検出し状況に合わせて自動的にズームする機能の特許

キヤノンが、被写体を検出し自動的にズームする機能に関する技術の特許を取得しています。

IP Force

  • 特許権者:キヤノン株式会社
    特許:7073550
    公開番号:P2021078154
    出願番号:P 2021020239
    登録日:2022-05-13
    発行日:2022-05-23
    発明の名称: 光学系及びそれを有する撮像装置

  • 本発明は、画像から被写体像を検出してズーム倍率を制御する技術に関するものである。
  • 被写体の検出情報に応じて自動でズーム倍率を変更するオートズーム(自動変倍)機能がある。
  • 特許文献1では、オートズーム機能において「顔アップ」、「バストアップ」、「全身」といった複数の選択肢の中から撮影者が構図を選択する方法が開示されている。被写体像の大きさを維持するオートズーム制御では、選択された構図に基づいて、ズーム制御の基準となる被写体像の大きさが決定される。
  • しかしながら、特許文献1では、オートズーム機能にて撮影者が撮影したい構図をあらかじめ選択しておく必要がある。そのため、撮影シーンや被写体の状態(動きや数等)が変わるごとに撮影者が設定変更の操作を行う必要がある。また、撮影するシーンに対して構図の設定が適切でない場合、適切な大きさで被写体を撮影できない可能性がある。
  • 上記課題に鑑みて、本発明は、撮影者が構図を選択することなく、被写体の検出情報に基づき判定したシーンに適した構図でオートズーム制御を行うことを目的とする。

  • 被写体(物体)の画面外へのフレームアウトを防止する処理の説明図。

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  • 被写体(人物)の画面外へのフレームアウトを防止する処理の説明図。

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  • 被写体(人物)の画面内でのサイズ変化を防止する処理の説明図。

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  • 被写体が人物の場合の構図設定を説明する図

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  • 最周辺の被写体位置と画面サイズとを示す図

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キヤノンの特許は、撮影者が設定をしなくてもカメラが自動的に被写体や周囲の状況を判断して、ズームで適切な焦点距離を設定してくれるという機能で、パワーズームを搭載しているカメラならコンパクトでもレンズ交換式でも適用できそうです。

ある程度写真の経験がある人には不要な機能かもしれませんが、状況別に写真の構図を学習させたAIと組み合わせれば、意外によい結果が得られる可能性があるかもしれませんね。