キヤノン「RF 100-400mm F5.6-8 IS USM」は安価なレンズだがズーム全域で良好な性能

ePHOTOzineに、キヤノンの軽量コンパクトで安価な超望遠ズーム「RF 100-400mm F5.6-8 IS USM」のレビューが掲載されています。

Canon RF 100-400mm F/5.6-8 IS USM Lens Review

  • 焦点距離が300mmを超えると高価になるレンズが多い中、このレンズでは手頃な価格で400mmまで焦点距離を伸ばすことができ、より多くの野生動物やスポーツなどの被写体の撮影ができるようになった。
  • このレンズの重さは635g、全長は164.7mmと軽量コンパパクトで、長時間の持ち運びにも便利なレンズだ。フードはバヨネット式だが残念ながらオプションだ。
  • フォーカスリングは電子式で非常に滑らかに動く。最短撮影距離は焦点距離によって異なる(100mmで1.2m・0.09倍、400mmで1.05m・0.41倍)。フォーカスリングはAF時でも有効でフルタイムマニュアルフォーカスが可能だ。
  • ズームリングはとても滑らかな動きだ。望遠側にズームするとレンズは伸びるが、パランスは崩れない。
  • 100mmでズームをロックするロックスイッチがあるが、新品のレンズではズームの自重落下は見られない。

  • ナノUSMによるAFはほとんど作動音は無く、非常に速く確実に合焦する。
  • このレンズは非常に軽量コンパクトで、とても簡単に使える。野生動物、スポーツ、人物、花などあらゆる撮影に対応できる。背景をボカすのも容易だ。
  • 残念なのは防塵防滴や前玉のフッ素コーティングなどのいくつかの役立つ機能が欠けていることだが、これらが無くてもこのレンズはエルゴノミクス的に上手く造られた使いやすいレンズだ。

  • 100mm解像力は中央はF5.6とF8で際立った値(outstanding)で、F11からF22まで素晴らしい値(excellent)だ。隅はF5.6ではとても良好な値(very good)、F8からF16では素晴らしい値(excellent)、F22ではとても良好な値だ(very good)。

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  • 200mm解像力は中央はF7.1からF22で素晴らしい値(excellent)だ。隅はF7.1でとても良好な値(very good)、F8からF16で素晴らしい値(excellent)、F22ではとても良好な値だ(very good)。

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  • 300mm解像力は中央はF8からF16で素晴らしい値(excellent)、F22でとても良好な値(very good)だ。隅はF8からF22でとても良好な値(very good)だ。

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  • 400mm解像力は中央はF8からF16でとても良好な値(very good)、F22で良好な値(good)だ。隅はF8からF16でとても良好な値(very good)、F22で良好な値(good)だ。

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  • このレンズの画質はズーム全域で良好に維持されており、望遠側にズームすると若干低下するものの、400mmでも依然としてとても良好だ。最小絞りとその1つ手前の絞りは使用する機会が少ないので、絞り込んだ時の解像力の低下はあまり気にならないだろう。

  • 倍率色収差は自動補正を無効にして計測した。色収差は、中央も隅もズーム全域で実に低い値だ。これは素晴らしい性能で、実写では色ズレの兆候は見られないだろう。
  • 歪曲も自動補正を無効にして計測したが、歪曲は100mmで+1.74%、200mmで+1.98%、300mmで+1.78%、400mmで+1.57%の糸巻き型で、ズームレンズとしては理に適った大きさだ。
  • ボケはとても滑らかで、ポートレートや花の撮影では期待通りのボケが得られる。
  • フレアは大部分の撮影では問題ないが、非常に厳しい逆光ではコントラストが低下し、フレアやゴーストが発生することがある。しかし、通常の撮影では問題はない。
  • 周辺光量落ちは100mm開放で-1.5EV、400mm開放で-0.9EVと素晴らしく低い値で、隅が暗くなる兆候はほとんど見られない。
  • 手ブレ補正は公称でレンズ単体で5.5段分、IBISとの協調で6段分で、レビュアーの場合は4.5段分までは極めてシャープで、5.5段分までは小さいプリントやWebなら許容範囲内だった。

  • キヤノンRFシステムのユーザーは、遠くの被写体を引き寄せるパワーと素晴らしい接写能力を併せ持つスーパーレンズを極めて安い価格で手に入れることができる。もし、これで防塵防滴なら何も言うことはない。300mmを超えるレンズは非常に高価だったが、400mmがリーズナブルな価格で入手できるようになった。このレンズは必要な機能の大部分を備え、適切な品質と価格で、RFユーザーにとって悩む必要のないレンズだと思える。大いに推薦する。
  • 良い点:全体に素晴らしい解像力、色収差が非常に少ない、歪曲がまずまずのレベル、フレアが概ね少ない、素晴らしい効果のIS、スペックの割りに軽量コンパクト、造りが良好、周辺光量落ちが少ない、滑らかなボケ、競争力のある価格、ほぼ無音で速く正確なAF。
  • 悪い点:防塵防滴ではない、前玉にフッ素コーティングが施されていない、フードが付属しない。

 
RF100-400mm F5.6-8は400mmクラスのレンズとしては軽量コンパクトで、メーカー純正の超望遠ズームとしてはかなり安価なレンズですが、解像力はズーム全域で良好でこのクラスとしては立派な性能ですね。

収差も少なく、AFも十分な速さのようなので、非常にコストパフォーマンスの良いレンズに仕上がっているという印象です。防塵防滴やフッ素コーティングが採用されていないのは、低価格なレンズなので仕方のないところですね。