富士フイルムはレトロな操作系の「X-S10」を造って欲しい

DigitalCameraWorldのレビュアーが、富士フイルムへの要望を述べています。

Hey Fuji, where are you going with the Fujifilm X-S10

  • X-S10は素晴らしいカメラだが、他のXシリーズのカメラとは異なっている。これはXシリーズの未来なのか、それとも単なる実験機なのだろうか?

    X-S10は非常に良いカメラで、α6000やEOS Mのような色褪せたカメラに支配されているAPS-Cカメラ市場において、前向きな道標のようなカメラだ。

    しかし、このカメラは伝統的な富士フイルムXシリーズのカメラではない。シャッターダイヤルの代わりに、モードダイヤルがあり(これは冒涜だ!)、ISO感度はデジタルインターフェースかコントロールダイヤルで設定する。

    また、ほとんどのフジノンレンズには絞りリングがあるが、このカメラの設計には絞りリングはなじまない。このX-S10は、他社機と同じような普通のミラーレスカメラだ。

    X-S10は何が問題なのか? 一般的なカメラ購入者には何の問題もなく、素晴らしい操作性と性能を備えた、最新のお買い得なミラーレスカメラだ。ステップアップする初心者や、ミラーレスに乗り換えたい人に、これ以外のカメラをお勧めするのは難しいだろう。

    問題は富士フイルムのファンだ。X-S10は富士フイルムファン以外の幅広い層を取り込むように設計されており、それは、それらの人が慣れているモードダイヤルによる操作レイアウトに切り替えることを意味すると富士フイルムは述べている。

    しかし、私のように昔ながらの操作系に惹かれて富士フイルムのカメラを購入してきた人にとっては、X-S10はジレンマに陥る。X-S10はIBISとバリアングルモニタを搭載しており、Xシリーズで最も近いライバルであるX-T30IIよりも明らかに優れているが、富士フイルムらしい操作性やハンドリング、レトロな外観を持ち合わせていない。

    X-S10は外部から見れば何の問題もないカメラだが、富士フイルムに既に投資している人にとっては実に困惑するカメラだ。

    富士フイルムはバリアングルモニタとIBISはそのままに、富士フイルム独自の魅力である、シャッターダイヤルとISOダイヤルを復活させたレトロなX-S10を造って欲しい。

fujifilm_X-S10_X-T30II_dcw_001.jpg富士フイルムのカメラではX-S10以外にも、GFX100S、GFX50S IIでもモードダイヤルが搭載された一般的な操作系を採用していますが、この流れが富士フイルムの全機種に及ぶのか、一部の機種に留まるのか気になるところですね。まずは、次に登場するX-H2 / X-H2の操作系がどうなるのか注目したいところです。