DUSTIN ABBOTに、シグマのE / Lマウント用の新しい広角ズーム「16-28mm F2.8 DG DN」のレビューが掲載されています。
・Sigma 16-28mm F2.8 DG DN Review
- ライバルのタムロン17-28mm F2.8 Di III RXDと比較すると、シグマ16-28mm F2.8 DG DNは広角端が1mm広いのが明確なアドバンテージで、実写でもかなり広く写る。望遠端はどちらのレンズも同じ28mmだが、シグマの方が少し画角が狭い。
- サイズはタムロンよりシグマがわずかに大きいが、ほとんど同じだ。しかし、シグマはフードが広がっているので、フードを付けた状態ではシグマの方がかさばる。重さはタムロンの420gに対してシグマ450gとわずかに重いが、ソニーの16-35mm F2.8 GM(680g)やシグマ14-24mm F2.8 DG DN Art(795g)と比べれば大幅に軽い。
- このレンズは前面に72mmのフィルター枠があり、広角ズームでねじ込みフィルターが使えるのは大歓迎だ。
- 通常、Contemporaryシリーズは造りの面ではSports、Artよりも下だが、このレンズの造りはとてもしっかりしていて、タムロン17-28mm F2.8と同程度だ。しかし、シーリングはシグマはマウント部分だけだが、タムロンは複数のシーリングが施されている。手に持った感触はわずかにシグマが心地よく感じる。
- このレンズはインナーズームで、ズーミングやフォーカシングでレンズの長さは変わらない。これは耐候性の面で有利で、ズームロックも不要になる。
- ズームリングはインナーズームでのみ実現できる滑らかさだ。ズームの回転方向は残念ながらソニーとは逆方向だ。
- フォーカスリングは電子式で、従来の機械式のフォーカスリングの感触を上手く再現している。
- AFはステッピングモーターで速く正確で静かだ。AFの迷いはほとんど見られず、フォーカスブリージングも非常に小さい。瞳AFも良好に機能した。シグマの望遠レンズのAFはソニー製レンズほど速くないが、汎用のレンズはソニー純正とほぼ同等のAF性能を持っている。
- 光学系は高画素機でも鮮明な画像が得られる。軸上色収差は適切に抑えられ、ボケに色付きはほとんど見られない。また、画面の隅付近の倍率色収差もほとんど見られない。
- 歪曲は広角端ではタル型で非常に大きく、残念ながら複雑な形状なので、手動で綺麗に補正するのは困難だ。周辺光量落ちも16mmでは非常に強く、補正なしでは開放で非常に目立つ。補正プロファイルを使えば、歪曲も周辺光量落ちも適切に補正されるが、画質が多少低下することに注意して欲しい。歪曲と周辺光量落ちはタムロンの方が少ない。
- 解像力は16mm開放で中央は並外れて優れており、隅も非常に良好だ。ここではタムロンとほぼ互角だ。絞ると中央の改善は最小限だが、周辺と隅は改善し素晴らしい解像力になる。
- 20mmでは解像力は16mmよりも少し低下し、隅までシャープな結果を得るにはF5.6程度まで絞ることを勧める。
- 24mmは隅の性能が高くなり、より均一な性能になる。28mmでも同様で、開放から優れた結果が得られ絞ると更に良好になる。
- 実写の風景では14-24mm F2.8 DG DN Artほど「ワオ!」とならなかった。
- ボケ味はこの種のレンズで良いことはめったいにないが、このレンズも例外ではなく、実写ではかなり背景がうるさく、ボケが好みな画像は見当たらなかった。
- 逆光耐性は概ね良好だが、いくつか問題点もあり、画面の端に太陽があるとコントラストが低下し、絞ると非常に長い光条がでる。このレンズは構図に注意することで、フレアの出方に大きな違いが生じる。
- シグマの広角レンズの発色には満足行くことが多いが、このレンズも発色は豊かで正確に見える。
- 16-28mm F2.8 DG DNは比較的コンパクトで、鏡筒の造りは優れており、AFは優秀だ。歪曲と周辺光量落ちの大きさを除けば光学性能もしっかりとしている。光学的には14-24mm F2.8 DG DNの方が優れているが、16-28mm F2.8は安価で軽量でフロントフィルターが使用できるので、より使い勝手に優れている。軽快に旅行したいなら16-28mm F2.8 DG DNが適切かもしれない。
- 良い点:軽量コンパクトで優れた造り、マウント部のシーリングとインナーズーム、ライバルのタムロン17-28mmよりズーム域が広い、速く静かなAF、滑らかで静かな動画AF、接写性能、優れたフレア耐性、色収差の適切な補正、開放から画面全域で優れた解像力とコントラスト、500g未満の軽さ。
- 悪い点:強い周辺光量落ち(特に16mm)、広角端の複雑な形のタル型の歪曲、望遠端の強い糸巻き型の歪曲、ソニーと逆のズームリングの回転方向。
16-28mm F2.8 DG DN はF2.8通しの軽量コンパクトなレンズとしてはなかなか優秀で満足行く性能という印象です。光学性能は14-24mm F2.8 DG DNには及ばないようですが、フロントフィルターが使えることと、小ささ軽さは16-28mm F2.8の大きなアドバンテージですね。
ライバルのタムロン17-28mm F2.8と比べると、広角端の1mmの違いが実写では結構大きいと感じます。
欠点としては素の状態の歪曲と周辺光量落ちが挙げられていますが、Contemporaryは電子補正前提の光学系なので、これは割り切りが必要ですね。
サビ猫
少しくらい高くなってもいいのでズームリングの回転方向は純正と揃えて欲しいです。逆方向だと自分はそれだけで購入対象から外れます。
ソニー使い
星景撮りには
ちょっと躊躇する光学性能ですね…
フィルター装着可能な
16-28mm F2.8 DG DN Artを熱望します。
さいたまじん
光学性能で出目金の14-24ARTに勝てないのは当然ですよね。
そのかわりにコンパクトでフィルター付けられるのがこのレンズのメリットなわけで。
中本
なんでズームリングとピントリングの位置とか回転方向って全メーカー統一出来ないのでしょうか。
サードパーティーレンズはその辺面倒で単焦点しか買わないですね…。
動画勢
ソニーのビデオカメラVX1000から使っているユーザーにすれば、
なぜスチールからピント・ズームリングを時計回りにしたんだ、
と思って仕方がないです。だから、
(特にテレビ業界者の)動画勢にとってシグマはありがたい。
Birdhead
> 動画勢さん
まあソニーが自社で始めたら反時計周りにしたかも知れませんが、スチルカメラはミノルタ源流ですから変えられなかったのでしょう(想像)