キヤノンの非常にコンパクトな「28-70mm F2.8」「28-60mm F2.8」の特許

キヤノンが、フルサイズミラーレス用の「28-70mm F2.8」「28-60mm F2.8」の実施例を含む、コンパクトで高い光学性能を持つズームレンズに関する技術の特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2022091621
    出願番号:P 2020204563
    公開日:2022-06-21
    発明の名称: ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

  • 近年、撮像装置の高機能化に伴い、大口径比でありなが小型軽量なズームレンズが要求されている。
  • 近年、撮像装置の高機能化に伴い、大口径比でありなが小型軽量なズームレンズが要求されている。この要求を満足するズームレンズとして、最も物体側に負の屈折力のレンズ群を配置したネガティブリード型のズームレンズが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
  • 特許文献1のズームレンズでは、望遠端でのズームレンズの全長が長くなる。また、バックフォーカスが長く、ズームレンズの全長を短縮化することが難しい。
  • 特許文献2のズームレンズでは、望遠領域における諸収差や収差のズーム変動を抑制できず、ズーム全域にわたって良好な光学性能を満足することが困難となる。
  • 本発明は、全長が短く小型でありながら高い光学性能を有するズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。

  • 実施例1(28-70mm F2.8)
    ズーム比 2.35
    広角 中間 望遠
    焦点距離 28.84 45.38 67.90
    Fナンバー 2.91 2.91 2.91
    半画角(度) 32.68 25.49 17.67
    像高 18.50 21.64 21.64
    レンズ全長 138.42 114.99 105.42
    バックフォーカス 10.97 16.53 21.12

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  • 実施例2(28-60mm F2.8)
    ズーム比 2.08
    広角 中間 望遠
    焦点距離 28.84 47.78 60.00
    Fナンバー 2.91 2.91 2.91
    半画角(度) 32.68 24.36 19.83
    像高 18.50 21.64 21.64
    レンズ全長 132.38 112.42 106.85
    BF 13.47 21.29 23.82

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実施例のレンズは、望遠端で最も短くなったときの光学全長が28-70mm F2.8が約105mm、28-60mm F2.8が約107mmとF2.8通しの標準ズームとしていは非常にコンパクトになっています。

いずれの実施例も広角側の歪曲が極めて大きく、広角端では像高がフルサイズには足りていないので、歪曲を電子補正して周辺部を切り取って使うのが前提のレンズのようですが、これだけコンパクトになるなら納得の行くところですね。