タムロンのフルサイズ用の「90mm F2.8」「150mm F2.8」「180mm F3.5」、APS-C用の「60mm F2」のマクロレンズの特許出願

タムロンが、フルサイズミラーレス用の「90mm F2.8」「150mm F2.8」「180mm F3.5」、APS-Cミラーレス用の「60mm F2」の実施例を含む小型でフォーカシングが速く近距離でも光学性能に優れたマクロレンズの技術に関する特許を出願しています。

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  • 出願人:株式会社タムロン
    公開番号:P2022092339
    出願番号:P 2020205101
    公開日:2022-06-22
    発明の名称: 光学系及び撮像装置

  • 近年、デジタルスチルカメラ等の固体撮像素子を用いた小型の撮像装置の普及が著しい。それに伴い、光学系の高性能化、小型化が求められている。また、合焦の際における収差変動、特に、無限遠物体から近距離物体にかけての合焦時における球面収差や像面湾曲の悪化を抑制し、物体距離によらず高い光学性能を維持することが求められている。
  • 特許文献1の光学系では、いわゆるフローティング機構を有するインナーフォーカス方式によるフォーカシング方式を採用している。特許文献1に開示の光学系では、高速なフォーカシングを実現すると共に、合焦の際の収差変動を抑制し高い光学性能を得るものとしているが、各合焦群の径が比較的大きく、製品全体の小型化が十分ではない。
  • そこで、本件発明の課題は、高速なフォーカシングを実現しつつ、物体距離によらず高い光学性能を有する小型の光学系及び撮像装置を提供することである。

  • 実施例1(90mm F2.8 フルサイズ用)
    無限遠 近距離
    焦点距離 87.300 41.542
    Fナンバー 2.8840 5.7680
    半画角 13.4377 4.5124
    像高 21.633 21.633
    光学全長 133.000 133.000
    バックフォーカス 26.422

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  • 実施例3(60mm F2 APS-C用)
    無限遠 近距離
    焦点距離 61.800 72.129
    Fナンバー 2.0600 4.1487
    半画角 12.4078 3.0165
    像高 14.200 14.200
    光学全長 116.420 116.420
    バックフォーカス 13.500

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  • 実施例4(180mm F3.5 フルサイズ用)
    無限遠 近距離
    焦点距離 174.600 52.921
    Fナンバー 3.6050 7.2100
    半画角 7.0630 2.2363
    像高 21.633 21.633
    光学全長 170.000 170.000
    バックフォーカス 26.592

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  • 実施例5(150mm F2.8 フルサイズ用)
    焦点距離 145.482 107.016
    Fナンバー 2.8840 2.9906
    半画角 8.2806 6.7447
    像高 21.633 21.633
    光学全長 149.991 149.993
    バックフォーカス 21.157

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実施例のレンズは像高とバックフォーカスから、60mm F2はAPS-Cミラーレス用ですが、それ以外の実施例は全てフルサイズミラーレス用のレンズのようです。

実施例のレンズはいずれもマクロレンズではよく見かける焦点距離のレンズで、90mm F2.8は製品化されれば定番のタムキューのミラーレス版になりそうなレンズですね。150mm F2.8は以前にシグマがラインナップしていましたが、タムロンもこのクラスのマクロを考えているのでしょうか。