ソニー「E PZ 10-20mm F4 G」は動画志向のレンズでOSS非搭載は奇妙に思える

DPReviewに、ソニーのAPS-C用の広角ズーム「E PZ 10-20mm F4 G」のハンズオンが掲載されています。

Hands-on with Sony's new 10-20mm F4 PZ G lens for APS-C E-mount cameras

  • このレンズは超広角のAPS-C用ズームとしては最小のレンズで、特にスチル・動画のハイブリットシューターを意識して設計されたレンズだ。
  • 歪曲は電子的に補正されており、これによりレンズは小型軽量化されている。動画とJPEGでは歪曲は自動補正されるが、RAWでは、現像ソフトがレンズの補正プロファイルをどの程度うまく処理できるかに依存する。
  • 光学性能はズーム全域でほぼ全ての絞り値で良好な性能が得られた。望遠側にズームするにつれて、隅はよりシャープになるようだ。最短撮影距離はワイド端で13cm、テレ端で17mmと立派なもので、焦点距離や絞りにかかわらず中央はシャープだ。

  • ボケは最高に心地よいものではないが、F4の明るさと超広角の焦点距離を考えれば、これはおそらく予想通りだろう。F4の絞りでは(自撮り時に)腕の長さでは背景をボカすことはできないが、カメラを自分に向けたときに、(大口径レンズ使用時のように)鼻やまつ毛にしかピントが合っていないということはない。
  • このレンズのゴーストは、適切に光をとらえるとクリーンな円形になり、(映画監督の)マイケル・ベイのような撮影をしたい人には良いアクセントになるだろう。
  • 鏡筒にはズームレバーがあり、ブイログや自撮りで腕を伸ばしてカメラとレンズを持っているときに親指の近くの位置にレバーが来るのでとても便利だ。カスタマイズ可能なボタンもあり、ズームレバーのすぐ下にあるので、同様にアクセスしやすい。

  • このレンズは、以前にテストしたブログ志向のコンパクトカメラと比べても、最もエルゴノミクスに優れたものの1つだが、手が小さい人はそれに同意しないかもしれない。
  • インナーフォーカス、インナーズームで、バランスがあまり変わらないため、ジンバルに上手くフィットする。パワーズームは遠隔操作も可能で、ドローン搭載にも向いている。

  • E PZ 10-20mm F4 Gは動画に焦点を合わせた興味深いレンズだが、手ブレ補正非搭載は、動画志向のレンズとしては奇妙なことのように見える。特に、現行機種ではIBISを搭載したソニーのAPS-Cボディは1機種だけ(α6500もIBIS搭載だが生産を終了している)であることを考えると、このレンズはブイログで最高に快適とは言えない。このため、ソニーが新しいIBIS搭載のコンパクトなAPS-Cカメラを発売するまでは、ジンバルやスライダーに載せるのがいいだろう。
  • 手ブレ補正が無いことを克服できるなら、このレンズは汎用性の高い超広角レンズを求める、スチルフォトグラファー、ビデオカメラマン、ハイブリッドカメラマンにとって、他にはない選択肢になるだろう。このレンズは全域でシャープで、ZV-E10と組み合わせると非常にコンパクトなラン&ガン用のシステムになる。

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E PZ 10-20mm F4 Zは非常に軽量コンパクトなレンズですが、全域で十分な性能のようです。インナーズーム、インナーフォーカス、パワーズームと動画志向の強い仕様となっていますが、手ブレ補正非搭載にDPReviewは疑問を呈しています。

確かにソニーのAPS-C機はIBIS搭載機種が少なく、電子手ブレ補正はクロップしてしまうので、手ブレ補正の非搭載は少々残念なところかもしれませんね。