OpticalLimitsに、Venus Opticsの新しい倍率2倍の中望遠マクロ「LAOWA 90mm F2.8 2x Ultra Macro APO」のEOS R5との組わせによるレビューが掲載されています。
・Laowa 90mm f/2.8 2x Ultra-Macro APO - Review / Test Report
- このレンズは最大撮影倍率2倍のマクロで、電子接点が無いこともあって、価格は499ドルと手頃だ。マウントは全ての(ミラーレス用の)フルサイズのマウントに対応している。
- 鏡筒は多くのLAOWA製レンズの典型で、金属製のしっかりとした造りで品質はハイレベルだ。防塵防滴のシーリングは施されていないが、インナーフォーカスの採用でレンズは伸び縮みしない。フォーカスリングは機械式で滑らかに動く。
- このレンズはミラーレスカメラ専用設計のため非常にコンパクトで、キヤノンのRF100mm F2.8Lよりも短い。
- 歪曲は電子接点が無いので光学補正に頼るしかないが、完璧に補正されていて全く問題はない。
- 周辺光量落ちはレンズのスペックから予想した通りで、開放では1.5EVと極端に大きくはないものの目に見える大きさだ。絞ると改善するが改善は遅く、F8でもまだ0.8EVの周辺光量落ちが見られる。
- 4500万画素機での解像力は、かなり素晴らしいものだ。中央は開放で既に素晴らしい値で、周辺部は中央のレベルには達していないが良好な値だ。F4に絞るかなり大きく改善し、周辺や隅は非常に良好なレベルに達する。F5.6ではピークに達し、中央は見事で周辺部も非常に良好~素晴らしい値になる。
- テストした個体はセンタリング(調芯)に若干の問題があり、これがなければF2.8でもっと良い結果が得られただろう。像面の湾曲は極めて少なかった。
- 倍率色収差は平均1.2ピクセルで、まずまず良く補正されている。このレンズは色収差の自動補正はできないが、手動の後処理で倍率色収差を除去することは可能だ。
- 玉ボケは内部は非常に滑らかで輪郭も最小限で素晴らしい描写だが、絞ると輪郭が強くなってしまう。玉ボケの円形はF5.6まで維持されており、他の多くのレンズよりも優れている。このレンズは13枚もの絞り羽根を備えているが、これが玉ボケに確かに役に立っている。
- 通常のボケは、後ボケは輪郭が荒く理想的とは言えないが、前ボケは後ボケよりずっと滑らかだ。
- 口径食は開放の四隅で見られるが、比較的穏やかだ。F4では改善するが、隅はあまり綺麗ではなく、口径食を解消するにはF5.6まで絞る必要がある。
- 軸上色収差(ボケの色付き)は開放ではごくわずかに見られる。このテストでは絞ったときにわずかにピントが手前に移動(フォーカスシフト)しており、球面収差の補正は完全ではないことが分かる。
- このレンズは魅力的なマクロレンズで、メーカー純正レンズと同じような非常に良好な結果が得られる。解像力は開放からしっかりしており、絞ったときは見事だ。ボケは玉ボケは綺麗だが、背景のボケは少しうるさい。また、かなりフレアが出やすいので付属のフードは必須だ。球面収差は(フォーカスシフトが見られるので)極端な接写には理想的とは言えない。
- このレンズは完全なマニュアルレンズで、EXIFの記録もできないが、比較的コンパクトで、2倍の最大撮影倍率はマクロ愛好家には大きなセールスポイントだ。価格も499ドルと、アポクロマート設計を考慮すると、とてもリーズナブルだ。このレンズは万人向けではないが、このレンズを好きな人は大勢いるだろう。
LOWA 90mm F2.8は最大撮影倍率2倍の尖ったスペックのマクロですが、解像力は開放から十分に使えるレベルで絞ったときは抜群の性能ですね。後ボケのうるささや若干のフォーカスシフトなどの問題もあるようですが、この価格のレンズとしては非常に上手くまとめられているという印象です。MFでじっくりと接写をする用途なら、かなり楽しめそうですね。
クリーム茶
ラオワのレンズは電子接点があれば文句なしなんだけど。
たしか前に電子接点のついたレンズあったと思ったけど、止めちゃったんでしょうか。
はば
マクロ撮影で自動絞りが使えないのはかなりの減点だと思います。
フォーカシングが非常に難しくなりますね
お幸
> 「LAOWA 90mm F2.8 2x Ultra Macro APO」はメーカー純正レンズと同等の非常に優れた性能
キヤノンの 100mmマクロに比べると端の解像度は劣ってるように見えますね。
https://www.opticallimits.com/images/8Reviews/lenses/canon_rf100_28/mtf.png
海外のレビューサイトだと端の解像度を重要視しない結論をたまに見ますが、そういうものなんでしょうか。
xylogen
ラオウの社長は元タムロンの技術者ですからねえ。マクロレンズの質は高いと思います。電子接点さえあれば使いたいなあと思うレンズが幾つかあります、
ヒカリ
これ欲しいです
マクロなどどの道、人間が動いて
ピントを合わせるのでそういう意味で
潔い魅力的なレンズです
電子接点など余分な物がない分
お財布に優しいのもいいですね