ソニーはセンサーの新技術「Octa PD」の投入で世界シェア6割を堅持する

日経新聞に、ソニーセミコンダクタのセンサーの戦略に関する記事が掲載されています。

ソニー、新技術で画像センサー「世界シェア6割」堅持(日経新聞)

  • ソニーグループがスマートフォンのカメラなどに使われる画像センサーを一段と高機能化する。従来は難しかった明暗の対象物に同時に焦点を合わせる技術などを実現する。
  • 世界首位のシェアは米中対立に伴う顧客の喪失や、韓国サムスン電子などの追い上げで約4割まで落としている。技術を深掘りすることで2025年度に世界シェア60%という従来目標を堅持し、競合他社の追撃をかわす。
  • ソニーグループ傘下で半導体事業を担うソニーセミコンダクタソリューションズは17日、新たな「Octa PD」という技術を報道陣に公開した。明るい場所や暗い場所などあらゆるシーンで高速で焦点を合わせることができる。従来はスマホのカメラでは明暗の対象物に同時に焦点を合わせるのは難しかった。

参考:ソニーの「全画素オートフォーカス(AF)」技術(ソニーセミコンダクタ)

  • 「Octa PD」は、Quad Bayer 配列のセンサーに対して「Dual PD」を掛け合せた技術。Quad Bayer の特長である「高感度」「HDR 対応」を維持しながら、全画素 AF の優れた AF 性能をも実現できる大型センサーに適した方式。
  • 特に、HDR 動作時に長露光・中露光・短露光の全ての画素で位相差が取得可能な点は Octa PD だけの特長で、被写体の明るさによらず高速な AF 動作を実現する。

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Octa PDはクアッドベイヤーセンサーに更にDual PD(キヤノンで言うところのデュアルピクセル)の技術を組み合わせた構造で、被写体の輝度にかかわらず非常に高度な位相AFが実現できるというものです。

Octa PDは既にシャープのAQUOS R7に採用されていて実用化されているので、より大型のセンサーにこの技術が採用されるのも時間の問題かもしれませんね。ソニーのセンサーの更なる位相差AFの進化が楽しみです。