役目を終えてしまった撮影テクニック

ITmediaに、「フォーカスロック」や「置きピン」のような最近使われなくなった撮影テクニックに関する記事が掲載されています。

「AFロック」に「置きピン」、役目を終えた撮影テクニックたち

  • 昔、定番中の定番だったのにいつの間にかその役目を終えてしまった撮影テクニックっていくつかあるよなと思ったのである。友人のカメラマンがSNSに「若いカメラマンがフォーカスロックを知らなかったので驚いて教えた」って話を書いてたのがきっかけだ。

  • フォーカスロックは不要になった?:当初は、特にエントリー機ともなると3から9と少ない測距点しかなかった。しかも、たくさん測距点があっても「一番高性能なのは中央の1点」だったので、できれば中央のAFセンサーで合わせたい。そこでまず主要被写体を中心に持ってきて、そこでフォーカス位置が固定して撮影するのが当たり前になった。
  • そんなAFロックが使われなくなっていった一番の理由はミラーレス一眼の誕生だろう。ミラーレス一眼のAF上のメリットは画面上のどこにでもピントを合わせられること。ファインダーを覗いたまま任意の位置にAFポイントを置けることでいちいち中央で合わせる必要もなくなったのである。
  • 被写体の自動検出もミラーレス一眼の進化点。2005年にニコンの「COOLPIX」シリーズで初搭載された顔検出AFもあっという間に当たり前になり、その後、各社が競うようにAI技術を用いた被写体の自動検出の技術を進化させ、いろんな被写体を自動的に認識するようになった。かくして、ファインダーの中央でAFロックして構図を決めて撮影するというAFロック技は少しずつ使われなくなっていった。

  • 置きピンはどうなった?:昔、走ってくる動物とか列車とかを撮るとき「置きピン」という技がよく使われた。コンパクトデジカメの時代や当初のミラーレス一眼はAF速度があまり速くなく、AF-Cで被写体を追い続けるのが困難だったのである。そこで推奨されたのが「置きピン」。これももう使う人が減ってる技だなあと思う。今のミラーレス一眼はコンティニアスAFでも十分使える。さらに前述した被写体認識と組み合わせれば被写体を追い続けてくれるので、置きピンの必要がなくなった。
  • 技術の進歩によって、昔は必須だった撮影テクニックも、知らなくてもいいけど知ってると便利なことあるよ、的なものになっていくのだろうなあと思うとデジカメの進化を見てきている身として大変感慨深い。

 

確かにカメラの進化に伴って使わなくなったテクニックは結構ありますね。フォーカスロックで構図を変えて撮影するのは一眼レフでは普通のテクニックでしたが、画面全域でAF可能なミラーレスだと使う頻度は少ないかもしれません。そういえば「コサイン誤差」という言葉もあまり聞かなくなりましたね。

動体の置きピン撮影は、フィルムカメラに動体予測AFが搭載された頃から使用頻度が減っていましたが、黎明期のデジカメではこのテクニックが復活していたんですね。今はAFが飛躍的に進化しているので、特殊な撮影以外では、確かに置きピンは必要ないかもしれません。