一眼レフ市場の急速な縮小を主導したのはニコンだった

BCN+Rに、一眼レフカメラの販売台数・販売金額の推移とメーカー別の販売台数シェアの推移に関する記事が掲載されています。

ついに底打ち一眼レフ、今後はニッチなカメラとして細々と延命へ

  • 一眼レフカメラの縮小が止まり始めた。販売金額前年比が100.3%を記録。丸1年ぶりにわずかながらプラスになった。販売台数は90.4%と依然前年割れのままだが、平均単価の上昇が販売金額を押しあげた。
  • 一眼レフは過去のものになりつつある。販売前年比を見ると、台数、金額とも激しい前年割れが続いている。ところが、今年の2月をボトムに、指数は徐々に改善。5月は台数が0.26、金額は0.34とわずかだが持ち直してきたことで、金額が1年ぶりに前年を上回った。

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  • 販売台数メーカーシェアでは、昨年春までキヤノンとニコンの拮抗状態が続いていた。しかし、この5月ではキヤノンの74.5%に対し、ニコンは21.4%と大きな差がついている。ニコンは昨春からエントリーモデルを中心に販売を次々と終了させたためだ。
  • トップシェアのキヤノンは極端なラインアップの絞り込みはしていない。5月の前年比は台数108.6%、金額も107.5%で堅調だ。特に売れ筋のEOS Kiss X10は販売が伸びている。

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  • ニコンは、評判の良かったD500やDfなども販売を終わらせており、ミラーレスのZシリーズに賭ける意気込みが感じられる。これから一眼レフが逆転することはまず考えられない。つまり、一眼レフ市場の急速な縮小を主動したのはニコンだった、というわけだ。一眼レフ市場は今後、ニッチなカテゴリーとして細々と続いていくことになるだろう。

 

一眼レフの販売縮小が止まり始めたと述べられていますが、販売台数が前年同月並みになったのは1ヶ月だけなので、もう少し先を見ないと、まだなんとも言えないとことかもしれません。

メーカー別の一眼レフの販売台数シェアは2021年の3月頃まではニコンとキヤノンが拮抗していましたが、その後ニコンは急落し、その分、キヤノンとリコーイメージングがシェアを伸ばしているようです。ニコンはエントリーモデルの生産を終了してシェアを追求しない戦略に転換していますが、グラフを見るとそれが明らかですね。

また、「一眼レフ市場の急速な縮小を主動したのはニコンだった」と述べられていますが、ニコンがエントリーモデルの販売を終了する前から、スマートフォンとミラーレスカメラの影響で、一眼レフ市場は急速に縮小していたので、ニコンがエントリーモデルの販売を続けていてもそれほど結果は変わらなかったような気もします。