キヤノン「EOS R10」は初心者に優しいが低照度AFと高感度ノイズがウィークポイント

ThePhoblographerに、キヤノンのAPS-Cミラーレスカメラ「EOS R10」のレビューが掲載されています。

Canon EOS R10 Review: The Rebel Killer the World Needs?

  • EOS R10の名称にはRebel(Kiss)の文字は入っていないが、このカメラは一眼レフのRebelのミラーレス版のように感じられる。一眼レフのRebelからミラーレスへの移行で多くの新技術が導入されているが、最もエキサイティングな変更点は上位モデルから受け継いだ動物瞳AFだ。
  • 操作部は初心者に優しい操作性と、本格的な趣味性を両立している。ジョイスティックや2つの電子ダイヤルは安価な一眼レフにはない機能で、歓迎されるだろう。ボディは小さいがグリップは大きく快適だ。
  • 非常に賢い瞳検出AFの採用で、人や動物の撮影ではRebel(Kiss)よりも遥かに改善されている。15コマ/秒の連写も他社の廉価モデルよりも優れている。

  • R10の画質はRebelに似て発色が良くシャープだ。低照度時の画質は、α6400やZ50の方が少し良好だ。
  • 防塵防滴は省かれているが、このクラスの他のカメラも防塵防滴ではないので、これは意外なことではない。また、R10には、センサー保護のために電源を切った時にシャッターが閉じる機構も採用されていない。
  • ボディは非常に軽量で何時間でも快適に持ち運びができる。上位モデルに比べるとプラスチッキーだが、この価格帯では感触は悪くはない。

  • AFはビギナー向けのカメラながら、人や動物の瞳をしっかりと捉えることができ、飛んでいる鳥も撮影することができた。AFシステムは非常に賢いが、野生動物の撮影ではR3のような高い的中率は得られず、明暗差が大きい場面ではピントを外すこともあった。AFはビギナー向けのカメラとしては非常に優秀だが、プロレベルのカメラほどの巧妙さはない。
  • 動体はジョギング程度の速さでは問題ないが、飛んでいる鳥のような速さではピントの甘い画像がいくつも混ざってしまう。トラッキングは被写体の向きによってしばしば顔(頭部)を見失うことがある。
  • これまでEOS Rシリーズの低照度のAF性能には感心させられてきたが、R10はそうではなく、低照度下では被写体のロックに苦戦し、ロックしたときの合焦率も低い。他のカメラと異なり、低照度下で自動的に露出のプレビューをオフにしてからAFする機能が無いので、それがAF性能に如実に現れている。露出のプレビューをOFFにすれば、暗所のAF結果は改善するが、ビギナーには設定の変更は難しいだろう。低照度での撮影をする場合は、R7がより良い選択肢だ。

  • ビギナー向けカメラとしては、ボディ内手ブレ補正があれば理想的だった。
  • 画質は発色は良好でシャープだが、高感度性能は期待したほど良好ではなかった。ISO3200は少しソフトになるが必要なら使える。ISO6400はノイズがかなり目立つので、可能ならこれ以上の感度は避けたいところだ。高感度画質はR7の方が良好で、R10は画素数は少ないので(理論上は)R7より綺麗な高感度画像が得られるはずだが、私にはそうは見えない。
  • R10のRAWファイルが驚くほどレタッチに柔軟で、シャドーをかなり引き上げてもディテールが現れリカバリーが可能だ。ハイライトの回復はどのカメラでも難しいが、R10はハイライトもある程度柔軟性がある。

  • R10は動物瞳AFと15コマ/秒の高速連写を備えており、ビギナーの動物フォトグラファーに最適な選択肢だ。しかし、暗所ではノイズが多く、AFもあまり良好に機能しないので、暗所での撮影が多い人はR7を購入した方が良い。
  • 良い点:初心者に優しい操作系だが2電子ダイヤルやジョイスティックも備えている、コンパクトなボディだが快適なグリップ、動物と人間の瞳AFに対応した賢いAFシステム、高速な連写速度、明るい場所ではしっかりとした画質。
  • 悪い点:防塵防滴ではない、ボディ内手振れ補正が搭載されていない、暗所ではAFが苦戦する、ISO3200から上の感度では非常にノイズが多い。

 

EOS R10はこのクラスのカメラとしては、被写体認識とAFトラッキングはかなり優秀なようですが、低照度下のAF撮影はあまり得意ではないようですね。

また、高感度ノイズの多さが指摘されているのが気になるところで、許容範囲がISO3200まで(人によって変わるとは思いますが)というのは最新機種としては少し物足りないかもしれません。防塵防滴とIBISの非搭載はこのクラスのカメラでは普通のことなので、これは価格との兼ね合いで仕方のないところですね。