キヤノン「EOS R7」は素晴らしいオールラウンドカメラだがレンズの選択肢が少ないのが問題

AmateurPhotographerに、キヤノンのAPS-Cのミラーレスカメラ「EOS R7」のレビューが掲載されています。

Canon EOS R7 Full Review

  • EOS R7はEOS 850D(Kiss X10i)よりも小型軽量だが、大きく快適なグリップが搭載され、操作系も充実している。背面の電子ダイヤルはジョイスティックの周囲に配置されており、これは他のEOSの配置と比べて特に優れているわけではないが、十分機能するというのが最初の印象だ。
  • プレビューボタンの周囲に配置されたAF/MF切り替えスイッチは、新しいRF-Sレンズや安価なRFレンズの多くにAF/MF切り替えスイッチが搭載されていないことを考えると便利な機能だ。
  • EOS R7は90Dと同じレベルの耐候性を備えているが、残念ながらRF-Sレンズはシーリングされていない。

  • ジョイスティックの周囲に配置されたリアダイアルは、ユーザー体験にそれほど寄与しない必要性の無いデザインのように思える。このダイヤルに慣れるまでに時間がかかる。我々は標準的なリアダイヤル、そして3つ目の電子ダイヤルがある方がずっと好みだ。
  • EVFは236万ドット1.15倍/0.72倍と平均的で、X-T4などの高解像度EVFと比べると特段優れた点はなく期待外れだ。
  • 2本の新しいRF-Sレンズ、RF-S18-45mm F4.5-6.3とRF-S18-150mm F3.5-6.3は、今回のAPS-C RFシステムの発表で最も残念な部分だ。18-45mmは小型軽量だが、ズーム域と口径は控えめに言ってもワクワクするようなものではない。また、18-150mmは広角端が29mm相当なのは物足りない。キヤノンがもう少し興味をそそるRF-Sレンズを提案してくれることに期待したい。私は防塵防滴とプレミアムな光学系を備えた15-50mm F2.8や15-80mm F4を見てみたい。

  • AFは人間、動物、車両を追尾可能で、検出する動物の種類を指定する必要はない。AF性能は動体追尾では特に印象的で、動きの速い被写体でもほとんど外れることなく、被写体の顔にピントを合わせて次々と撮影することができた。
  • ダイナミックレンジでは多くの状況で許容範囲内だが、JPEGで白飛びが見られることがあり、RAWファイルからでもこの白飛びの復元が難しいことがある。
  • シャッター音は比較的静かで、ソニーのα7 IIIよりも静かだ。電子シャッターは完全に無音にすることができる。

  • 測光は非常に優れているが、他のキヤノンのカメラと同様に他社よりも明るめの露出になる傾向がある。キヤノンのカメラに慣れていればこれは普通のことだ。
  • オートホワイトバランスは極めて優れており、多くの場面で非常に満足の行く色が得られる。
  • 手ブレ補正の効果は見事だ。
  • 高感度ノイズは、センサーが他社よりも小さい(1.6倍クロップ)ことを考えれば、かなり良く抑えられていると言っていいだろう。JPEGではISO12800までは良好だが、ISO25600以上では非常にノイズが多くなる。
  • 動画撮影時のフォーカス性能は良好で素早く正確だ。

  • EOS R7は使い勝手の良い小型軽量のボディで、これまでのキヤノンの全てのAPS-C一眼レフとEOS Mシリーズのカメラを凌駕する性能を実現している。R7は高速連写や高度なAFトラッキング、良好なバッテリーライフを備え、レンズの選択肢の少なさを気にないか、あるいはフルサイズ用のレンズを使うことに不満がないなら、素晴らしいオールラウンドカメラになるだろう。全体として非常にそつのない性能で、素晴らしい結果が得られたが、レンズの選択肢が少ないのが唯一の問題だ。
  • 良い点:コンパクトでハイスピード、高画素センサー、速く信頼できるAF追尾、耐候性のあるボディ、ボディ内手ブレ補正、ハイクオリティな4K動画、15/30コマ/秒の連写。
  • 悪い点:RF-Sレンズのラインナップが非常に少ない、背面のジョイスティック/電子ダイヤルの操作に慣れが必要、236万ドットEVFは価格の割りに少し低解像度、キットレンズが防塵防滴ではない。

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R7の背面の電子ダイヤルは、レビュワーによって評価が分かれていますが、AmateurPhotographerのレビュアーは、この配置はあまり好みではないようですね。この電子ダイヤルが一機種限りになるのか、今後の新機種にも採用されるのか興味深いところです。

EOS R7はAFや連写などの性能面ではこの価格帯では非常に優秀なようですが、EVFの解像度やバッテリーグリップが付けられないことなど、割り切っている部分も見られるので、7D Mark IIと同クラスのカメラを期待していた人にはやや物足りない部分もあるかもしれませんね。

RF-Sレンズに関してはAPS-Cシステムが登場したばかりなので、今後の急速な拡充に期待したいところです。