繰り出し式のズームは止めてインナーズームを採用するべき

DigitalCameraWorldに、繰り出し式のズーム(伸びるズーム)は廃止してインナーズームにするべきという意見記事が掲載されています。

Why I think external zoom lenses should be a thing of the past

  • 繰り出し式のズームは40年代初頭からインナーズームが登場する60年代まで大流行した。インナーズームは狭い場所での撮影に役立ち、撮影の際のバランスに優れ、全体的な造りの品質も繰り出し式ズームよりも優れていた。それなのになぜ2022年にカメラメーカーがまだ繰り出し式のズームレンズを製造しているのだろうか? 最高のズームレンズは私の意見としてはインナーズームだ。

    一部のレンズではコストが重要で、繰り出し式を採用することで低価格でき、エンドユーザーが購入しやすくなることは理解できる。とは言うものの、ソニーはここ何年かこの問題を解決してきており、シグマもそれに続いている。これは素晴らしいことだが、なぜ大手メーカーが同じ道を辿ることができないのだろうか。

    ニコンの繰り出し式のAF-S28-70mm F2.8とAF-S24-70mm F2.8を長年に渡って持っていたが、設計上、衝撃やホコリの付着に耐えられず、ズームが動かなくなって壊れてしまった。これらはプロ用のレンズでありながら、繰り出し式のズームを採用するという悪い判断によるものだ。

    繰り出し式のズームはインナーズームほどの耐候性がなく、500ドルから4000ドルの繰り出し式ズームレンズを見てきたが、内部にホコリを集めてしまう傾向があった。

    これはもちろんニコンだけのことではないが、繰り出し式の設計で悩まされるレンズを数多く見てきたので、ミラーレスの時代が更に進むと、このような構造のレンズが更に新しく出てくるのではないかと怖くなる。なぜ、このような劣った設計のレンズのために高いお金を払わなければならないのか?

    キヤノンのRFレンズの多くは繰り出し式の設計を採用しており、これらのレンズの多くは衝撃を受けたり、内部にホコリが入ったりして修理に出すことが目に見えている。繰り出し式ズームは伸縮時に空気を吸い込んでしまい、ホコリを集めてしまう。新しいRF70-200mm F2.8に2799ドルを本当に支払いたいだろうか? このレンズは旧型のEFレンズのようなインナーズームではない。

    当然これは私個人の意見だが、メーカーが申し分ない価格でインナーズームのレンズを製造できる時代に、繰り出し式のレンズが登場することに本当に歯がゆい思いをしている。

 

キヤノンはRFレンズでは繰り出し式のズームを積極的に採用しており、これには賛否両論あるようですが、RF70-200mm F2.8やRF70-200mm F4等を見る限りではレンズの小型化には大いに貢献しているようなので、悪いことばかりではありませんね。

とは言え、ホコリや水滴の入りやすさでは構造的に繰り出し式よりもインナーズームの方が有利で、繰り出した時のガタや狂いも出やすいので、プロ用のレンズではインナーズームを採用して欲しいという意見も分かるような気がします。各社の今後の方向性が気になるところですね。