富士フイルム「X-H2S」のAFは大幅に改善されているが動体の食い付きではソニーやキヤノンに及ばない

Camera Labsに、数日前に発売された富士フイルムの高速連写機「X-H2S」のレビューが掲載されています。

Fujifilm XH2S review

  • ボディはX-H1よりも少し小さく軽くなっている。操作系はモードダイヤルの採用が最大の違いだ。ジョイスティックは大きくなって位置も少し変更され、以前より快適になった。
  • EVFは大幅にアップグレードされており、X-H1よりも大きくディテールが豊富でより滑らかだ。このEVFと比べるとEOS R7のEVFはベーシックなものに感じる。
  • AFは被写体を効果的に認識して追従でき、前世代(X-H1)に比べて大きくアップグレードされているが、人間の顔認識/瞳認識とメニューを統合して欲しい。
  • 鳥のテスト撮影では、キヤノンとソニーのカメラの追尾のほうがより被写体に食い付くことが分かったが、それでもX-H2SのAFはX-H1を余裕で上回り、高速連写で多くのピントの合った写真が撮れた。
  • 画質は基本的に従来のX-Trans機と同じだが、ローリングシャッター歪みが少ないので、(電子シャッターの)高速連写モードが従来の機種より実用的だ。

  • X-H2Sの積層型センサーや高解像度EVF、CFexpressスロットはいずれも高コストのため、X-H2Sはこれまでで最も高価なAPS-C機となっているが、多くの人が撮る被写体では読み出しの遅いセンサーやメカシャッターでも十分かもしれない。X-H2Sは、少数の写真家のみが正当化できるスペシャリストのためのカメラだ。自分がそれに該当しなければ買わない方がよい。富士フイルムの画質やレンズが好きで、積層型センサーが不要ならX-T4や今後登場するX-H2(S無しの)を検討して欲しい。
  • X-H2Sは高価だが野生動物撮影用のシステムをレンズ込みで考えると、EOS R7とRF100-500の組み合わせと同じ価格でX-H2SとXF150-600が購入でき、積層型センサーと高解像度EVF、CFexpressのメリットを享受できる。

  • 動画の品質はフルHD120pと4Kのいずれも優れており、オーバーヒートの問題もなく、録画時間の制限はなく、積層型センサーの採用でローリングシャッター歪みも少ない。しかし、フルHDの200pと240pでは品質が著しく低下する。
  • 動画のAFも大幅に改善されているが、キヤノンやソニーのハイエンド機ほど食い付かない感じがすることがあった。また、MFでは拡大表示のアシストビューのディテールが不足している。
  • 動画の手ブレ補正は静的な撮影では上手く機能したが、カメラを動かしたときにはあまり上手くいかなかった。
  • ハイエンドの動画カメラとしては、X-H2Sは波形モニタやアナモルフィック撮影用の機能などGH6等に搭載されている一部の機能を欠いている。しかし、動画の品質に関しては特にF-Log2を使用している場合は議論の余地のないもので、X-H2Sでの撮影は楽しいものだった。この価格帯では候補の一つに入るだろう。X-H2Sは高価なカメラだが、フルサイズ機よりはずっと安価であることは忘れないで欲しい。

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X-H2SのAFは、動体の食い付きに関してはソニーやキヤノンのカメラには及ばないという評価になっていますが、X-H2Sは富士フイルムでは初めての積層センサー搭載機で、まだ発売直後のカメラなので、ファームウェアが何度かアップデートされればAFの評価も変わってくるかもしれません。

画質に関しては従来機と変わっていないようで、読み出しの高速化による弊害は見られないようですね。また、動画はオーバーヒートの心配が無いことがポイントが高いですね。動画の画質は申し分ないようですが、手ブレ補正は動きながらの撮影にはあまり向いていないようです。