SonyAlphaBlogに、先日発表されたシグマのE/Lマウント用の広角単焦点レンズ「24mm F1.4 DG DN Art」のレビューが掲載されています。
- 鏡筒の造りの品質とエルゴノミクスは素晴らしい。鏡筒にはクリック解除スイッチや、MFロックボタンが搭載されている。ピント位置を固定する機能は、天体写真でとても便利だ。
- フィルターはフロントフィルターに加えて、リアフィルターも装着可能だ。通常のレンズではリアフィルターフォルダーは、フロントフィルターが装着不可能なレンズにのみ採用されるものだ。
- AFは速く静かで、スチルと動画の両方で優れている。α1でのテストでは、連写時のAF精度も優れている。
- 解像力テストは6100万画素のα7R IVで行った。中央の解像力は開放から良い(good)/非常に良い(very good)の結果で、F2.8では素晴らしい値(excellent)になり、F4で際立った値(outstanding)になる。隅は中央と全く同じパターンで、このレンズは中心から隅までとても一貫した解像力だ。開放時の解像力を考えると、α7R IV用としてはとても良好ではあるが、それほど素晴らしいレンズではない。
- 遠景(実写)では、F1.4で良好/非常に良好だが、画面全域で優れた結果を得るにはF4/F5.6まで絞る必要がある。
- ポートレートでは開放から良好な結果だが、F2.8付近まで絞ると大きく改善する。肌の描写は非常に優れている。
- 歪曲は小さいが目には見える。周辺光量落ちは開放では目に付くが、F2で解消する。
- 倍率色収差は穏やかで太陽に向かって撮影するときに目立つ。軸上色収差は見られるが少ない。
- フレア耐性は良好で、他の24mmレンズよりも優れている。
- F16に絞ると素晴らしい光芒が得られる。
- コマ収差は開放でもクロスがほとんど見られず、標準的な天体写真には十分の性能だ。
- 玉ボケは完全に円形を維持している。後ボケは素晴らしく滑らかだが、木の葉のような雑然とした背景では少しうるさくなるかもしれない。
- 発色はとても良好だ。
- 動画ではAFは非常に良好に機能するが、フォーカスブリージングが見られる。
- 他のレンズ(ソニーFE24mm F1.4 GM、シグマ24mm F2 DG DN、サムヤン24mm F1.4 AF、Viltrox 24mm F1.8)との解像力の比較では、ソニーFE24mm F1.4 GMが解像力のキングで、シグマ24mm F1.4 DG DNは2番手だ。シグマのHSM(旧型)は隅で大きく劣っている。
- 背景のボケは3本のF1.4のレンズはほぼ同等だが、雑然とした背景ではソニーのGMがより滑らかで、シグマの24mm F2 DG DNは若干劣っている。玉ボケはシグマ24mm F1.4 DG DNとソニーのGMが最高だ。
- 色再現はソニーのGMがトップで、シグマ24mm F1.4 DG DNが僅差で続く。
- 歪曲とフレア耐性はシグマ24mm F1.4 DG DNとソニーのGMがトップだ。
- 色収差はソニーGMが最も少ない。
- 周辺光量落ちはシグマ24mm F1.4 DG DNが最も少ない。
- ソニーのFE24mm F1.4 GMはシグマ24mm F1.4 DG DNよりも40%高価だが、全体的に最も優れた性能だ。5000万画素と6100万画素センサーではGMとシグマとの差が見られるが、2400~4200万画素センサーでは差は見られない。
- シグマ24mm F1.4 DG DNは全体的に非常に優れた性能のレンズで、大きさ重さAF性能の点で旧型のHSMから大幅に改善されている。F2.8からF8では素晴らしい(excellent)/際立った(outstanding)解像力が得られ、色再現や玉ボケ、逆光耐性も優れている。後ボケは開放では非常にソフトだが、背景によってはうるさくなるかもしれない。
- 不満だったのはF1.4の色収差と、5000万画素/6100万画素機での解像力で、開放では良い(good)、F2でとても良好(very good)の解像力しか得られない。したがって、このレンズはシグマ24mm F2 DG DNよりも高性能というわけではなく、FE 24mm F1.4 GMには劣っている。ただし、GMとの解像力の違いは低画素機では分からないだろう。
20mm F1.4 DG DNのレビューでは隅の解像力の低さが指摘されていましたが、24mm F1.4 DG DNでは隅まで一貫してシャープという評価になっています。公式のMTFでは20mm F1.4の方が24mm F1.4よりも隅の解像力は高そうに見えますが、ここでは逆の結果になっているのが興味深いところです。
他のレンズとの比較ではソニーのFE 24mm F1.4 GMが全体的に上という評価ですが、価格を考えるとシグマのコストパフォーマスはかなり高そうですね。
ぱっかー
うーん、期待したほどの性能ではないような。
これも解像力チャートが近接しているのが影響してるのかしら。
たまごろ
旧型と比較して隅は良くなったけど、センターは旧型のほうが良いんですね
なかなか悩ましい性能ですねw
2400万画素で差が無いのはともかく、4200万画素でも差が分からないものなんですか…、高画素機を買う予定無い人なら別にGMじゃなくても十分そうですね
スパークリング
20のほうもそうですが、星即ち無限遠に重き置いているレンズなんで、近距離チャートと相性が悪いのかもしれませんね
少なくとも20のほうは持ってた一眼レフ用artより性能上そうで欲しいですね
中西
個人的には星景写真での評価が気になります。
24GMは星景ではパープルフリンジが出るので購入してないです。
このレンズはその辺気になります。
とまと
このレベルのレンズとなってくると、逆光への強さや軽量化など解像度以外の部分の方が大切な気がします。というか解像度の違いはあまりよくわからな気もします。
Tsu
LマウントのようにリニアMFが使えると候補になるのですが・・・
マウントタイプのUSB Dockは作れないと思うのでUSB-C端子がレンズ側に必要になってくると思います。
105mmマクロを使用してますがGMマクロが出るのを待ってます。
解像度は十分なので他の部分で純正より劣ると言うか、もっと使い勝手を良くしてほしいです。
asa
DGDNシリーズはどうもこういう、軽量だけど性能は特筆するほどではない・・ってゾーンのレンズばっかりですね。
ARTシリーズの巨大超高性能を追求した流れと全然変わってた感がある。
軽量、ってのはそれくらい大切なんだろうなぁ。
コストも純正に対抗できる価格帯を堅持しないといけないだろうし。
気になったのはフォーカスブリージングがあるのは最新のレンズにしてはいただけないですね
kop
遠景のサジタルコマフレアを抑制したようなので、そのために解像(特に近景)がやや弱いのかもしれませんね。星景画像などでの比較も見てみたいです。