キヤノン「EOS R7」は野生動物写真にほぼパーフェクトのカメラ

Imaging Resourseで、キヤノン「EOS R7」の長時間使用後のレビューが公開されています。

Canon R7 Review

  • この2週間EOS R7を使って仕事をしてきた。EOS R7は第一印象もよかったが、その後も引き続き感銘を受けた。早速、EOS R7が長時間のハンズオンタイムでどのように機能したのか見ていこう。

  • R7とR10を両方使用していたので、コンパクトなR10と較べてR7はかなり大きく感じた。これは多少マイナスだが、R10と比較しなければ、R7はレンズ交換式ミラーレスカメラとしては小さく、7D Mark IIなどのキヤノンの古い一眼レフよりも遥かに小さい。
  • R7は小型化のために操作性を犠牲にするようなことは全くなく、ハイアマ向けのカメラに期待される全ての物理的な操作部が用意されている。
  • 背面の電子ダイヤルは比較的軽く、希望する露出補正値よりも行き過ぎてしまうことがある。また、意図せずに動いてしまうこともある。
  • 背面のモニタはまずまずの解像力で、明るい場所でもよく見える。バリアングルは手放しで好きというわけではないが、コンテンツクリエイターやブイロガーにアピールしたいのは理解できる。しかし、通常のチルトか、3方向チルトの方が好みだ。

  • EVFは驚くほど高解像度というわけではないが、まずまずだ。数年前にR7が登場していれば、このEVFをもっと高く評価していたと思うが、高解像度EVFのα1や信じられないほど明るくクリアなEVFのZ9などを使用した後では、R7のEVFの質の低さを残念に思わずにはいられない(α1やZ9はフラッグシップ機なので公平な比較ではないが)。
  • 3250万画素センサーは何が新しくなったのか正確には分からないが、結果が優れていることは間違いない。高感度はISO3200からいくらか画質が低下が目立つが、それでも良好な画質を維持しており、ISO6400やISO12800も躊躇せずに使える。
  • RAWのレタッチ耐性は高く、フルサイズほどの広大なダイナミックレンジではないが、それでも暗部のディテールや露出オーバーの部分を復元するのは容易だ。APS-C機の画質がフルサイズに及ばないのは間違いないが、R7の画質はフルサイズにかなり近付いている。

  • AI搭載のAFは、R3には及ばないが優れた性能だ。RF100-500mm F4.5-7.1Lとの組み合わせは、野生動物の撮影に極めて素晴らしいもので、R7は比較的暗い場所でも被写体を認識して優れた仕事をする。しかし、被写体検出はとても敏感で、動物ではないものを動物として認識することがあるので、動物を撮影しない場合は被写体認識をOFFにしておくことを勧める。全体としてR7のAFシステムはとても印象的で、AFは速く被写体認識は優秀で、精度も優れている。
  • 連写は電子シャッターでは30コマ/秒だが、読み出し速度は十分に速くはないので、状況によってはローリングシャッター歪みが発生する。しかし、ほとんどの撮影ではメカシャッターの15コマ/秒の連写で十分だ。
  • IBISの搭載はR10に対する最大のアドバンテージの一つで、RF100-500mmの換算800mmの撮影では、IBISがあるとファインダーが安定しフレーミングがかなり楽になる。

  • 野生動物写真の大ファンとしては、EOS R7はほぼ完璧なカメラだ。APS-Cのクロップ倍率は、画質と高感度性能で大きなトレードオフがなく、望遠レンズを更に便利に使える。R7の洗練されたAFシステムは画面内全域で動く被写体の追尾にとても優れている。価格も手頃で、キヤノンは素晴らしい仕事をした。
  • 好きな点:まずまず軽量コンパクト、頑丈な造り、優れた操作性、印象的な画質、良好な高感度性能、信頼性の高いAF、便利な被写体認識AF、連写が速い。
  • 嫌いな点:EVFが平凡、バリアングル式モニタは少し扱いにくい、バッファの容量がもっと欲しい、APS-C用レンズが非常に少ない。

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レビュアーはEOS R7を長時間使用しても初期レビューのときの好印象は変わらなかったようで、「野生動物の撮影にはほぼパーフェクト」という非常に高い評価となっています。

AFはEOS R3には及ばないようですが、この価格帯のAPS-C機としては非常に優秀なようで、鳥やスポーツ撮影用のシステムを比較的安価に組みたい方にはR7は魅力的な選択肢になりそうです。

EVFの画質に関してはいくつかのレビューで指摘されていますが、高性能なEVFを奢ると価格が上がってしまうので、難しいところかもしれませんね。