キヤノン「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」は四隅は若干甘くなるが期待以上に良く写るレンズ

価格.comマガジンに、先日発売されたキヤノンの普及型の広角ズーム「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」のレビューが掲載されています。

キヤノン「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」の写りをチェック

  • 「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」で特に注目したいのは価格。カメラメーカー純正の超広角ズームレンズとしては安価で、広角端の焦点距離が16mm以下のフルサイズ対応・超広角ズームレンズとしては最も安く、7万円台なのは本レンズのみ。
  • 鏡筒がコンパクトなのも見逃せない特徴で、サイズは約76.6(最大径)×88.4(全長)mmで、重量は約390g。「Lレンズ」の超広角ズームレンズ2本と比べると、ひと回りかそれ以上に小さくて軽い。
  • 機能面では、クローズアップ撮影に強く、MFの焦点距離15mm時にハーフマクロ撮影に対応するのがポイント。
  • 本レンズは、カメラ側での電子的な補正を前提にした設計を採用している。

  • 掲載した4枚の作例は、いずれもF11まで絞っているが、周辺まで十分に解像している。カメラ側で電子的に補正しているとはいえ、歪曲収差もよく抑えられている。
  • 逆光にはそれほど強くない印象を受けたが、作例ではわずかに緑のゴーストが見られるものの、気になるようなゴースト・フレアはほぼ発生していない。
  • 広角端15mmの絞り開放の画質をチェックするために撮影した作例では、さすがに四隅はわずかに描写が甘くなっているものの、極端に流れるような感じはない。開放からコントラストが高く、期待以上によく写る印象だ。

  • 手ブレ補正効果も高く、作例では0.5秒という遅いシャッタースピードで手持ち撮影しているが、画面全域で手ブレの影響のない写真に仕上がっている。
  • 「焦点距離15mmのハーフマクロ」は「使いどころが難しい」というのが正直な感想だ。レンズの前玉ギリギリまで被写体に近づいての撮影になるため、レンズの影が被写体に落ちてしまうケースが多く、どうしてもシーンや構図が限定されてしまうのが撮影を難しくする点だ。また、ピントを合わせる位置が中央部から少し離れると、絞り値を大きくしてもソフトな描写になるのも気になった。トータルで見ると、本レンズのハーフマクロ撮影機能は付加機能ととらえたほうがよいだろう。

  • 「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」は、価格もサイズ感もお手軽だ。さすがに超広角域だと画像の隅まできっちりと解像するわけではないが、クラス最安となる価格を考慮すると、十分に納得できる画質である。
  • 性能だけをとれば「Lレンズ」が理想的だが、実際に使ってみると、本レンズでも十分に高画質な撮影が行えることがわかる。発売後にじわじわと評価を上げる1本になりそうだ。

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RF15-30mm F4.5-6.3は四隅は少しソフトになるもののそれ以外の部分は非常にシャープで、このクラスの広角ズームとしては、とてもよく写るレンズという印象です。

広角端のハーフマクロ機能は、あまり実用性がないという評価ですが、周辺部がフワフワな描写で、工夫次第で面白い写真が撮れそうです。キヤノンの普及型のズームではRF100-400mm F5.6-8が人気ですが、このレンズも人気レンズになるかもしれませんね。