富士フイルム「X-H2S」の製品版はプリプロダクションモデルから性能が大きく改善

DPReviewTVが、製品版の富士フイルムX-H2Sを使用した最終版の動画レビューを公開しています。

DPReview TV: Fujifilm X-H2S review

  • プロトタイプ機で見られた動画時のMFで画面の解像度が低下する問題は、製品版では完全に解決している。電源を切っているときの肩液晶のチラツキの問題は製品版でも見られるが、液晶を白バックに黒の文字に設定すると解消する。
  • バッファは、40コマ/秒の電子シャッターのロスレス圧縮RAWの連写で、SDカードでは150枚(4秒弱)でスローダウンした。CFexpressの動作は少々トリッキーで、40コマ/秒で180枚、その後20コマ/秒に減速して100枚の合計280枚だった。本格的にスポーツや野生動物を撮影している場合はCFexpressの使用が最適だ。
  • 電子シャッターとメカシャッターのダイナミックレンジの違いはあるが、1/3EVから1/2EV程度でそれほど大きな違いではない。それ以外の部分では、画質はX-T4のような他の富士フイルムのハイエンドAPS-C機に非常に近い。

  • プロトタイプ機では瞳AFに問題を抱えていたが、製品版では静止していている人物でも、前後に少し動いている人物(ブランコに乗ってる人物)でもカメラは瞳の追尾で素晴らしい仕事をしている。
  • AFは20コマ/秒で動体(左右に蛇行する自転車)を追いかけると完璧に近い結果が得られた。30コマ/秒では20コマ/秒ほどではないが、AFはとても良好で完全に実用になる的中率を維持している。40コマ/秒の連写では合焦している画像が大幅に減少しており、苦戦している。40コマ/秒の連写は静止している被写体向きだ。
  • 被写体認識AFはプリプロダクション機でも良好だったが、製品版では更に良くなっており全体的に感銘を受けたが、素早く動く被写体の顔や瞳の追尾はキヤノンやソニーのカメラの方がまだ少し優れている。

  • 動画のAFは他の富士フイルムのカメラに較べて非常に速いが、時折AFが行き過ぎて戻るなど一貫性に欠ける部分もあった。
  • センサーの14bit読み出しに対応するF-log2の画像は、極めてディーテールが豊富で本当に美しい。
  • 動画時の手ブレ補正は間違いなく改善されているが、パンニングで苦戦することがある。完全に静止したシーンの撮影で、三脚のように静止するISブーストモードはパナソニックと同等の最高の性能だ。
  • X-H2Sはハイブリッドカメラとして多くのポテンシャルを秘めている。競合機のEOS R6やα7IVと比べると、R6は電子シャッターの読み出しそれほど速くなく、連写も遅く画素数も少ない。α7IVはR6よりも更に電子シャッターの読み出しが遅い。また、動画機能では多くの点でこれらの2機種よりもX-H2Sが優っている。どちらのカメラもX-H2Sと同じような価格帯だが、X-H2Sはどのような状況にも対応できるより汎用性の高いカメラだ。

 

プリプロダクションモデルでのテストでは、瞳AFがかなりピントを外していて完成度の低さが指摘されていましたが、製品版ではAFの問題はきちんと修正されてきたようで、申し分のないAF性能に仕上がっているようです。

連写時のAFに関しては40コマ/秒は動体に食い付かないようなので、動体の撮影で実用的になるのは30コマ/秒までのようです。とは言え、30コマ/秒でAFが食い付いているのは十分にすごいことで、実用的には全く問題はありませんね。