「EOS R7」は「EOS 90D」よりも高性能だが使い勝手は「EOS 90D」に軍配

ASCII.jpに、キヤノンの「EOS R7」と「EOS 90D」の実写での比較レビューが掲載されています。

「EOS R7」を「EOS 90D」と撮り比べてわかった両モデルの良いところ

  • EOS R7とEOS 90Dを並べてみると、明らかに大きさが異なる。EOS 90Dにはバッテリーグリップが装着できるという点を抜きに見てみても左右方向の長さや上部から見た厚みなどが全く違うことがわかる。
  • EOS 90Dはエクステンダー1.4Xを装着した場合でも、27点の測距ポイントが使えるというところが2019年当時では画期的だった。これが2021年のEOS R7では同じエクステンダー1.4Xを装着した場合でもフォーカスエリアの全域で測距が可能となっている。
  • 機能面での大きな違いの2つ目は、EOS R7にはボディー内5軸手振れ補正が搭載されていることだ。キヤノンのこれまでのAPS-C機では、ボディー内手振れ補正が一切入っていない。

  • SUPER GTの決勝レースに持ち込んで、走行写真での比較をしてみた。レンズは、すべてEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMとエクステンダー1.4Xとなっている。
  • EOS R7はボディー内の手振れ補正は回転軸ブレ、水平回転軸ブレ、縦回転軸ブレに対応されている。その効果はてき面で、写真を拡大表示した場合のロゴの精細な描写やエンブレムの奥行きなどに効果が表れている。
  • 走り寄ってくるマシンを正面から捉える写真の場合は、フォーカス性能の違いが確認できる。EOS 90Dで撮影したものはフォーカスエリアが写真の高さに対して中央の三分の一のエリアとなっているので、フロントウィンドウのロゴにピントが合っている。EOS R7で撮影したものではフォーカスエリアが全域となるので、任意に設定したフォーカスポイントによりボンネットの先端にピントが合っている。
  • 高速で迫ってくるマシンに、どれだけピントが追従しているかもご確認すると、ノーズ先端の日産のロゴマークを見れば、EOS R7が正確にピントが追従していることがわかる。
  • カメラから遠ざかる被写体に対しては両モデルで大きな差が生まれる。EOS 90Dで撮影したものはフォーカスが追従しきれていない状態で、軽くピンボケしているといってもいい状態と言えるが、EOS R7で撮影したものは完璧にフォーカスが追従している。

  • 性能はEOS R7だが使い勝手はEOS 90Dに軍配:EOS R7とEOS 90D。この両モデルを比較すれば、新しいEOS R7の方が性能が高いということは当然の結果と言える。しかし、EOS 90DにはEOS R7に勝る点もある。EOS 90Dではバッテリーグリップを装着でき、2個の電池を搭載できればSUPER GTの決勝レースでの撮影では電池交換が不要になる。これがEOS R7だと電池が1個しか搭載できないうえに、EOS 90Dに比べて電池の消耗が大きいため、予備バッテリーを2個持ち歩いていないと決勝レースの前にカメラが終わってしまう。
  • ミラーレス機の電子ビューファインダーは、1000分の1秒単位で遅延が生じる。走行写真を撮影する場合は高速で動くレーシングマシンに合わせてカメラを振るわけで、その際に「なんか変?」程度の違和感を覚えることがある。
  • これらを踏まえて、この両モデルの価格差が3万円と考えると、3250万画素のEOS 90Dはまだまだ使えるカメラなのでは? という気もしてくるが、納期を待てるのであれば、筆者としては新品のEOS R7をオススメする。

 

一昔前は、動体のAFはミラーレスのウィークポイントで、一眼レフの独壇場でしたが、最新のEOS R7と90DのAFの比較では、測距エリアの広さと追従性の両面でミラーレスのR7がかなりリードしているようですね。

とは言え、90Dも省電力でかつバッテリーグリップが使用できることで、バッテリーライフでかなりのアドバンテージがあり、また、動体を追いかける際のファインダーの自然な見え味では有利で、撮影状況によってはまだまだ90Dが活躍するケースもありそうです。