カメラメーカーの失敗カメラ&失敗戦略

DigitalCameraWorldに、カメラメーカーのこれまでの失敗したカメラやカメラ戦略についての記事が掲載されています。

13 things camera makers did WRONG!

  • カメラメーカーは時に不可解な決断をすることがある。ここでは、カメラメーカーが長年に渡って行ってきた不可解なことを振り返り、その意味を考えてみたいと思う。

  1. キヤノンEOS M10:価格にかかわらず最悪のカメラ
    スペック上では全て問題ないカメラのように見えるが、これまでで最悪のEOSの一つだと感じた。問題はハンドリングで、石鹸のような滑りやすさだ。更に悪いことにモードダイヤルが小さいために、モードを変更する場合はタッチパネルの操作に依存していた。

  2. キヤノンEOS 4000D / Rebel T100(日本未発売):もう一つの最悪のカメラ
    厳しいコストダウンのために引退した古い1800万画素センサーを引っ張り出し、安っぽいプラスチックボディに入れて、骨抜きにしたスペックで可能な限り低価格にしたカメラだ。ボタンやダイヤルの塗装も一色にしてコストを削減している。このカメラは価格が期待ほど安くはなく、姿を消した。

  3. ニコンがD7200から後の機種でDX機の画素数を引き下げた
    ニコンがAPS-Cの全機種に採用されていた24MPセンサーから20.9MPに移行したのは、勇気のある行動だと思う。この20.9MPセンサーは高感度に強く4Kにも対応していたが、画素数を落とすことは当時も今も心配の種だ。D7500、D500、Z50、Zfc、Z30は最もシンプルな指標である画素数において、APS-Cのライバルに後れを取っている。1インチ機やm4/3でも20MPだ。D7200は高価値・高品質・高信頼性の(DXの)最後のデジタル一眼レフだった。

  4. 富士フイルムがXF10を終了した
    XF10はプラマンズX100Vのようなカメラだっただが、全体的に悪くなっているかというと、そうでもない。価格はX100Vの半額でコンパクトでジャケットに入れても気にならないカメラだった。サイズ、価格、そのシンプルさで好感が持てるカメラだったが富士フイルムでは不要なカメラだったのだろう。

  5. EOS R10とR7が2本のレンズと共に発売
    強力な2機種のカメラを、強力には程遠い2本のキットレンズだけで発売するのはおかしいと思うのは私だけだろうか? フルサイズ用のレンズも使用できるが高価で大きい。EOS R10とR7の2機種はエントリーレベルのカメラではなく、キットレンズしか使わないような人向けのカメラではない。

  6. 富士フイルムがX30を終了した
    富士フイルムがこのカメラを止めたことにまだ怒っている。X30は十分なセンサーと優れたレンズを搭載し、ハンドリングは見事だ。機械式ズームの操作の満足感を、パワーズームで実現するのは難しい。

  7. Nikon 1の立ち上げと終了
    最初のJ1やV1のような上品で最小限のデザインを維持せず、派手で安っぽい後継機が次々に世代を重ねていった。Nikon 1が持っていたもので他機種になかったものは、サイズ、シンプルさ、そのクラスだったが、ニコンはその3つ全てを捨ててしまい、Nikon 1のフォーマットが持っていた可能性は全て無くなってしまった。

  8. DFD AFを踏襲するパナソニック
    悪名高いDFD AFの揺れが目につくような動画は撮らないので、個人的にはDFDは嫌いではないが、多くほ人はそのAFを気にしており、パナソニックのカメラの販売に影響を与えているのは間違いない。パナソニックは、S5やGH6のような素晴らしいカメラにふさわしい売上を達成するために、位相差AFに切り替える必要があるだろう。

  9. K-70の良さに気付かなかったペンタックス
    K-70はバリアングルモニタを初搭載し、最初で最後のライブビュー時の位相差AFを採用して、技術的に技術的にそれまでのカメラを一新しただけでなく、それ以降に登場した同社のカメラにも優っている。K-70はすぐに姿を消し、ペンタックスはK-70の持っていた機能をもたない一眼レフを販売し続けている(K-70はその後戻ってきた)。なぜ、ペンタックスは未来を見据えた一眼レフから手を引いてしまったのだろうか。

  10. K-01の可能性を見いだせなかったペンタックス
    K-01はかなりアバンギャルドなデザインで、EVFも非搭載で、上部の疑似ペンタ部はいただけない。K-01の非常に賢いところは、新マウントを必要としないカメラであることで、Kマウントレンズがそのまま使える。他社のカメラはミラーレスと一眼レフのレンズを使い分けるために、マウントアダプターが必要だ。

  11. ニコンが3機種のZ DXカメラとわずか3本のZ DXレンズを発売
    ニコンは3機種のAPS-Cカメラに、たった3本のDXレンズしかない。5~10年前のニコンの一眼レフ全盛時代とはなんという変わりようだろう。レンズはカメラに付属するキットレンズしか使わないという未来が待っているのだろうか。

 

そういえば初期のEOS Mは、ここで挙げられているEOS M100に限らず、遅いAFなどがかなり批判されていましたね。EOS 4000D / Rebel T100は日本未発売なので印象に残っていませんが、同じシリーズのKiss X二桁シリーズのモデルは、当時ほとんど話題になっていなかったように記憶しています。

ニコンの2000万画素センサーに関しては、高感度に強く扱いやすいセンサーで好印象でしたが、他社の2400万画素機に対して画素数でアピールできないので販売面では足を引っ張った可能性はあるかもしれませんね。

また、ニコンとキヤノンのAPS-C機のレンズの少なさが批判されていますが、RFもZもまだフルサイズ用のレンズも揃っていない段階なので、APS-Cのレンズまで手が回らないのはわかりますが、両社ともにAPS-C専用の広角ズームが無いのは困りものですね。

ペンタックスに関しては、小型センサーQシリーズやKマウントミラーレスのK-01など、面白い製品は出してくるのに次が続かないのが残念なところです。富士フイルムのX30は、後継機を望む声が非常に多かったように記憶しています。たしかに今では機械式ズームのコンパクトは貴重品ですね。