富士フイルム「X-H2」は期待通りの画質

DigitalCameraWorldに、富士フイルムの4000万画素の高画素機「X-H2」のレビューが掲載されています。

Fujifilm X-H2 review

  • 4000万画素センサーはそのままでも十分に高い解像度だが、20枚の画像から1億6000万画素の画像を生成するピクセルシフトマルチショットも搭載されている。画像の合成はカメラ内ではできず後処理で行う。
  • X-H2のセンサーは積層ではなく、読み出しはX-H2Sのセンサーよりも遅いが、決して悪くはない。連写はメカシャッターで15コマ/秒で、多くのスポーツ用カメラに後れを取っていない。ローリングシャッターのスキャン速度は、X-H2Sの1/180秒に対してX-H2は1/88秒だ。
  • AFの追従性能は、読み出し性能のためにX-H2Sには及ばないことをメーカーも認めているが、X-H2は主に高解像度が目玉だ。

  • 8K動画の記録時間は25度で160分、オプションの冷却ファン使用時は240分で、これは無制限記録に等しい驚くべき成果だ。
  • X-H2は大きなカメラではないが、深いグリップがありしっかりと保持することができる。富士フイルムの小さいレンズとのバランスが良好に感じるが、XF16-55mm F2.8との組み合わせでも扱いにくいということはない。
  • 576万ドットEVFは非常に鮮明で、背面のモニタもとても優れている。上部のステータス表示用の液晶は非常に良いもので、シャッターダイヤルやISOダイヤルを諦めるだけの価値がある。
  • X-H2の反応速度は理論的にはX-H2Sより遅くなるはずだが、それでもAFは速く正確で、非常にキビキビとしている。

  • ラボテスト(解像力):当然のことだが、4020万画素のX-H2が断然優れており、競合他社のカメラよりも遥かに細かいディテールを解像している。

fujifilm_X-H2_resolution_dcw_001.jpg

  • ラボテスト(ダイナミックレンジ):X-H2はX-H2Sよりも高画素のために、ダイナミックレンジでは若干の妥協が見られるものの、X-H2のダイナミックレンジは立派なものだ。感度が高くなるとX-H2Sとの差は小さくなる。

fujifilm_X-H2_d-range_dcw_002.jpg

  • ラボテスト(S/N比):X-H2の画像のクリアさはEOS R7やα6600とほぼ同程度だが、高感度ではX-H2のノイズがわずかに少なくS/N比が高くなっている。しかし、それでも物理的に画素が大きくノイズが少ないX-H2Sのセンサーには及ばない。

fujifilm_X-H2_SNR_dcw_003.jpg

  • X-H2はハンドリングが良く魅力的なスペックで、価格も素晴らしい。画質は期待を裏切らないものだ。4000万画素センサーと8K動画を採用し、フルサイズのハイエンド機と同じプロ基準の造りのカメラが半額で手に入れられる。X-H2はAPS-Cに期待できるものを再定義したカメラだ。
  • 良い点:4000万画素のスチル画像、長時間収録ができる8K動画、15/20コマ/秒の連写、1億6000万画素のマルチショットモード。
  • 短所:冷却ファンが別売り、速さではX-H2Sに軍配が上がる。

 

X-H2は4000万画素のAPS-C機としては非常に高画素のセンサーを採用していますが、ダイナミックレンジとS/N比はより低画素のライバルと比べて遜色のないもので、画素数を考えると非常に優秀という印象です。

ローリングシャッターのスキャン速度は積層のX-H2Sにはもちろん及びませんが、1/88秒は非積層の高画素機としては優秀ですね。また、AFもキビキビ動き、8K動画の長回しも問題なくできるということなので、X-H2は4000万画素から想像するようなピーキーなカメラではなく、扱いやすい機種に仕上がっているようです。