ハッセルブラッド「X2D 100C」はX1Dよりもキビキビと動作しAF性能も改善されている

PetaPixelに、ハッセルブラッドの新しい中判カメラ「X2D 100C」のレビューが掲載されています。

Hasselblad X2D 100C First Impressions

  • このカメラには動画機能は搭載されておらず、他のカメラのように多くの端子類があるわけでもなく、とても純粋に一枚の写真を撮る体験ができる。中判カメラに動画機能を搭載するのは、少なくとも今のところ間違いであり、動画を搭載しなかったハッセルブラッドに拍手喝采を送る。
  • カメラを持ったときの感触は素晴らしく、メニューシステムは市販のカメラのシステムの中で最も気に入っている。EVFと背面の液晶モニタは非常にクリアだ。
  • 1TBのSSDが内蔵されたことは評価できるが、もしSSDなしでより安価にできるなら、そうするべきだったと思う。

  • 旧型のX1Dでの撮影は、動作がのろのろと遅くフラストレーションがたまるものだったが、X2Dでの撮影は、私がX1Dに望んでいたもので、比較的速く流れるようなものだった。ソニーαやキヤノンEOS Rシリーズと比べると、動作はまだ少し遅いが、2022年のデジタルカメラとしてX2Dは期待に応える動きをする。
  • シャッターはリーフシャッターを搭載しており、このシャッターが素晴らしいのは、どのようなシャッター速度でもフラッシュを使うことができることだ。これが、ハッセルブラッドが今でも多くのスタジオプロに使用されている理由だ。

  • AF速度は決して速いとは言えないが、X1Dと比べるとずっと速くなっている。AFはハッセルブラッドの主張では位相差とコントラストのハイブリッドということだが、少なくとも私の個体は位相差を使っているとは到底思えないもので、更に改善できると思う。新しいXCDレンズのSTMモーターは高速化されているが、ソニー、キヤノン、ニコンのAFにはまだかなり後れを取っている。それでもこのカメラは、私の用途には十分なAF速度と精度を備えている。
  • ボディ内手ブレ補正は、このカメラで最も印象的な機能で、1/6秒で手持ち撮影しても極めてシャープな写真が撮れる。
  • X2Dの画像のクオリティは期待通りで実に素晴らしい。ISO性能や色深度について深く掘り下げるのは、これはプリプロダクションモデルなので、今のところ保留したい。
  • ファイル容量はRAWで200MB以上、JPEGは33~48MBとかなりの大きさで、転送や編集に時間がかかる。しかし、中判カメラの写真には何か特別なものがあり、平凡な被写体でも感情をゆさぶるものだある。

  • X2Dはいくつかの機能が欠如しており、例えば、フォーカスピーキングが搭載されていない。これは初代のX1Dには搭載されていたものだ。また、AF制御に関する設定がほとんど無いのも少々扱いにくい。AFは小さいシングルポイントをユーザーが選ぶ方式だが、ワイドフォーカスエリアの選択肢があればよかったと思う。
  • 視度調整ダイヤルは物理的なダイヤルではなく、メニューから電子的に調整する。これは機能はするが、私はアナログ操作が好みだ。
  • 端子がないのは、ハッセルブラッドがレリーズのようなものを発売しない場合は、問題になる可能性がある。現時点ではX2Dでリモートでシャッターを切る唯一の方法はPhocus Mobile2アプリを介した遠隔操作だ。

  • X2Dの起動時間は、ハッセルブラッドのこれまでのカメラよりは明らかに速いが、電源ボタンを押してから2秒かかるので、起動が速いとは言えない。とは言え、いったん起動すればカメラはキビキビと反応する。
  • X1Dは楽しくエキサイティングなカメラだったが、動作が遅く精度が低く高価で、実用性は低かった。今回のX2Dは、X1Dよりも遥かに動作が速く正確でずっと実用的だ。X2Dは高価だが価格に見合うことができるカメラだ。今後、数ヶ月のうちにX2Dに更に機能が追加され、2023年には今よりも勧めやすいカメラになっていることに期待している。

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X2DはX1Dで一番の懸案事項だった反応の鈍さが改善され、キビキビと動くようになったのは朗報ですね。AFもX1Dと比べれば改善されているようですが、それでもまだ遅く、また、ワイドフォーカスエリアも使えないということなので、フルサイズミラーレスのレベルにはまだ至っていないようですね。AFは今後のファームアップでの改善に期待したいところです。