キヤノンの1.4倍のテレコンを内蔵した「600mm F4 1.4x」「400mm F2.8 1.4x」「300mm F2.8 1.4x」の特許出願

キヤノンが1.4倍のテレコンを内蔵した「600mm F4」「400mm F2.8」「300mm F2.8」の実施例を含む、テレコン内蔵の光学系で軽量で良好な光学性能を得るための技術に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2022142979
    出願番号:P 2021043282
    公開日:2022-10-03
    発明の名称: 光学系、レンズ装置、撮像装置
  • 【課題】 主光学系に挿抜される変倍光学系を有する光学系において、全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得ることである。
  • 撮像装置に用いられる光学系の焦点距離を変化させる方式として、光路中に変倍光学系(エクステンダ)を挿入することにより、全系の焦点距離を変化させるコンバータ方式が知られている。
  • 変倍光学系を内蔵する方式を採る場合、変倍光学系を含む全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得るためには、変倍光学系の挿入位置を適切に選択することのみならず、主光学系を適切に構成することも重要である。特許文献1に開示された発明では、軽量化と光学性能の両立の観点で改善の余地があった。
  • 本発明によれば、主光学系に挿抜される変倍光学系を有する光学系において、全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得ることができる。(※下の図はレンズの概略図です)

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  • 実施例1(400mm F2.8)
    焦点距離 389.00
    Fナンバー 2.91
    半画角(°) 3.18
    像高 21.64
    レンズ全長 406.00
    バックフォーカス 53.83

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  • 実施例1:内蔵テレコン使用時(560mm F4)
    焦点距離 544.00
    Fナンバー 4.19
    画角(°) 2.28
    像高 21.64
    レンズ全長 406.01
    バックフォーカス 53.83

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  • 実施例2(600mm F4)
    焦点距離 582.00
    Fナンバー 4.12
    画角(°) 2.13
    像高 21.64
    レンズ全長 486.10
    バックフォーカス 81.91

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  • 実施例2:内蔵テレコン使用時(840mm F5.6)
    焦点距離 814.80
    Fナンバー 5.88
    画角(°) 1.52
    像高 21.64
    レンズ全長 486.10
    バックフォーカス 81.91

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  • 実施例3(300mm F2.8)
    焦点距離 300.00
    Fナンバー 2.91
    画角(°) 4.12
    像高 21.64
    レンズ全長 320.00
    バックフォーカス 49.68

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  • 実施例3:内蔵テレコン使用時(420mm F4)
    焦点距離 420.00
    Fナンバー 4.12
    画角(°) 2.95
    像高 21.64
    レンズ全長 320.00
    バックフォーカス 49.68

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ニコンは既にテレコン内蔵のZ 400mm f/2.8 TC VR Sを投入しており、Z 600mmもテレコン内蔵になると噂されていますが、キヤノンもテレコン内蔵の超望遠レンズを検討しているようですね。400mmの実施例の全長は、フランジバック分を除くと38.6cmでニコンのZ400mmとほぼ同じ大きさのようです。

特許の実施例では300mm、400mm、600mmのテレコン内蔵レンズが示されていますが、製品化されるとしたらどの焦点距離のレンズが製品化されるのか気になるところです。