ミノルタ「AF28mm F2」は優れた発色と心地よいボケで今でも価値のあるレンズ

ePHOTOzineに、ミノルタが1986年に発売したAマウントの広角単焦点レンズ「AF28mm F2」のα7R III によるレビューが掲載されています。

Minolta AF 28mm F/2 Vintage Lens Review

  • このビンテージレビューの目的は、Aマウントシステムの終焉で、ミノルタAF28mm F2が、Eマウントシステム(α7R III + LA-EA5)でどのように機能するか確認することだ。
  • ソニーのAマウントレンズの多くはLA-EA5でAFで使用できるが、ミノルタのレンズはAFでは使用できない。しかし、絞りや露出、EXIFの記録などのAF以外の電子的な機能は利用できる。
  • このレンズは1986年から1999年に製造されたミノルタAF28mm F2 Type1だ。このレンズのType2は2006年まで製造された。

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  • 重さはわずか285mm、全長49.5mmで、マウントアダプターのLA-EA5込みでα7R IIIとのバランスは取れている。
  • フォーカスリングは非常に小さいが、動きは緩すぎず上手く機能する。絞りリングは無いが、LA-EA5が完璧に機能し、カメラ側から絞りを設定できる。
  • 光学系は80年代のレンズらしく特殊素材は無しの9群9枚で絞りは7枚羽根だが、とにかくボケは心地よいレンズだ。
  • 中央の解像力はF2でとても良好な値(very good)で、F2.8からF16では素晴らしい値(excellent)、F22では良好な値(good)だ。隅は中央にいくらか後れを取っており、F2とF2.8で良好な値(good)、F4とF5.6でとても良好な値(very good)、F8で良好な値(good)、F11からF22ではそこそこの値(fair)だ。

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  • 倍率色収差は中央は良く補正されているが、隅は予想通りかなり色ズレが目立つ。
  • 歪曲は-1.73%のタル型で、歪曲が気になるのは建築物の撮影だけだ。
  • ボケは非常に心地よいもので、トップクラスのポートレートレンズと同レベルではないが、広角レンズとしては滑らかだ。
  • 逆光耐性はかなり弱く、画面の端に明るい光源があると、多くのフレアが見られる。これは80年代のマルチコーティングが現代と同水準ではないためだ。しかし、フレアにはクリエイティブな用途があり、このレンズには必要に応じてドラマティックなフレアを出せる。
  • 周辺光量落ちは開放で-2.1stopで絞ると徐々に改善する。

  • コストパフォーマンスの評価は難しい。このレンズは中古で280ポンドするが、AF28mm F2.8はわずか80ポンドだ。ソニーFE28mm F2はわずか339ポンドであり、価格の点で新旧28mmの価格は非常に近い。
  • このレンズはEマウント機ではMFで使うことになるが、大口径の広角レンズではフォーカシングはそれほど問題にはならないだろう。適当な価格なら、このレンズは依然として価値のあるレンズで、素晴らしい色再現と優れた中央のシャープネスを考えると推薦できる。
  • 良い点:中央の優れた解像力、F2の明るさ、軽量コンパクト、純正マウントアダプターでEXIFが記録可能、マニュアルでピントが合わせやすい、見事な色再現、滑らかなボケ。
  • 悪い点:アダプター使用時にマニュアルフォーカスになる、隅の解像力が低い、隅の色収差が目立つ、防塵防滴ではない、フレアが出やすい。

 

AF28mm F2は36年も前に登場したレンズですが、サンプルを見ると4200万画素機のα7R IIIでも十分に良く解像していて、今でも普通に使えるレンズという印象です。隅の色収差がかなり目立つことや、逆光に弱いところはオールドレンズらしい部分ですが、古めかしい描写を期待している場合には、このレンズは良く写りすぎるかもしれませんね。このレンズは結構人気があるようで、中古で買って気軽に楽しむには少々値が張るのが厳しいところかもしれません。