OMDSのビジネスはOM-1の貢献で現在非常に良好な状態

ImagingResourceに、OMDSの開発陣のインタビューが掲載されています。

OM Digital Solutions Q&A July 2022

  • (オリンパスから独立した会社への移行はどうだったか?)
    業務の改革はまだ途上だが、従業員の意識は変化している。一方で、オリンパス時代に使用していたインフラが使えなくなったのでインフラの構築が大きな課題だった。

  • (OMDSは販売面で非常に上手く行っているようだが?)
    ミドルクラスとハイエンド製品は、オリンパス時代よりも状況は良くなっている。我々のビジネスは全体的に改善しており、特にOM-1のおかげで現在のビジネスは順調に進んでいる。

  • (OM-1のおかげで売上が急増したのか?)
    イエスだ。これまでの製品と較べて、より多くの新規ユーザーがOM-1を購入している。そのようなユーザーはOM-1と共にPROレンズも購入してくれるので、PROレンズの売上にもOM-1が大きく貢献している。そのため、現在のビジネスは非常に良好な状態だ。

  • (OMDSは財務データを公開しているのか?)
    財務諸表を作成しているが、当社は上場企業ではないので、財務諸表は株主のみが閲覧できる。

  • (OMDSの研究開発はどうなっているのか? オリンパスと共有している設備はあるのか?)
    OMDSは魅力的な製品を提供し続けるために、主要な開発リソースを保持している。製品開発に必要な要素の一部はアウトソーシングも活用しており、アウトソーシングでオリンパスの研究開発リソースを引き続き利用している。もちろんOMDS社内に独自の研究開発スタッフもいる。

  • (OMDSの生産体制は?)
    ベトナムのオリンパスの工場の一部を資産として譲り受け、OMDSの製造拠点としている。そのため、基本的に自社工場で製品を製造している。

  • (今後の製品のブランドは?)
    OM-1がオリンパスのブランドロゴの付いた最後のカメラになる。現在、既存商品のブランド変更を検討しているが、現時点では詳細は話せない。

  • (ロードマップに掲載されている2本の望遠ズームについて)
    詳細は言えないが、今後の望遠ズームはエンスージアスト(ハイアマ)が喜ぶものになるだろう。OMDSの調査ではプロ写真家とハイアマ写真家の市場規模は変化していないので、今後もこの市場規模は大きく変わらないと考えている。このため、ミドルからハイエンドの領域の製品を重視するのが我々の戦略だ。

  • (新しいF1.2シリーズのレンズは追加されるのか?)
    現在のラインアップよりも広角のF1.2レンズや望遠のF1.2レンズは大きくなってしまうので、消費者に受け入れられないかもしれない。消費者からは軽量コンパクトなカメラシステムが欲しいという声が挙がっている。そのため、F1.2シリーズの拡充は優先度が高くはない。

  • (150-400mmの供給不足の原因は?)
    まず、厳格な品質管理基準に従って生産しているので、限られた数しか生産できないことだ。次に、OM-1の発売以降、野鳥撮影愛好家を中心にこのレンズの注文が増加したことが要因と考えられる。野鳥撮影ではOM-1に対する関心が非常に高く、150-400mmを求めているユーザーも多く、想定以上に注文が殺到している。

  • (クアッドピクセルのデータをAF以外の用途で読み出すことは可能か?)
    個々のサブピクセルのデータはAFでのみ利用されるので、RAWデータとしては提供されないが、これまで実現できなかった写真表現を実現するなど、サブピクセルのデータのいろいろな活用方法を検討している。

  • (OM-1のAI AFのアルゴリズムはファームウェアでアップデートできるのか?)
    ファームウェアレベルでアップデート可能だ。詳細は言えないが、市場の状況とユーザーからのフィードバックに基づいてAIAFを進化させることを検討している。

  • (AIの次に登場する技術は?)
    更に進化したコンピュテーショナルフォトを活用して、センサーサイズに依存することなく高品質の画像と優れた写真表現を可能にし、フルサイズを所有する顧客にもOMDSのカメラシステムを楽しんで貰えるようにしたいと考えている。

 

オリンパスから独立してからのOMDSの状況は良く分かりませんでしたが、OM-1やハイエンドの交換レンズが非常に良く売れているようで、ビジネスは非常に良好な状態と述べられているので、ユーザーの方はまずは一安心ですね。

今後OMDSは、ハイアマをターゲットにした製品を中心にリリースしていく方針のようなので、OM-1や登場が噂されているOM-5あたりが製品ラインナップの中核になりそうですね。