ソニーはRXシリーズを止めたわけではない

Imaging Resourceに、ソニー開発陣のインタビューが掲載されています。

Sony Q&A, late Summer 2022

  • (最近の写真市場の状況は?)
    ミラーレス市場は厳しい状況の中でも伸びている。幸いなことに、我々は市場をリードしてきたが、スチル撮影は新型コロナの影響を受けた。しかし、動画撮影に関しては現在の状況でも需要が増え続けており、これが我々が市場をリードし続けている理由だ。この傾向は今後も続くと予想している。

  • (スチルの市場は減少しているが、動画市場は増加しているのか?)
    新型コロナの影響で撮影に行けなくなってしまったので、スチルの需要が減っているが、動画の需要は継続的に増加しているため、ミラーレス市場は縮小することなく成長し続けると考えている。

  • (サプライチェーンの問題は?)
    残念ながら影響はあるが、影響を最小限に抑える方法をサプライヤーと継続的に話し合っており、今後は状況が改善されると思う。今後はそれほど心配はしていない。品薄の状況は改善している。

  • (APS-Cはどうなるのか? ハイエンドモデルは登場するのか?)
    市場の要望に応えるためにAPS-Cも重要だと考えている。将来の製品については詳細は言えないが、APS-Cの需要は理解しており、APS-Cの開発を止めたことはない。

  • (ハイエンドスチルカメラの需要は?)
    市場の需要は、スチルカメラからスチルと動画のハイブリッド的な使い方へと変化しているので、両方の要求を満たす方法を検討しなければならない。動画ライフを始めたいという顧客のためにZV-E10を用意したが、彼らが機材のアップグレードしたいと思えば、APS-Cハイエンドモデルのチャンスになるかもしれない。

  • (RXシリーズのハイエンドコンパクトカメラはどうなっているのか?)
    RXシリーズの生産は続けている。今後の戦略については話せないが、RXシリーズを止めたわけではないと思っている。顧客からの新製品の問い合わせは多い。

  • (ソニーのAI AF開発の戦略は?)
    AFとAIのテクノロジーは我々のベースとなる強い技術なので、この分野の技術開発は今後も続けている。残念ながらまだ製品を発表することはできないが、今後AI AFという観点から、より高度な技術を発表していくのは間違いないだろう。

  • (BIONZ XRプロセッサについて)
    2つのBIONZ XRプロセッサはそれぞれ役割が異なり、連携して動作することで従来のBIONZ Xの最大8倍の処理速度を実現している。

  • (α1でメカシャッターを廃止せずに進化させたのはなぜか?)
    フラッシュの同調速度はまだ進化していない領域で、新開発のデュアルドライブシャッターで新しいフラッシュの撮影体験を提供したいと考えた。

  • (α1のスチルの手ブレ補正効果は控えめで動画の手ぶれ補正は最高クラスだが、スチルと動画の手ブレ補正の効果はトレードオフの関係にある?)
    スチルと動画の手ブレ補正はトレードオフの関係ではない。

 

スチル重視のカメラを期待する声は結構多いようですが、最近のミラーレスカメラの需要を牽引しているのは動画機のようなので、今後も動画機能に力を入れたハイブリッド機が中心になりそうです。

RXシリーズの今後に関しては、明言は避けていますが、まだ続けたいという気持ちはあるようですね。最近はVlog機のZV-1がコンデジの売れ筋になっているので、RXシリーズが今後どうなるのかは気になるところです。