ニコン「Z 28mm f/2.8」は鏡筒の品質は少し低いが満足の行く写り

PCmagに、ニコンの軽量コンパクトな広角単焦点レンズ「Z 28mm f/2.8 Special Edition」のレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor Z 28mm F2.8 (SE) Review

  • 鏡筒はマウントを含めて全てプラスチックで、Zマウントで最軽量クラスのレンズだ。
  • 専用のフードは用意されていないが、前玉が小さく光が当たりにくいので、フレアが問題になることはなかった。もちろん、太陽に向けたり、強い逆光では若干のフレアが確実に出る。
  • コントロールリングは敏感で少し触れるだけでも露出が大きく変わってしまうことがあり、正確に調整するのは難しい。これはこのレンズだけでなく、大部分のZレンズの弱点だ。コントロールリングの感度を調整できるカメラはZ9のみだ。
  • AFは反応は良いが、遠距離から近距離まで0.2秒かかりそれほど速くはなく、動いている被写体を撮り逃がすかもしれない。しかし、28mmの広角レンズなので、AFの遅さはZ 40mm f/2ほどは問題にならないだろう。
  • フォーカスリングはノンリニアな動きで非常に反応が良く、マニュアルフォーカスを楽しめる。動画撮影者はフォーカスラックを繰り返すことができるリニアな動きを好むが、動画でAFを使う場合やブイログ用ならこのレンズが最適だ。このレンズはブリージングが見られない点が気に入っている。
  • 最大撮影倍率は1:5で、花や昆虫のクローズアップには使えないが、ディナーのテーブルフォトには良い選択肢だ。

  • ラボテスト:開放で非常に良好な解像力(3800ライン)で、F4からF11では素晴らしい解像力(4200-4400ライン)に達する。Z7IIでは際立った解像力には届かないが、Z7IIでも2000万画素のDX機でも十分なシャープさだ。隅は開放では甘く、周辺光量落ちも見られるので、風景では絞った方がいい。F16からは回折の影響が見られる。
  • 光芒は絞り込んだ時は全くシャープさがなく、ベストの結果を得るにはF11以上に絞らない方がよい。
  • 周辺光量落ちは開放でも自動補正で軽減されるが、F4までは完全には解消しない。歪曲は真っ直ぐに補正されているが、歪曲補正はJPEGでもRAWでも無効にできないので、どれだけ歪曲が補正されているのかは分からない。
  • ボケは玉ボケは比較的綺麗で後ボケも柔らかいが、隅では開放時に玉ボケが不自然な形になる。これはF4に絞ると解消する。

  • Z 28mm f/2.8はいくつかの不満点はあり、1000ドルのZ 24mm f/1.8 Sほど光学性能は完璧ではないが、手頃な価格ながら非常にシャープで高性能なレンズだ。開放では周辺光量落ちと興味深いボケ味でビンテージな写りになるが、絞り込めば隅々までシャープになる。プラスチック製の鏡筒の品質と、AFの遅さが主な欠点だが、この価格のレンズとしてはどちらも驚くようなことではない。
  • このレンズは完璧ではないが、あなたが28mmの焦点距離が好みなら、入手を躊躇する必要はない。Z 28mm f/2.8は手頃な価格を実現するために鏡筒の品質が少し犠牲になっているが、満足のいく写りで大いに価値のあるレンズだ。
  • 良い点:小型軽量、シャープな光学系、手頃な価格、歪曲やフォーカスブリージングが見られない。
  • 悪い点:AFが遅い、耐候性の無いプラスチック製の鏡筒、コントロールリングがあまり役に立たない。

 

Z 28mm f/2.8は開放では柔らかめで味わい深い描写のようですが、絞ると一転して非常にシャープなり、絞りによる描写の違いを楽しめそうなレンズですね。鏡筒の品質に関しては安価なレンズなので、価格相応といった感じでしょうか。コントロールリングが敏感すぎる問題に関してはファームウェアで解消できそうな問題なので、アップデートに期待したいところですね。