キヤノンの「24-120mm F2.8 IS」「85mm F1.4 IS」「100-400mm F4.6-7.3 IS」の特許出願

キヤノンが「24-120mm F2.8」「85mm F1.4」などの実施例を含む、レンズ内手ブレ補正を搭載しつつ、小型軽量で色収差の少ないレンズを造る技術に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2022175604
    出願番号:P 2021082159
    公開日:2022-11-25
    発明の名称: 光学系および撮像装置
  • 【課題】光軸に対して偏心する可動群を小型軽量化しつつ、可動群による色収差の発生を抑制する。
  • 撮像装置に用いられる光学系において、防振群としてのレンズまたはレンズ群を光軸に対して偏心する方向に移動(シフト)させることで、手振れ等による撮像装置の振れに起因する像振れを低減(補正)することが可能である。
  • しかしながら、特許文献1に開示された光学系では、防振群である第3レンズ群が物体側から順に配置された正、負、正および負の4つのレンズで構成されており、重量が大きい。このため、第3レンズ群全体を光軸に対してシフトさせるための駆動機構が大型化し、結果として撮像光学系を収容するレンズ鏡筒が大型化する。
  • 特許文献2に開示された撮像光学系では、防振群である第4レンズ群が2つのレンズにより構成されているため、小型で軽量であるものの、第4レンズ群がシフトした状態での色収差の発生を抑制することが困難である。
  • 本発明によれば、光軸に対して偏心する可動群を小型軽量化しつつ、可動群による色収差の発生も抑制することができる。

  • 実施例1(24-120mm F2.8 IS)
    ズーム比 4.71
    焦点距離 24.72 61.33 116.36
    Fナンバー 2.91 2.91 2.91
    半画角 37.12 19.43 10.53
    像高 21.64 21.64 21.64
    レンズ全長 178.45 191.24 204.02
    バックフォーカス 14.59 14.59 14.59

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  • 実施例4(85mm F1.4 IS)
    焦点距離 82.47
    Fナンバー 1.45
    半画角 14.70
    像高 21.64
    レンズ全長 126.52
    バックフォーカス 13.50

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  • 実施例5(100-400mm F4.6-7.3 IS)
    Fナンバー 4.64 6.50 7.30
    半画角 11.84 5.70 3.19
    像高 21.64 21.64 21.64
    レンズ全長 176.10 235.23 288.59
    バックフォーカス 15.98 50.92 63.01

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24-120mmでF2.8通しのレンズは、他には無い面白いスペックのレンズですね。全長はフランズバックの分を引くと16cm程度なので、ズーム域と明るさを考えればサイズは許容範囲内でしょうか。製品化されれば、大三元標準ズームの明るさと小三元標準ズームの広いズーム域を併せ持つレンズになりますね。

85mmに関しては、既にRF85mm F1.2Lが製品化されていますが、 EFでは85mmはF1.2とIS付きのF1.4の両方がラインナップされていたので、IS付きのRF85mm F1.4が製品化される可能性もあるかもしれませんね。

100-400mm F4.6-7.3はシンプルな光学系で非Lレンズ用に見えます。このレンズは、現行のRF100-400 F5.6-8 IS USMよりも若干明るいですが、この程度の違いだと棲み分けは難しそうな気がします。